マンガ・ラノベ
漫画『気になってる人が男じゃなかった』読者の心に響く理由とは?

ミステリアスな推しの「おにーさん」の正体は、隣の席の女子だった──人気沸騰の漫画『気になってる人が男じゃなかった』読者の心に響く理由とは?

交わることがなかった「みつき」と「あや」が、音楽で繋がる──。

音楽を通して加速していく「愛情」を描き、鮮やかな黄緑色も目を引く漫画『気になってる人が男じゃなかった』。2022年4月に著者の新井すみこ先生が第1話をTwitter(現在のX)に投稿して以来、更新の度に反響を呼び、国内外で絶大な人気を集めています。シリーズ総いいね数は1,000万を超え、フォロワーは90万人以上に。

本作は、遠くで見ているだけでいいと思っていた推しが、実はものすごく近くにいたという尊さ溢れる物語。キラキラギャルの女子高生「あや」こと大沢 綾の推しは、さびれたCDショップでバイトをしているミステリアスな「おにーさん」。しかし、彼の正体はなんと、クラスメイトの目立たないメガネ女子「みつき」こと古賀美月だったのです。

2023年4月には書籍化され、「次にくるマンガ大賞 2023」の「WEBマンガ部門」にもノミネート。本記事では、そんな人気沸騰の漫画『気になってる人が男じゃなかった』をご紹介します。多くの読者の心に響く、その魅力をぜひお楽しみください!

 

『気になってる人が男じゃなかった』とは?

 

クラスに友達がいないみつき(古賀美月)とイケイケギャルのあや(大沢 綾)。二人はある時から接点を持ち、自分の「好きなこと」を通して絆を深めていきます。

最初にみつきとあやが登場したのは、2021年7月に著者の新井先生のアカウントにて投稿された2Pの漫画『…ごめん、気づいてると思ったからなおさら声かけれなくて…』。セリフはなくても、彼女たちの表情や描写から感情が溢れてくる作品。

 

 

そして、2022年4月に公開された『気になってる人が男じゃなかった』第1話は非常に大きな反響となりました。いいねが40万以上もつくほどの人気ぶりで、たくさんの人々の心に刺さっていることがうかがえます。格好いい音楽や、彼女たちらしさが光るお洒落なファッションは作品をより鮮やかにし、その世界観に浸る楽しみにハマる人も多いでしょう。

 

 

あらすじ

とあるCDショップで働く推しの「おにーさん」が気になる女子高生・あや。推しはスタイルが良くてミステリアスで音楽の趣味が良くて……遠くで見ているだけでも幸せ。ある日、困っているところを推しに優しく助けてもらったというあやの話を、隣の席のメガネ女子・みつきが心臓をバクバクさせながら聞いていました。

実は、そのおにーさんの正体はクラスメイトのみつき。叔父の経営するCDショップでバイトをしている彼女は、普段学校でかけているメガネを外してマスクをつけ、服装はいつも黒。そのイケメンな姿を見て、あやは推しのことを男だと思い込んでいました。

あやの思いを知ったみつきは、彼女の誤解をとかなきゃと考えながらも何故か口説いてしまい──⁉

 

 

陽キャ女子が熱い視線を送る推しの「おにーさん」は陰キャ女子だった

あやはふとした瞬間にみつきから「おにーさん」の面影を感じることがあるものの、同一人物だとは気づかずにいます。

みつきはクラスではいつもひとりの隠キャ女子ですが、プライベートでは雰囲気が一変。黒いものが好きで、服もマスクもネイルも黒。体のラインが出ないような中性的でお洒落なファッションも読者から注目を浴びています。目の下のほくろも魅力的なイケメン女子です。

そんなみつきとは正反対の、陽キャ女子のあや。学校の男子には興味がなくて、気になるのはみつき(おにーさん)のみ。推しの前でだけ見せる愛くるしい表情が可愛くて、あざといのにみつきからの電話のシーンでは気持ちがいっぱいいっぱいで、あざとくなりきれないところも愛しいです。

みつきに連絡先を教えたあやと同様に、いっぱいいっぱいなのはみつきも同じでした。初めてあやに電話するとき、つまんないとがっかりされたらとネガティブ思考になりながらも「音楽」があると勇気を出します。

 

 

交わることがなかった二人が音楽で繋がる

音楽の趣味が合う友達がいなくて「音楽はずっとひとりで聴いてるものだったので…」(コミックス第1巻より引用)と漏らしていたあや。そんな本音を抱えていた彼女にとって、好きな音楽を共有できるおにーさんは特別な存在。「音楽に囲まれるとひとりじゃないって思えるんです」(コミックス第1巻より引用)と、CDショップは自分が好きなことを抑えなくていい大切な場所にもなっています。

また、学校では隣の席のみつきとも音楽の趣味が同じと知り、二人の距離は縮まっていきます。交わることがなかった二人が、音楽で繋がることに。

 

 

二人の音楽の趣味はとても格好いい。第1話でも登場するNirvana(ニルヴァーナ)の「Smells Like Teen Spirit」など、本作には数々の名曲が登場します。

Nirvana「Smells Like Teen Spirit」

 

あやがみつきに送ったプレイリストを見たみつきの叔父は、その選曲の素晴らしさに驚きを隠せずにいます。その送り主が、まさかのキュルンとした可愛い女子高生だと知ってさらに驚いていました。

 

 

本当に自分が好きなもの。音楽にしても他のことにしても、同じ趣味の人が周りにいなくて自分だけの世界で楽しんできた人も少なくないはず。私もそのうちの一人ですが、もしかしたら案外近くにいたりするのかな?なんて思えてしまいます。

 

公式プレイリスト

本作には公式プレイリストがあるのですが、このリストを流しながら漫画を読むと最高にこの世界観に浸れると思いますので、ぜひお試しくださいね。

プレイリストにはBon Jovi(ボン・ジョヴィ)、Red Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)など、日本でも広く知られるバンドの曲も満載。

なかでも私のイチオシはRadiohead(レディオヘッド)の「Creep」。名曲すぎる……! 漫画の素敵シーンにリアルな音楽がリンクして、さらにグッときました。

Radiohead「Creep」

 

公式プレイリスト告知動画

 

 

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