TrySail 航海の軌跡&チャレンジも詰まった5thアルバム!麻倉ももさん×雨宮天さん×夏川椎菜さんインタビュー|『SuperBloom』はさまざまな色に輝くジュエリーが詰まった宝石箱に
異国情緒溢れるブロックも
――「Ah! La Vie En Rose!!! -ア!ラ・ビ・アン・ローズ-」(M-06)はタイトル通り、アラビアンな雰囲気で。歌詞の中に皆さんのお名前が一文字ずつ入っているのも特徴的です。
麻倉:この曲は私からレコーディングをはじめたんです。「これはどうしようかなぁ……」と思いつつ(笑)、仮歌さんがAメロにこぶしを入れていたので、その部分などを中心に当日まで練習をして、現場で確かめようと。そしたらディレクターさんも「これどうしよっかねぇ」って(笑)。後から話を聞いたところ、一人ひとりレコーディング方法が違ったようなんです。それが面白いなって。
――へえ!
麻倉:私は<風に吹かれて舞い踊る 足跡も消えていくDays>のところを「喉を叩きながら歌って」って言われたんですよ。どういうことだろう?と思ってたんですけど、モーニング娘。さんのMVで喉を叩いているシーンがあるとのことで、それを見て、喉を叩いて歌ったんです。それも初めてのことで。でも蓋を開けてみたら、それをしたのは私だけだったという(笑)。ディレクターさんたちもいろいろと手探りだったんだろうなと。
――物語の導入にナレーションも入りますし……。
雨宮:そう! 「ナレーションかぁ」って思って。本業のプライドもあって、半端なものはできないぞと、レコーディングの最初にナレーションを録ったんですよ。それがうまくいかない限り緊張しちゃうなと。ナレーションは気合いが入りましたね。歌に関しては、私はプライベートで演歌を歌うので、節回しはわりとスムーズにできたんです。実は私も喉を叩いてと言われたんですが、叩く動作を入れると歌に集中できなくなって「自分で節をまわすので、叩かなくてもいいですか?」と。そしたら「そっちのほうがいいね」となって、多分、そこで消えたのかも……。
夏川:私は言われてもない(笑)。ナレーションや節回しも、普段の歌では録らないようなパートも録ったなぁって。<みゃんみゃみゃみゃみゃみゃみゃん……>みたいな効果音も収録したんですよね。楽器の音を口でやることも今までやったことがなかったので、そこも含めて、この曲の遊びココロな部分なのかなって思いました。ちょっとミュージカルっぽさもあるんですよね。途中にセリフもあるし。
雨宮:ライブではどうなるんだろう? サビの持つ、盛り上がり感重視のパフォーマンスになるのかな。
――ファンの方がどうやって乗りこなすのかが楽しみです。
夏川:首を動かす(アイソレーション)練習をしてもらって……。
雨宮:平歌で眼の前にいるたくさんの人たちがそれをやってたら笑っちゃうよ(笑)。
――そして、アラビアンからラテンな雰囲気に。「Mermaid」は情熱的な曲ですよね。
夏川:異国感が続きますね。
雨宮:これを3人で歌うんだって驚いたんです。1人で歌う曲のイメージがあったので、3人で歌ったらどうなるんだろう?ってワクワクしました。
麻倉:かっこいい曲はいろいろ歌ってきましたけど、大人で情熱的な雰囲気の曲は歌ったことがなかったので、新鮮な気持ちでしたね。ちょっと切ない雰囲気もあって。
夏川:タイトルからも分かる通り、ストーリーがはっきりしている曲で。歌詞の中では<I’m Mermaid>と歌ってはいるけど、自分がマーメードになるというよりも、ストーリーテラーの気持ちで歌っていました。「Ah! La Vie En Rose!!! -ア!ラ・ビ・アン・ローズ-」のナレーションのような感じで、絵本の1ページを読み上げるような。
――そこから 「Lapis」(TVアニメ『マギアレコ―ド まどか☆マギカ外伝』2ndクールED)になり……。
雨宮:海の底に沈み(笑)。
夏川:だいぶ沈むよね。
――そして「遥かな航海」で浮上し。
雨宮:沈んだままじゃ終われないっていう。そんな話を実際にしていたんですよ。面白い曲順ですよね。
麻倉:「遥かな航海」は心が落ち着く曲でもあるなと。<晴れの日でも雨の日でも止まらず船は進む>という歌詞も、今までの旅を内包するようなものだなって。
雨宮:<不安な夜もあった>と過去を振り返ってますし。今まで一回あったことを平和なところから振り返ると言うか。尖ったこともあったし、失恋もしたかもしれないけど……。
夏川:これまで見てきた宝石たちをもう一回ゆっくりご覧になってみて下さい、と(笑)。
――そして、<はるばる続く未来へいつまでも旅の途中>と。TrySailらしいなと思いました。9曲目からラストの11曲目、「遥かな航海」「Etoile」「flower」はその未来への旅路を感じさせるような、希望に溢れる展開だなって。
雨宮:波乱万丈な人生を読み返している時間を経て、次の曲から未来のことを綴っていく、そんなようなイメージなのかなと思いました。未来への希望ソングが集まってますよね。だいぶ荒れてましたから(笑)。
夏川:やっとホッとできる場所に。1曲目から8曲目ってTrySailの中でも、尖った部分で突き詰めているような楽曲だったので、「遥かな航海」からの3曲はTrySailが今までやってきたことの延長線上にあるというか。受け入れやすい感じがするなぁと思っています。
――ラストの「flower」についてもぜひ教えてください。配信だけでなく、「TrySail Arena Live 2023 〜会いに行くyacht! みんなであそboat!〜」開催前にはリリックビデオも公開されました。
雨宮:ライブのための曲として作ったもので、この曲だけ少し前になるんですよね。私たちもみんなに会えるのが楽しみだし、みんなも楽しみにしてくれていたら良いなって思いながら歌いました。1行目から<会いたい>って3回言ってますし(笑)。全部で何回言ったでしょう……?ってくらい連呼してます。
夏川:こんなに<会いたい>っていうこともないもんね。その強めの言葉が爽やかに聴こえるメロディーや音になっているのが良いなって思っていました。
麻倉:ところどころ敬語になっているところに年下の女の子的な雰囲気を感じて、歌詞がかわいいなって思いながら歌っていましたね。ライブで皆さんと久しぶりに会うために作った曲と聞いていたので、ライブの空間を意識しながら歌って。自分自身も幸せな気持ちになりました。
――結びの言葉の<笑顔の花も涙の花もお揃いで育てたいな あなたがくれた眩しいこの世界であなたのそばで…>が『SuperBloom』というタイトルにもつながっていったのかなと思ったのですが、どうでしょうか?
雨宮:あ、本当だ!
麻倉&夏川:あ……!
雨宮:それ、すごい発見ですね! それいただきます!(笑)じゃあここで「お後がよろしいようで」になって。
麻倉:また1曲目に戻っていくっていう。
雨宮:ディレクターも狙ってそうしたわけではないと思うんですが(笑)
夏川:奇跡ですね、SuperBloomです。
雨宮:おっ、お後がよろしいようで〜!
一同:(笑)