一歩踏み出すことで楽しい世界が待っていると伝えたい。憧れのFLOWとの共作エピソード――MADKID 8thシングル『One Room Adventure』インタビュー
アニメ『盾の勇者の成り上がり』や『勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う』のテーマ曲を担当してきたアニソン界のダンスボーカル5人組グループ、MADKIDの待望の新曲「One Room Adventure」が7月26日にリリース!
「One Room Adventure」は7月からスタートしたアニメ『Lv1魔王とワンルーム勇者』のOP主題歌。勇者だったのに今では自堕落でどん底の生活を送っているマックスが、かつて激闘を繰り広げ、10年後に復活を果たした魔王(見た目は幼女)に叱咤激励されながら復活を目指す姿など作品の世界にリンクしながらも、挫折や夢をあきらめた人へのエールを送る歌詞を、超スピードなサウンドに歌とラップをのせて、MADKIDの5人が熱く激しく、歌い踊ります。
カップリング曲「Future Notes」は、アニソン界で活躍し、目標とするFLOWとの共作曲。曲名はMADKIDが立ち上げた事務所名で、MADKIDが今後目指していく方向や想い、FLOWへのリスペクトが詰まったアルタナティブなロックチューンになっています。
ボーカル&リーダーのYOU-TAさん、ボーカルのSHINさんとKAƵUKIさん、ラッパーのLINさんとYUKIさんのメンバー勢ぞろいで、このシングルへの想いを語っていただきました。
『Lv1魔王とワンルーム勇者』はファンタジーなのに共感できる主人公、激しいバトルとコミカルさのギャップが魅力的
――今回、OP主題歌を担当されるアニメ『Lv1魔王とワンルーム勇者』の原作を読んだり、PV等で映像をご覧になって感じた作品の印象や魅力を感じた点をお聞かせください。
ラッパー LINさん(以下、LIN):作詞に入る前に原作を拝読させていただきましたが、今までテーマ曲を担当させていただいたファンタジー系のアニメの中で、今回の主人公のマックスは一番僕らに近く感じられました。勇者であるマックスは過去に魔王を倒して英雄になったけど、10年経ったら部屋に引きこもる自堕落な生活をしています。現実世界でも、昔は夢があったけど、今はあきらめてしまったり、輝きを失ってしまう人も多いと思うんです。だからすごく作品に共感が持てましたし、創作意欲が湧きました。アニメのPVを見たら、キャラクターたちが画面の中で躍動していて、アニメのオンエアがさらに楽しみになりました。
ボーカル&リーダー YOU-TAさん(以下、YOU-TA):今まではシリアスな作品のタイアップが多かったんですけど、この作品はコミカルなところが散りばめられていて、おもしろいなと思いました。今回の主人公のマックスは凄くだらけていて(笑)。そんなマックスがどう立ち直っていくのか楽しみです。
ラッパー YUKIさん(以下、YUKI):堕落したマックスが魔王たちとの関わりの中で活躍していくお話ですが、はい上がってやるとか悲壮感はなく、ポジティブな印象を受けました。自分の奥底にあるエネルギーをもう一度、解き放つようなイメージを感じました。作品に共感できたことで、ポジティブな気持ちで歌詞を書けたし、新たなアプローチもできて嬉しかったです。アニメの映像とどうマッチするのか楽しみです。
ボーカル SHINさん(以下、SHIN):まずこういうファンタジー系のアニメで勇者と魔王が仲間になっているのがおもしろいなと思いました。しかも過去に魔王が勇者に倒された時10年後の復活を宣言して、その通りになったけど、いざ再会したら勇者は中年男性で。設定がおもしろいし、マックスや魔王以外にもおもしろいキャラクターが登場するので、どんな展開になっていくのかワクワクしています。
ボーカル KAƵUKIさん(以下、KAƵUKI):自分とマックスを重ねて想像してしまいました。「もしアーティスト活動をやめてしまったらマックスみたいな自堕落な生活を送りそうだな。ヒゲもぼさぼさで。アレは僕の将来の姿かも」と思ったりして(笑)。あとマックスが魔王とアパートで同居するのもおもしろいですね。お話のおもしろさと絵のきれいさがあって、今から期待感でいっぱいです。
「One Room Adventure」はマックスと自分がリンクしつつ、一歩踏み出すことで新しい世界が待っているというメッセージを込めて
――『Lv1魔王とワンルーム勇者』のOP曲「One Room Adventure」を制作するにあたって、アニメの制作チームからオーダーはありましたか?
LIN:特にオーダーはなかったので、僕らが作品から感じたことや想いをストレートに歌詞にしました。また今回のように明るくて、勢いがある曲は僕らのレパートリーの中になかったので、新しいチャレンジもできました。
――タイトルや歌詞はまさに作品やマックスの姿や想いとリンクしていますね。
LIN:どんな人でもマックスと同じような経験や想いをしたことがあるんじゃないかと思っていて。好きなことや夢に向かって頑張っている時に失敗や挫折したりすると「もうやりたくない」と思うし、僕自身も過去にそういう経験があって。でもまたチャレンジしたり、一歩を踏み出すことで新たな道が開ける、楽しい世界が待っていると伝えたいと思いながら歌詞を書いていたら、気が付くと作品にリンクした歌詞になっていました。
タイトルの「One Room」は、失敗してしまった時って、いろいろと考えたり、悩んでしまうことで知らず知らずのうちに視野が狭くなってしまう気がするところと、マックスがいる部屋、そして僕たちがいつも暮らす部屋の3つを掛けていて、そこから飛び出せば新しい世界が待っているかもしれない、という想いが込められています。
――「冒険は日常の中にある」や「まだ誰も知らない 部屋の外へdive」など、私たちが日々暮らしていく中で忘れてしまいがちな挑戦する気持ちも思い起こさせてくれます。生きていく中で大切な言葉もたくさん散りばめられていて。でも歌詞の文字量と情報量が多い上、複数の人数で書くのは大変そうですね。
LIN:大変です(笑)。まずアニメの制作スタッフさんに聴いてもらうために1ハーフ分を僕が歌詞を書いて、その後に続きの歌詞を書いてからYUKIに聴いてもらって、ラップ部分を作ってもらいました。
YUKI:以前はメンバーが集まって書いていた時期もありましたが、タイアップの作品を忠実に再現する面でLINが長けていたので、まず書いてもらって、その世界観に僕が作品から感じたものとリンクさせていく形です。2つのエッセンスから1つの曲を作っていくので発見があったり、僕自身も曲を重ねるごとに成長できている気がします。