TrySail 航海の軌跡&チャレンジも詰まった5thアルバム!麻倉ももさん×雨宮天さん×夏川椎菜さんインタビュー|『SuperBloom』はさまざまな色に輝くジュエリーが詰まった宝石箱に
TrySailのニューアルバム『SuperBloom』が7月19日(水)に発売されます。
本作には、5月に発売されたシングル「華麗ワンターン/Follow You!」(TVアニメ『異世界ワンターンキル姉さん』OPテーマ)の他、TVアニメ『マギアレコ―ドまどか☆マギカ外側』2ndクールEDテーマ「Lapis」、TVアニメ『阿波連さんははかない』OPテーマ「はなれない距離」も含む全11曲を収録。これまでにないほど個性豊かな歌が詰まった、『SuperBloom』という名に相応しい宝石箱のようなアルバムになっています。
アルバムリリース、さらに約2年振りとなるツアーLAWSON presents TrySail Live Tour 2023″SuperBloom″を間近に控えた麻倉ももさん、雨宮天さん、夏川椎菜さんに、新曲の話を中心に話をうかがいました。
砂漠に花が咲く奇跡
――待望のアルバムがリリースされますが、いつぐらいからつくりはじめていたんですか?
夏川椎菜さん(以下、夏川):確か「華麗ワンターン」(TVアニメ「異世界ワンターンキル姉さん ~姉同伴の異世界生活はじめました~」OP)の時にはもう作りはじめてたよね。
雨宮天さん(以下、雨宮):そう、同時進行くらいで。
麻倉ももさん(以下、麻倉):同時進行でやってはいたんですけど、アルバムについてはまだお話できなくて。なにも隠さなくて良いってこんなにも清々しいんだなと感じています(笑)。
夏川:ね!
――『SuperBloom』のテーマになっている「宝石箱」にふさわしい、珠玉の楽曲が揃っているなと感じています。SuperBloomというのは、異例の降雨によって、砂漠地帯などに大量の野花が咲く現象のことを指すのですね。
夏川:13枚目のシングルから「華麗ワンターン」までの色が濃かったので、その一つ一つを丸くするのではなく、尖ったまま収めておくという意味で、この宝石箱というテーマになったのかなと思っています。『SuperBloom』というのはおっしゃる通り、そういう意味で。その棘のある曲をまとめてくれるような言葉なのかなと。
雨宮:どんな曲が来ても受け止めてくれるというか(笑)。1曲ずつ、いろいろな色・形にBloomしている楽曲なので、それをまとめました!っていう(笑)。そういう役割を担っているのかなと。
夏川:で、その楽曲が全部箱の中に入って、SuperBloomが起きちゃった!っていう……。
雨宮:それだ!!!さすが!
――(笑)。「華麗ワンターン/Follow You!」のインタビューで中堅感が話題になっていましたが、それこそ今だからこそできる曲が粒ぞろい。そのあたりはどのように感じられていますか?
麻倉:昔でも歌うことはできたと思うんです。確かに個性的な曲たちをより歌い方や表現で尖らせることができたのは今だからなのかなって。
――それでいて、フレッシュな印象も受けました。
雨宮:確かに「SuperBloom」や「Follow You!」( TVアニメ「異世界ワンターンキル姉さん ~姉同伴の異世界生活はじめました~」OP)はフレッシュ感があるかもしれません。中堅ソングが多いから余計に際立つのかな?
麻倉:「SuperBloom」ではじまって「flower」で終わることで、「あ、いろいろ曲があるけどやっぱりTrySailだな!」って思ってもらえるんじゃないかなと思っています。
――ではタイトル曲でもある「SuperBloom」(M-01)は曲を聴いたときどのような印象を受けましたか?
雨宮:思ったのは、やっぱり“フレッシュ”。新人感がすごいなって。逆に試されてるのかな?と思いました。「結構あんたら中堅ですけど、どれくらいフレッシュ出せるんですか?」っていう(笑)。昔はただで漏れてきたものが……。
夏川:今はね、ゼロにすることもできるし、90くらいまでなら出せるから(笑)。
雨宮:「SuperBloom」は砂漠地帯などに大量の野花が咲くことですけど、でもそもそも砂漠じゃないんだぞ!っていうところを見せる曲なのかなと思ったので、はじける若さを意識せねばなと。
麻倉:私もフレッシュな曲がきたなと思っていました。8年くらいTrySailをやっていますが、ここにきて初心に戻って、ここからまたみんなで再出発しようってメッセージを感じています。このあとはいろいろな曲が登場しますけど、旅のはじまりのような1曲だなと思いました。
夏川:ただ、元気でフレッシュさも感じる曲なんですけど、それこそ新人みたいな感じで元気に歌ってしまうと、曲に乗り切れず、振り下ろされてしまう曲でもあるように感じているんですよね。
――「華麗ワンターン」パターンということですね……!
夏川:そうですね。意外と乗りこなすのに力がいるというか。フレッシュなだけでは乗りこなせない楽曲だなと感じています。サビのテンションがいちばん高いんですけど、Aメロ、Bメロもテンションが高くて、階段を登り続けているような感じなので、それを元気で押しとしてしまうとテンションが高いだけの曲になってしまう。そこにきちんと抑揚をつけて、サビにいちばんの盛り上がりを持っていけるように、ってことを意識しました。そこはレコーディングで苦労したところでもありますね。
雨宮:それこそ、Aメロ、Bメロもアタックを決めないと流れていっちゃうんですよね。
人には人の「ちゅるちゅわ」がある
――「ちゅるちゅわ」(M-04)も新しさとTrySailのかわいさが同居した曲ですよね。
夏川:時代の流れを感じると言うか……。我々が1stアルバム『Sail Canvas』のころにやってたザッツかわいい曲って「ホントだよ」とかなんですが、10年くらい経つと「かわいい」の定義がかわってくるんだなと……。
雨宮:日本の歴史を感じる!?
夏川:そうそう(笑)。今かわいいとされているものってこういうものだよなって。
麻倉:確かに元気ハツラツというより、少し気だるさのあるような歌い方で、その中にもかわいさのようなものがあって。そういうのを入れ込むのが、今だからこそできるものなのかなって。
雨宮:かわいい曲もTrySailでは歌ってきましたけど、そのどの曲とも違うK-POP的なサウンドで。だからこれは“中堅かわいい”かなって。(ふたりを見て)そうだよね?
夏川:“中堅かわいい”だね(笑)。でも私はこの曲では“かわいい”をやりにいかず、脱力感を大事にしました。発音を曖昧にして、いい塩梅を探しつつ、いろいろなことを試していました。
雨宮:私は一番手に歌ったんですけど、同じく普段できない歌い方も試しながら、楽しく歌いました。特にラップパート。
麻倉:私は二番目で。天さんの歌声を聴かせてもらったところ、自分が思っていた以上にけだるい雰囲気や「ここにニュアンス入れるんだ!」って発見があって。私は特にDメロがかわいいなと思っていたんですが、その部分の(雨宮さんの声が)かわいすぎて!それを盗ませてもらいました(笑)。
雨宮:恥ずかしいですね(笑)。ありがとうございます。
――ところで「ちゅるちゅわ」って……。
夏川:なんやねん、と(笑)。結局わからないんですよね。歌詞の通り<ごちゃ混ぜなちゅるちゅちゅるちゅーわ>なんです。
雨宮:かわいいの概念というか(笑)。だからきっと、聴く人それぞれによって「ちゅるちゅわ」があると思います。人には人の「ちゅるちゅわ」が。
一同:(笑)
雨宮:逆にどう思うのか気になりますね。
夏川:どんなものを想像したのか、絵に描いてほしい(笑)。心理テストのような感じで「どんな景色を思い出しましたか?」って。
麻倉:深層心理が出るのかな(笑)。