音楽
石原夏織 11thシングル「Paraglider」インタビュー

石原夏織さん 11thシングル「Paraglider」インタビュー|ソロアーティストデビューしてからの5年間は「すごく自分と対話した5年間」。次の5年後に向けて“あること”を実行中!?

「Paraglider」は清涼飲料水のようなイメージ。自身の学生時代も想像して歌唱

――その年月があって今回のシングルに繋がるわけですが、表題曲「Paraglider」の最初の印象をお聞かせ下さい。

石原:タイアップ曲なので作品を読んで理解していたこともあって、爽やかですごく青春を感じる曲だなと思いました。ブルーというカラーと15年間ずっと一緒にやって来ましたが、まだまだこうやって違うブルーを表現できることも嬉しかったですね。歌詞は等身大の青春を表現していて、(大人になった)今の私から見るとすごく可愛く思えたんです。だからこそ表現できるものがあるかも、と感じました。

――15年前に事務所に入ったときは年齢的に青春真っ只中であり、普通の人が経験できない青春だったのではと思います。そういう意味で、ご自身の青春を振り返っていただけますか?

石原:私が想像する「青春」って、部活とかスポーツとか土手を歩くとか、フィクションの中でのイメージがどうしてもあって(笑)。ですが、そういうのはまったくできず、帰宅部で一生懸命帰っていました。ただ、小倉唯ちゃんと同じ高校に通っていて、一緒に収録やインタビューなどの現場へ行っていたので、2人で歩いている時間が多かったんです。そうやって一緒に下校しているタイミングが私にとって「青春」だったのかなと思います。現場に入ってしまえば正直青春という感じがしないというか、いまも同じような動きをしているので、やっぱり下校時が青春だったかなって。

――素敵な青春ですね。そうしたご自身の体験もありつつ、レコーディングではどのように青春感を表現したのでしょうか?

石原:「清涼飲料水のようなイメージが欲しい」と作品の委員会の方からお話があったので、青空やプール、海といったものが見えるぐらいの情景・青さを表現したいと思いました。私はみんなとは違う青春だったかもしれませんが、学校での周りの子たちの様子や教室の雰囲気は覚えているんです。「あの子はこういうことで悩んで泣いていたな」とか「励ましている子がいたな」といったことを想像して、レコーディングで声に乗せてみました。

――歌っていて気持ち良さそうですよね。

石原:はい。すごく晴れた青空の下で歌っているのをイメージしながら、気持ちよくレコーディングできました。

――曲を聴くと、高音は明らかなファルセットではなく、地声なのかミックスなのかわからないような感じもありますが、そのあたりは意識して出しているのでしょうか?

石原:地声とファルセットがうまく混ざるように歌っています。なので、ミックス寄りだと思いますね。スピードがあってパンチもある曲なので、普通のファルセットだと負けちゃうと思い、そういったアプローチにしました。

――では、この曲で特に印象的なフレーズを挙げるならどこでしょうか?

石原:綺麗でいいなと思ったのは、1Aの〈憧れ瞬きのシャッター 思い出は心飾った〉です。ここは、いま青春をしている人よりは、ちょっと経った私たちの(年代の)方がハマるのかなと思います。その頃の断片的な記憶や情景が思い浮かぶ感じが、すごく綺麗ですよね。

あと、青春時代のちょっともどかしい感じがして好きなのは、サビの〈上空いっぱいになった 伝えきれない事 なぜか色違いのキミの本音すれ違った〉ですね。「言っちゃえばいいじゃん! 言ったらたぶん上手く回ると思うよ」と今だったら思いますが、青春時代には難しいんだろうなって。

――歌詞に〈上空〉とあるように、全体的に「空」を上手く使っていて、それがタイトルの「Paraglider」にも繋がっていますよね。

石原:そうですね。楽曲のスピード感も含めて、もどかしい2人の心情の変化は飛行機の速さではないし、ちょっと遅くて自分で自由に操縦できない感じが「Paraglider」というタイトルで上手く表現されていると思いました。

――確かに、パラグライダーは操縦も着陸もキッチリ考えた通りにはいかないですし、心情を彷彿とさせますね。ちなみに、パラグライダーに乗った経験はありますか?

石原:ないです。空系は苦手で、絶対に乗らないと決めています。バンジージャンプもやらないです。

――飛行機も苦手?

石原:飛行機は乗れますよ。でも、ものすごい乱気流にぶつかったことがあって、コップが宙に浮いちゃうぐらいの揺れを経験してからは、乗るのはドキドキします。

――「Paraglider」のミュージックビデオも公開されていますが、撮影はどこでしたのですか?

石原:作品の舞台である浜松で撮りました。

――とても綺麗な場所ですね。

石原:そうなんですよ。浜松は食べ物の印象の方が強かったんですが、すごく素敵な場所がいっぱいでした。作品のモチーフになっている高校が2つあって、そのうちのひとつでも撮影させていただき、高校の生徒さんも出ているんですよ。この学校は洋風レトロな趣があって素敵でしたね。ほかにも、砂丘は本当に立派でしたし、少ししか見られなかったんですが、フラワーパークもすごく綺麗で、見どころがいっぱいだなと思いました。

――フラワーパークなどは、実際に遊びに行ってみるのも良さそうですね。

石原:きっと楽しいと思います。たまたま浜松を訪れて「ここはオープニングの場所じゃない?」みたいに出会うのも、それはそれですごく嬉しいですね。

――撮影はバタバタしていたと思いますが、美味しいものは食べましたか?

石原:食べました! 1泊2日で撮影したんですが、青空がテーマの楽曲なので夜に撮ることはなくて、撮影後にみんなでご飯を食べに行きました。あと、帰りは「さわやか」(げんこつハンバーグの炭焼きレストランさわやか)にも行ったんですよ。

――出た! さわやか。

石原:「もしかしたら行けるんじゃない?」となって、急遽新幹線に乗る直前に食べに行きました。観光名所にも行けて、ご飯も食べて、楽しい撮影でしたね。ほかにも名物はいっぱいあるので、ぜひ食べてもらいたいです。

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