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- 藤崎萌恵
- 数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスが癒し。主な記事は『チェリまほ』『陳情令』等。
『魔道祖師』『天官賜福』をはじめ、世界中で絶大な人気を誇る中華BL作品。近年ますます注目が集まり、その耽美な世界観や緻密に描かれるストーリーが多くのファンを虜にしています。
そんななか『人渣反派自救系統 』『千秋』など、人気小説の日本語版が続々と発売決定し、嬉しい情報でいっぱいに。日本語で読めるのを心待ちにしている方も多いでしょう。それぞれ美麗なカバーイラストも話題となっています。
本稿では現在発売中の中華BL小説と、今後刊行予定のものも併せて、あらすじなどの作品情報をまとめています。貴重な日本語版をお見逃しなきよう、ぜひチェックしてみてください!
著者:墨香銅臭
装画:千二百
訳者:鄭穎馨
発売日:2021年5月27日
レーベル:ダリアシリーズユニ
発行:フロンティアワークス
※台湾版(繁体字)より翻訳
中国のWeb小説サイト・晋江文学城で2015年10月から連載され、ラジオドラマ、漫画、アニメ、実写ドラマと様々なメディアミックスを展開。アジアをはじめ世界中を熱狂させる大人気作品です。全4巻+番外編小冊子で日本語版も完結。
かつて「悪の道に堕ちた」と人々から恐れられた魏無羨(ウェイ・ウーシエン)は、すべてを失い非業の死を遂げた。しかし、それは自らの信念を貫いた証だった。
それから13年後――別人の体に召喚され、思いがけず現世に蘇る。正体を隠し過去と決別しようとするが、よりによって少年の頃から文武を競い合った宿命の相手、藍忘機(ラン・ワンジー)と再会してしまう。
前世の記憶の中では衝突してばかりいたはずなのに、なぜか彼はそばを離れようとせず――。
自由奔放で快活な魏無羨と、品行方正で寡黙な藍忘機。あの日の旋律が再び二人を巡りあわせ、運命の歯車は動き始める。
(公式サイトより引用)
著者:墨香銅臭
装画:日出的小太陽
訳者:鄭穎馨
発売日:2022年7月15日
レーベル:ダリアシリーズユニ
発行:フロンティアワークス
※台湾版(繁体字)より翻訳
2017年6月より晋江文学城にて連載された墨香銅臭先生の最新作。漫画・アニメなどのメディアミックスが展開されており、アジアを中心に多くのファンを獲得しています。日本語版小説は現在第3巻まで発売。
仙楽国の太子・謝憐(シエ リェン)は、十七歳の若さで飛昇し天界の武神となった。しかし、自らの行動が原因で二度も天界を追放されてしまう。
それから八百年後――。三度目の飛昇を果たし天界に復帰したものの、今や謝憐の信徒は残っておらず、他の神官たちからもはみ出し者扱いされてしまうのだった。
地道に信徒を獲得しようと下界で一人奮闘する謝憐は、ある日、三郎(サン ラン)と名乗る美しい少年に出会う。行くあてがないと言われ共に過ごすようになり、慕って くれる彼と仲を深める謝憐。だが、なぜか天界や鬼界に詳しい三郎には秘密があるようで――?
(公式サイトより引用)
著者:Priest
翻訳/監訳:許源源/内野佳織
カバーイラスト:柳ゆと
発行日:2021年6月21日
レーベル:Pleiades Press
※台湾リリース版を翻訳
大人気同名ドラマの原作小説。著者は晋江文学城にて複数の作品を発表している人気作家・Priest先生です。2021年6月より日本語版の配信連載がスタート。紙書籍は1~2巻が発売中で、第3巻(完結)が2024年8月27日(火)頃発売予定(通常版・限定版)。
大都市龍城(ロンチェン)。人間ではない存在が引き起こした特殊事件を扱う特別調査処の所長・趙雲瀾(チャオ・ユンラン)は、龍城大学で起きた不思議な事件の捜査中、大学教授・沈巍(シェン・ウェイ)に出会う。
二人は初対面なのに、なぜかそんな気がしない。一目惚れだと確信した趙雲瀾は沈巍に猛アタックするが、沈巍は距離を置く。それでも趙雲瀾が危険な捜査現場を突き止めたり、体調不良で倒れそうになったりするたび、そこには常に沈巍の姿があった。
趙雲瀾が沈巍の正体に迫ると、二人の関係と特殊事件が交差し、数万年の時空をさかのぼり――。数多くの前世からの輪廻を超えて、彼らは結ばれるだろうか?
(公式サイトより引用)
著者:Priest
訳者:張ゆえ
イラスト:杌氏
発行日:2023年2月17日
レーベル:Pleiades Press
『天涯客』『鎮魂 Guardian』などの著者・Priest先生による中華SFBL作品。第30回中国SF銀河賞 最優秀作品賞 受賞作です。プレアデスプレスより、訳者を立原透耶先生から張ゆえ先生に交代と発表。張ゆえ先生による『残次品』は、2024年11月から連載再開予定です。
『残次品 THE DEFECTIVE』翻訳者交代のお知らせ
— プレアデスプレス (@PleiadesPress) May 8, 2024
連載が滞っておりました『残次品』ですが諸般の事情により連載を継続することが困難であると判断し、立原透耶先生と協議の結果、翻訳者を張ゆえ先生と交代することとなりました。
連載を楽しみにしてくださる読者の皆様には深くお詫び申し上げます。 pic.twitter.com/2oFijT5vru
8つの星系から成る「聯盟」を築き、人類が宇宙を自由に飛び回る新星歴時代。人間の平均寿命は300歳まで伸び、人工知能「エデン」が人類の幸福と平和を守っていた。
一見美しく理想的な世界だが、地獄も存在する。不良品とされる人々が集まって暮らす荒漠の地、第八星系。学校など役に立たないこの荒涼たる地に学校を設立した変人の校長・陸必行(ルー・ビーシン)。そして無法地帯である北京β星の暴力組織のボス・林静恒(リン・ジンホン)。
広大な宇宙で偶然出会い、運命を共にすることとなった二人。彼らを乗せた船は思わぬ航路へと向かうことになり……。
(公式サイトより引用)
著者:Priest
訳者:楊墨秋
イラスト:苍顾行
発行日:2023年8日1日
レーベル:Pleiades Press
『鎮魂 Guardian』『残次品 THE DEFECTIVE』の著者・Priest先生が送るサスペンスBLです。2023年8月より日本語版の配信連載がスタート。第1話は無料で、毎週火曜日配信。
『黙読 The Light in the Night』分冊版1を無料で読む
煌びやかな繁華街と未開発の旧市街が隣り合わせに共存する街・燕城市。ある日、若い男の死体が発見される。
公安局刑事隊の隊長・駱聞舟(ルオ・ウェンジョウ)は早速捜査に乗り出すが、犯罪組織の存在や警察内部の思惑も絡み合い、単純と思われた事件は次第に複雑になっていく。
事件の真相をつかむため、駱聞舟は「犯罪」の才能があり、同じ男に思いを寄せる恋敵でもある費渡(フェイ・ドゥ)の力を借りることになり……。
(公式サイトより引用)
著者:梦溪石
訳者:呉聖華
イラスト:高階佑
発売日:2023年9月15日
レーベル:ヴォワリエブックス(発行・発売:日販アイ・ピー・エス株式会社)
ラジオドラマ、アニメなどのメディアミックスも人気を博している古風中華BL作品。日本語版小説(紙書籍)は全4巻。現在第2巻まで発売中で、2024年10月29日(火)に第3巻が発売予定(通常版・限定特典)。
天下一の道門玄都山の掌教〔注1〕・沈嶠(シェン・チアオ)は、突厥〔2〕最強と謳われる男・昆邪(クン・イエ)との戦いに負け、崖から落ちて瀕死の重傷を負う。
気を失っている沈嶠を偶然通りかかった晏無師(イエン・ウースー)が助けるが、彼は自らが宗主を務める魔教・浣月宗(かんげつしゅう)に沈嶠を引き入れようとしていた。意識を取り戻した沈嶠は、視力と記憶、そして掌教の地位も失っていたが、晏無師の誘いを断り、自分の過去を確認する旅に出た。
だが、その美しい容姿と、常人より遙かに優れた武功のため、時には魔教の者に追われ、時には極悪人の郡王に自分の男寵になれと言われるなど、さまざまな試練を受ける。そんな沈嶠の前に再び現れたのは晏無師。記憶を取り戻したものの、昆邪との戦いに敗れたのは、玄都山の仲間の裏切りによるものだということを知り、帰る場所を失った沈嶠は結局、晏無師と旅をすることにした。
しかし晏無師は気まぐれで、旅の道中、怪我のせいで武功が弱っている沈嶠を冷たく突き放したかと思うと、見た者がふたりの仲を誤解するほど甲斐甲斐しく、弱った沈嶠の世話を焼く。
晏無師の狙いが分からぬまま旅を続けていた沈嶠だったが、晏無師から昆邪との戦いで失くしたはずの「山河同悲剣」を差し出され...。
注(1)門派を司る者(2)現在のモンゴルに住んでいたとされる民族名
(公式サイトより引用)
著者:墨香銅臭
訳者:呉聖華
イラスト:さくらもち
監修:動物、沼落とし妖怪
発行日:2023年11月9日
レーベル:Pleiades Press
晋江文学城にて2014年9月より連載された墨香銅臭先生のデビュー作品です。2023年11月9日より日本語版が配信開始。第1話は無料で、以降毎週木曜日配信。第1巻書籍化決定と発表。
主人公の沈垣(シェンユエン)は、大人気ウェブ小説『狂傲仙魔途(きょうごうせんまと)』のラストシーンに憤怒し、罵っている間に命を落としてしまった。絶命したかと思いきや、頭の中に語りかけてくる不思議なシステムの音声で目が覚める。『狂傲仙魔途』の世界に転生してしまっていたのだ。
転生したのは、作中の主人公であり弟子の「洛氷河(ルオビンハー)」に拷問死させられる師尊「沈清秋(シェンチンチウ)」。システムによると、伝説的名作に作り変えろ、ただしオリジナルの沈清秋のキャラは守れなどなど制約が多い。果たして「沈垣=沈清秋」は、『狂傲仙魔途』で拷問死を避けるべく動くのだが、なぜか巨大ハーレムを築くはずだった洛氷河にやたらと懐かれてしまい……。
(公式サイトより引用)
『# 人渣反派自救系統 ―クズ悪役の自己救済システム ―』
— プレアデスプレス (@PleiadesPress) May 30, 2024
第1巻書籍化決定!
(墨香銅臭 / さくらもち / 呉聖華)
発売日・書店別特典等の詳細は随時アナウンスして参ります。 pic.twitter.com/cjOsspe4TT
著者:肉包不吃肉
訳者:呉聖華
イラスト:yoco
発行日:2023年10月28日
レーベル:Pleiades Press
晋江文学城にて2021年8月より連載。 大人気作品『二哈和他的白猫師尊』でも知られる肉包不吃肉先生が描く、陰謀うずまくスペクタルサスペンスBLです。2023年10月28日(土)より日本語版の配信連載スタート。第1話は無料で、以降毎週土曜日配信。紙書籍が1&2巻同時発売決定と発表。
巨大製薬会社の御曹司である19歳の賀予(ハーユー)は、世界に4人しか患者がいない特殊な精神病を患っている。彼が幼少の頃、賀予専属の医師として賀家に雇われていたのは13歳年上の謝清呈(シエチンチョン)。謝清呈の妹、謝雪(シエシュエ)が滬州(こしゅう)大学芸術学部で教鞭をとることを知り、賀予は中国に戻り、滬州大学に入学した。
32歳になった謝清呈とは顔を合わせたくなかった賀予だが、謝雪の寮で4年ぶりの再会を果たす。何かと反発し合う二人だが、とある事件を契機にかつての医師と患者としての関係性を意識していく。新たな事件に巻き込まれる二人だったが、19年前の謝兄妹の両親の交通事故死の真相に迫り……。
(公式サイトより引用)
『病案本 Case File Compendium』分冊版1を無料で読む
『#病案本Case File Compendium』
— プレアデスプレス (@PleiadesPress) May 27, 2024
1、2巻同時書籍発売決定!
(肉包不吃肉 / yoco / 呉聖華)
発売日・書店別特典等の詳細は随時アナウンスして参ります。 pic.twitter.com/u8IcuD5FS0
大人気中華BL小説『二哈和他的白猫師尊』(ハスキーと彼の白猫師尊/はすきーとかれのしろねこしずん)邦訳版の第1巻&第2巻が同時発売決定! さらに、2025年には日本語版のラジオドラマ『二哈と彼の白猫師尊』の配信も決定しています。
著者:肉包不吃肉
訳者:石原理夏
装画:zolaida
発売日:2024年11月22日(金)頃
発行・発売:株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ
2017年9月から2019年8月にかけて中国のウェブ小説サイト・晋江文学城にて連載された仙侠BL小説。『二哈』『2ha』などの通称で親しまれる超人気作品です。作者は『病案本 Case File Compendium』『余汚』などでも知られる肉包不吃肉先生。
2024年11月22日(金)頃(わんわんにゃんにゃんの日)に邦訳版小説第1巻&第2巻の同時発売が決定。通常版に加え、作者コメント・小劇場を収録した小冊子とその他の特典を含む特装版の予約受付が開始されています。
楚晩寧(チュー・ワンニン)に師事したこと自体が間違いだった。墨燃(モー・ラン)はそう思う。
高慢で冷淡な師尊は、墨燃を歯牙にもかけないばかりか、ついに墨燃の兄弟子であり、想い人でもあった師昧(シー・メイ)を見殺しにしたのだから。
しかし、そうして死んでまた生き返った時、二度にわたる生を生きた墨燃が最後に一緒にいることを選んだのは、師尊その人だった。
仙門を蹂躙し尽くし、万民に唾棄される人界の帝王となった踏仙帝君・墨燃。彼はおよそ十年にわたる治世の末、晩秋の頃に、反乱軍の包囲の中でついに自ら命を絶った。一緒に灰となったのは、かつて墨燃の兄弟子で想い人である師昧を見殺しにし、墨燃の行く手を阻んだ師・楚晩寧の遺体である。
しかし、再び目を醒ますとそこはどこか見覚えのある妓楼。墨燃は十五歳の頃の自分に生き返っていた。
師昧に再会して、彼が亡くなる前の時期へと生き返ることができた僥倖を嚙みしめる墨燃だが、まもなく険悪な仲の従弟・薛蒙(シュエ・モン)、そして楚晩寧にも再会し――。
(公式サイトより引用)
墨香銅臭先生、Priest先生、肉包不吃肉先生、梦溪石先生と、中国の大人気作家が描く神作品を日本語で読めることに喜びを噛み締めるなかで、改めて日本語版のラインナップに痺れてしまいますね。今後の情報にも期待が高まります。
また、小説を原作とした漫画も話題となっており、こちらも見逃せません。『天官賜福』の漫画の日本語版が電子書籍で発売されたのも記憶に新しいですが、他にも『烈火澆愁』『銅銭龕世』など注目作品が多数。漫画でもぜひ、中華作品の魅力を味わってみてください。
数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスを愛し、大好きな作品はたくさんありますが『チェリまほ』が心のよりどころです。そして『魔道祖師』をはじめ中華BLの沼へ。趣味は国内外のBL漫画や小説を読むこと&ドラマ観賞で、これまでに執筆した記事は『チェリまほ』『美しい彼』『魔道祖師』『陳情令』『ENNEAD』など。