この記事をかいた人
- 逆井マリ
- 神奈川県横浜市出身。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。
――中尾さんの授業の中で、米内さんが特に心に残った言葉というと?
米内:僕は「ウェイトの時間を大事にしろ」っていう言葉を隆聖さんの格言として自分の中でずっと大切にしています。
要は待つ時間。「役者は演じる時間よりも、待つ時間が圧倒的に長いから、その時間を次の仕事やレッスンのためにどう使うのか考えろ」って最初の授業でおっしゃっていただいたんです。
中尾:必ず言うんです。最初の授業の時にふたつ大事なことを言うんですが、そのひとつだよね。よく覚えててくれたなぁ。
米内:これは絶対に頭から抜けないです。役者をやっている限り一生役に立つ考え方だと思っています。現役になったときに、改めてその待ち時間の多さを実感したんです。その間にどう役に向き合うのかで質も変わってくると思います。養成所時代にも活きた一言ですけど、現場に出てからもより活きる言葉だなと感じていますね。
中尾:私は毎週同じ曜日に授業を持っているんですけど、必ず授業の最後に「今日の授業が終わってから、来週私に会うまでどうやって生きてきたのかを見るだけだからね?」って真っ先に言うんです。
言い方はオーバーですが、それが私の仕事だと思っています。もちろんお金を払っている以上、みんなレッスンの時間は一生懸命やります。でも、本当に大事なのはレッスンが終わってから翌週のレッスン日の朝、ここに来るまでの間に「あなたは役者としてどうやって生きたのかが大事なんだよ」って話します。
これがプロになったらどうなるか。仕事と仕事の間、オーディションからオーディションの間、どうやって待ち続けられるか。だから「ウェイトの時間」なんです。授業中の待ち時間もそうなんですけどね。
米内:自分がやってる時以外のときってことですね。それもウェイト。
中尾:そう。待っている間にどうコンセントレートして、自分が来る間のときにパンっ!とアップできるか。どんなものにも待つ時間はあるんです。ただ、その待ち方だよね。そこに正解はないけども、そこに努力できる余地があるならば、次の何かが掴めるようになるかもしれない。
仕事と仕事の待ち時間が短くなるかもしれないしね(笑)。でもこれが長くなると不安になることもあるし。それでも好きだから仕事を待ち続けるわけじゃないですか。
原:本当にそうです。
中尾:でも、ひょっとしたら明日、明後日にくるかもしれない。それを待っていられるかどうかが私たちの一番の仕事ですよね。
原:私も改めて身にしみています。
米内:特に僕らの場合は迎えに行ける仕事じゃないですからね。どれだけ良い待ち方ができるのか、それは生涯考え続けることだなと思います。
[インタビュー:逆井マリ 編集・撮影:鳥谷部 宏平]
開催日 8月20日(日) 8月27日(日) 9月3日(日)
場所 東京都渋谷区笹塚1-52-18 BOF5笹塚
2024年度の入所を希望される方に向けて、レッスン体験付の入所説明会を実施することとなりました。
例年実施している『声優四季講座』と違い、一部のレッスン(基礎的内容のみ)の体験のみとなりますが、
併せて入所説明をお受けいただくことにより、入所へのビジョンをより明確にしていただける内容となっております。
2024年度から『声優』に向けての学びを始めたい!と思っている方は是非、ご検討ください!
◆受講生全員への受講特典
2024年度81ACTOR’S STUDIOにおける入所オーディション受験料(5,500円)免除!
※2024年度の受験にのみ適用となります。次年度以降に権利を繰り越すことはできません。
◆日程及びレッスン時間
①2023年8月20日(日)
②2023年8月27日(日)
③2023年9月3日(日)
いずれも13時20分集合、13時30分~15時30分に体験レッスン、
15分程度の換気休憩の後、~17時分まで入所説明及び質疑応答。
最大延長しても17時30分までに終了できるように調整いたします。
講師は81プロデュース所属俳優が担当!
進行アシスタントを研究生(本科卒業生)が対応し、
質疑応答において実際のレッスンの様子なども細かくご案内を予定しています。
81ACTOR'S STUDIO公式サイト
81ACTOR'S STUDIO公式Twitter
神奈川県横浜市出身。既婚、一児の母。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。パンクからアニソン、2.5次元舞台、ゲーム、グルメ、教育まで、ジャンル問わず、自分の“好き”を必死に追いかけ中。はじめてのめり込んだアニメは『楽しいムーミン一家』。インタビューでリアルな心情や生き方を聞くことが好き。