「写真集」のように様々なシーンを切り取った1枚──3rdミニアルバム『POLAROID』の魅力や初ホールワンマンライブへの意気込みをNACHERRYの2人が語る! 村上奈津実さん・田中ちえ美さん対談インタビュー
ZAQさん作詞の新録曲の「WE ARE THE “HEROES” !!」は2人がアメコミヒーローに!?
──では他の収録曲のお話も。新曲の「WE ARE THE “HEROES” !!」はZAQさん作詞で、2人がアメコミの世界から飛び出してきたような。
田中:キャラソンではないけど、テーマが作り込まれていたので、あとはノリと勢いで歌うだけでした(笑)。ただガヤの部分が多かったので、結構苦戦して、レコーディングの時間もかかった記憶があります。
めちゃめちゃ盛り上がること間違いなしの曲で、ライブの風景を想像しながらレコーディングしました。
村上:キャラソンっぽさがあるけど、キャラっぽくならず、あくまでNACHERRYとして歌おうと。でもヒーローという世界観は守りつつ、そのバランスを自分の中で探りながらのレコーディングでした。
私自身、こういうノリノリで元気な曲は大好きなので、歌っている時は楽しくて、テンションを上げて歌えました。
田中:なっちゃんはすごく楽しそうに歌ってました(笑)。
村上:イメージ的には『パワーパフ ガールズ』みたいな世界を思い浮かべながら歌いました。
田中:みんながつらい時や寂しがっている時は助けたいというヒーローの歌をZAQさんが楽しく、コミカルに作ってくださったので、私たちもノリノリで歌えました。また私たちでルピナスとコスモスというキャラを作って歌ったので、これも新しいチャレンジになりました。
──せっかくキャラが誕生したので、オーディオドラマなどの展開も。
田中:アニメになったらいいですね。
村上:あとはイベントやライブで寸劇みたいなものをやってみるとか。
田中:おもしろいかも。
──もう1曲の新曲「Queen bee」は、今までのNACHERRYで歌ってきた主人公の年齢感より明らかに高めで、女王様のような気高さや強さを表に出しながらも「ねぇ本当は強いだけじゃないの 私だけ 私だけを見て」と他の人には見せない弱さもちらりと。
田中:ここでちょっと大人なNACHERRYを。「WE ARE THE “HEROES” !!」と同じアルバムに入っているのが信じられないくらい、こちらも新たな挑戦の曲です。
いろいろなNACHERRYの表情を見せられて、私たちは嬉しいけど、ちょっと大人っぽくてエロい感じだから聴いてくれるみんなのほうが恥ずかしくなっちゃうかも(笑)。
村上:歌詞を読んだ時、思わずビックリしちゃいました。「ひれ伏しながら口づけをして」とか「わお! どうしよう!?」って(笑)。
恥ずかしがっててはいけないし、私にはない一面ではあるけど、もしかしたら私の中にこういう感情も眠っているかもしれないと、自分の中から引っ張り出しながら歌いました。
──サウンドはひずんだエレキギターが刻むメロディは気だるさを感じさせつつ、お二人の歌い方やフェイクも大人っぽくて。新たな魅力に触れられた気がします。
田中:ありがとうございます。でもライブではどんな表情で歌えばいいんだろう? どきどきしちゃいますね。
村上:「KIDS ARE TOO LATE」(1stシングル「エクリプス」CW)も結構強気な曲なんですけど、その子が成長したらこうなった、みたいな。
田中:確かに!
村上:「KIDS ARE TOO LATE」に大人の魅力を足すようなイメージで歌いました。レコーディングでは、なり切るのが楽しくて。
「もっといやらしく、にやつく感じで悪い笑みで」というディレクションもわかりやすくて、自分の中でどんどんイメージが固まっていきました。新たな自分を引き出させたレコーディングだったので楽しかったです。
田中:最初は少し恥ずかしさもあったけど、やっていくうちに慣れてきたし、こういう曲を歌える楽しさも感じるようになって。
私も「こういうふうに歌ってみたらどうだろう?」と思い浮かんだものをやってみたら「いいね」と言われたら、更にどんどん楽しくなっていって、後半はすっかりノリノリでした。
ファンクラブソング「NACHERRY PARK」はみんなのコールが入った完成版
──ファンクラブソング「NACHERRY PARK」も収録されますね。
田中:今年5月に開催されたファンクラブイベント「Welcome!NACHEMATE」で初めて披露しました。その時に皆さんのコールを収録させていただいて、その時の声が今回入っていて、完成版になりました。
──曲名通り、「NACHERRY PARK」というテーマパークにいろいろなアトラクションがあって、みんなで楽しもうよという内容で。テーマパークの入口に入った時のワクワク感もそのままで。
田中:そうですね。ブラスバンドから始まる感じとか。みんなで遊ぼうと1つになれる曲になったかなと思うし、アルバムの1曲目にもピッタリかなと思います。更に歌詞の中に私たちの曲名が散りばめられていて。
NACHEMATE(FC会員やファンの総称)にはたまらない、特別感のある1曲になっています。
村上:今までの楽曲を思い出してもらいつつ、それぞれの曲にまつわる想い出を振り返ったり、私たちの成長も感じてもらえたら。
──皆さんのコールパート「N.A.C.H.E.R.R.Y」は完璧でしたね。
村上:練習してもらってから本番でやってもらうつもりでした。文字数も多いし、早口なので難しいだろうなと。でも皆さん、事前に知っていたかのようにすっかりつかんでいて、曲の最後のほうでは歌ってくれたのでビックリしました。
田中:NACHEMATEのみんなの適応能力の高さですね。
村上:歌詞にはない「ふんわふんわ」などのアドリブも飛び出して。自然発生的に生まれて、広がっていく瞬間を垣間見えて貴重な体験でした。
田中:初披露した後、「すごく好きです」とか「楽しいです」という反響をいただいたし、ライブで聴きたいという声も多かったので、ライブでみんなと歌える日が待ち遠しいです。
──なっちゃん盤に収録される村上さんのソロ曲「weather rain」は、ご自身で作詞、作曲されています。ミディアムで温かい空気感に、村上さんの優しい歌声と雨音やハミングなども心地よくて。
村上:今回のソロ曲はファンの方に向けて贈ろうという前提がありました。優しく寄り添って元気付けられる曲、落ち込んでいる時にこそ聴いてほしい曲にしたくて。
雨の日は気分的に落ちている人が多い印象で、私もそうなんですけど、そんな日こそお互いを思い出して、「雨の日もいいよね」と思えたらいいなと、「雨」をコンセプトにしました。
曲は最初、鼻歌で考えたものを山森大輔さんに直していただいて、それから歌詞を書きました。
作詞は今回で3度目になりますが、こんなに私が考えた歌詞がほぼほぼそのまま採用されるみたいなことは初めてです。たぶん9割くらいかな。(共作詞の岡田)マリアさんにもほめていただけて、嬉しかったです。
田中:ポエムみたいな感じで、なっちゃんが歌詞の9割を考えたということですが、すごく胸に響いてきました。なっちゃんの温かい声と言葉に包み込まれて、優しい気持ちになれる歌だなと思います。
村上:ありがとう。落ち込んだり、憂鬱な時にそっと目を閉じて聴いて、元気になってほしいです。
──ちぇみー盤に収録される田中さんのソロ曲&作詞曲「SPARK」は、田中さんらしい元気でポップなロックチューンですね。
田中:みんなで一緒に明るく元気になれたらいいなと。ファンのみんなにはいつも励まされているし、支えてもらっているけど、「私も支えるよ」という想いも込めて。
──「ピンクのアイシャドウ忘れた」や「ワンピで風船持って」などガーリーな歌詞もかわいいですね。
田中:「友達、昼寝、ゲーム 澄んだ秋の空気が好きで」など私が好きなものを詰め込んだ、プロフィールみたいな歌詞になっています(笑)。
歌詞の中に私のパーソナルな部分もたくさん入れることで、私のことをもっと知ってほしい、もっと好きになってほしいという気持ちも含めて。そして、これからも一緒に歩んでいこうねという私とファンのみんなとの曲になっています。
──タイトルや「shooting star」、「kirara」などのワードやサウンド感など夏の日差しのまぶしさにも通じるような。
田中:お互いが、お互いの星や光になっているんだよというメッセージも伝わればいいなと思っています。前回作詞したソロ曲「We Fly We Sing」(2ndミニアルバム『Now loading!!』収録)の続編も意識しながら書いています。
「We Fly We Sing」はなっちゃんへの想いを込めたけど、今回はファンのみんなへ。どちらも私にとってかけがえのない大切な人だから。