音楽活動10周年記念LIVE「オモイデトリガー」開催決定──40歳目前でCDデビューした職人肌声優・吉野裕行さんは「アイドル好きの小さいおっさん」!?
男くささとかわいらしさが同居する”よっちん”楽曲とは
ここでは吉野さんがこれまでにリリースして来た楽曲について一部ご紹介します。
デビューとなった「ドリームフラッグ」(『Get Set』収録)こそ、爽やかな印象の強い楽曲ですが、内に秘められた熱き魂を表現する「情熱アンソロジー」(『情熱アンソロジー』収録)のような、いわば「男くささ」「人間くささ」を感じられる曲も、吉野さん楽曲の特徴であると言えます。
しかしながら、それとは真逆な「かわいらしい」楽曲も──二次元に恋する女性に寄り添うような歌詞が嬉しい「マイペース」や、女性目線な歌詞が妖艶な「CATWALK」(どちらも『Peace』収録)も吉野さんの人気曲です。
また、アコースティックギターを手にするきっかけとなった「歩いていこう」(『Get Set』収録)のような”ギター曲”も順調に曲数を増やしています。さらには、自身のソロライブや「Kiramune Music Festival」で何度も披露され、代表曲のひとつとなった”盛り上がり曲”「\わっしょい/」(『CYCLE』収録)も吉野さん楽曲を語る上で欠かせない1曲。
この「\わっしょい/」には、CDデビュー後に出会った「ハロープロジェクト」(以下、ハロプロ)のステージングに感銘を受けた吉野さんが、好きなハロプロ曲を提示し「こういう曲をやってみたい」と音楽ディレクターに直談判したというユニークなエピソードも……。
他にも、痛烈な歌詞を語り叫ぶように歌う「シャララ」(『DRAMATIC SURF COASTER』収録)のようなセンセーショナルな異色曲は、レーベル内どころか声優界でも吉野さんにしか歌えない楽曲との呼び声も高く、必聴です。
2023年4月にリリースされた最新の5thミニアルバム『2022/07/28~2023/02/26』には、そんな吉野さん”らしさ”あふれる楽曲が満載! さらに豪華盤には映像特典として、2021年に開催された配信ライブ「冬来りなば春遠からじ」のライブパートが収録されている点も見逃せません!
熱い”よっちん”節炸裂のライブで魂を燃やし尽くせ
Kiramune加入に至るまでに時間はかかったものの、メンバーの先陣を切るかのように全国ライブツアーを展開するなど、精力的な活動を始めた吉野さん。デビューからおよそ5年の間に、3回もの全国ライブツアーを敢行。2018年にはおよそ2ヶ月ほどの間に10か所10公演を巡るという怒濤のツアーも……!
そんな吉野さんのライブを一言で表現するならば「熱い!」。
「歌うことは魂を削ること」と語る吉野さんの、文字通り精根尽き果てる勢いで歌い紡ぐ様子に、観客も大いに心を動かされます。
また、枠にとらわれない吉野さんの自由な発想から生まれる「驚き」の演出もしばしば話題に。ライブ中に観客の「\わっしょい/」コールを音源収録したり(1stライブツアー”Charge”)、後ろで観ている観客が「少しでも近くに見えるように」とスタンディングの客席ど真ん中へ降り立ち歌うサプライズをする(Live Tour 2018 “情熱アンソロジー”)など、エンタメ性あふれるステージで魅了しています。
水分補給に用意されたペットボトルの水を突然頭からかぶってみせたり、手を振り上げた勢いで飛ばしたマイクを見事キャッチするミラクルを見せるなど、次の瞬間に何が起こるのかドキドキワクワクさせられる──そんなところも吉野さんのライブの醍醐味でもあるかもしれません。
さらに、これまでのライブでは独自のアンコールも──それは、その日のセットリストの曲すべてをメドレー形式で歌うという、オリジナリティあふれるもの。当初は「すべての持ち歌を出し切ったためにアンコール用の曲がもうない」というところからの着想だったそうですが、今や吉野さんのアンコールといえば「もう1回」「最初から」という「その日の曲全部」がおなじみとなっていました。
アンコール時、観客が大きく二手にわかれ「よっちん」「わっしょい」を交互にコールしていく様子も定番となっています。
そんな吉野さんのこれまでのライブはパッケージで映像化もされているほか、U-NEXTでも映像配信されています。また、パッケージ化されていない1stライブツアー”Charge”についても実は、3rdミニアルバム『CYCLE』豪華盤にダイジェスト映像が収録されているので、ぜひチェックしてみてください。
歌はもちろんですが、筆者個人のオススメは吉野さん率いるバンド「The BAND A℃(ザ・バンドエイド)」の生演奏と、ライブの合間に挟み込まれる吉野さんのMC。一流のバンドマンたちが奏でる重厚な音楽と、お話し上手な吉野さんの愉快なトークにもぜひご注目あれ!