『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』第6話放送後 クラウディア役・大和田仁美さんインタビュー|「なんてことない」日々のお話だけれど、クラウディアの成長が丁寧に描かれている、とても印象深い回【連載第7回】
親友の大和田さんから見た、のぐちさんとライザの共通点とは?
――クラウディアがクーケン島で出会った新しい友人、ライザ、レント、タオについて、大和田さん目線での印象や魅力を教えてください。
大和田:ライザはエネルギッシュで、いてくれるだけで場が明るくなりますし、周りへの影響力もすごくある子だなって思います。クラウディアもライザと知り合ったことがきっかけでいろいろな影響を受けていきますし。ライザは自分のことを「なんてことない」と言いますが、自分が気づいていないだけで、すごくたくさんの魅力を持っている子ですよね。
レントは、ライザのじゃじゃ馬っぷりにも付き合ってくれて、どんなことも大らかに受けとめてくれます。お父さんとのことは別ですが……。ライザとレントとタオって、一見すると「この3人が仲良いんだ?」って少し不思議な感じもする3人じゃないですか。レントは、タイプの違う二人にも、ずっと一緒に付き合ってくれる良いお兄ちゃんだなって思いながら見ています。
――レントは3人の中で一番年上だからか、精神年齢も高い印象がありますね。では、一番年下のタオの印象はいかがですか?
大和田:私、けっこうタオが好きなんです。タオって怖がりなのに、めっちゃ頼りになるじゃないですか。いつもキーになるところでタオが活躍してくれるし、実は精神的にはすごく強い子なのかなって。好きなことや興味があることに対しては一直線で、怖がりながらも頑張れてしまう集中力もあるし、すごく面白い子だなと思って見ています。
――ちなみに、大親友ののぐちさんとライザに関して、イメージが重なるところや、逆にギャップがあるなと感じるところはありますか?
大和田:私は、ライザみたいな子って、のぐちがすごくやりたかったようなキャラクターだと思っているんです。同期ということもあって、ボイスサンプルを一緒に作ったりもしていたんですが、「ど真ん中な感じのヒロインで、明るくって、みたいなキャラクターは、のぐちの声に合うよ」みたいな話もしていました。ライザってまさにそういう子だから、ライザの声や演技は、のぐちゆりという役者にピッタリだって思うし、ライザ役がのぐちと知った時は本当に嬉しかったです。ただ、内面的には、私もそうなのですが、のぐちもけっこう気にしいなタイプなので……。
――ライザのように、何があっても「ま、いっか!」というタイプではない?
大和田:そういう場面もあることはあるんですが…違いますね(笑)。自分の言ったことなどについて「あれで良かったのかな……」とか後から気にしちゃうタイプなので、そこはちょっとギャップがあるかもしれません。でも、のぐちも「やるぞ!」って決めた時には、すごくエネルギーが出る子だし、そういう面でもライザにぴったりだなって思います。不安そうな感じだったのに、急にエネルギーがボンと出て、「さっきまでの心配はどうした?」みたいな時もあったりするんですよ(笑)。
心の中にある気持ちを言うか言わないか迷っているクラウディアが懐かしい
――先日放送された第6話を振り返っての感想をお聞かせください。
大和田:第6話は、すごく印象深い回でした。クラウディアが美味しいプティングを作るために頑張る回なんですが、これこそ本当に「なんてことない」日々のお話ですよね。でも、いろいろな工夫をしながら何度もプティング作りに挑戦する姿を本当に丁寧に描いてくださるのが、この作品のすごく良いところだと思うんです。
――美味しいプティングを作るだけのシンプルな内容ですが、心温まるお話になっていますよね。
大和田:そうなんです。プティングを作るだけではあるのですが、クラウディアにとっては、すごく大切な一大イベントになっていて。ライザの影響を受けて、もっと頑張りたいと思うようになったクラウディアが自分の意思を伝えて、一歩踏み出すこともできた。そこが素敵だなって思いました。アニメでは、ゲームで描ききれなかったクラウディアとライザの交流をさらに丁寧に描いてくださっていて。二人って、こんな風に影響し合っていたんだなということがさらに分かった気がして、とても嬉しいです。
――二人は出会ってすぐ仲良くなりましたが、友情がさらに深まる様子も丁寧に描かれていますね。
大和田:(第3話で)バーバラさんの思い出の香を作る時も、こういう場面でのライザの良さをクラウディアが見て「私も頑張ろう」と思い、徐々に自分の気持ちを高めていったことが描かれていて素敵だなって感じました。
――先ほど、アニメではゲームの『1』の最初からまた演じられるのも嬉しいと仰っていましたが、特に懐かしかったシーンやセリフがあれば教えてください。
大和田:(小声で)「私もみんなと一緒に冒険に行きたいな」と何度か言うんですが、はっきりとは言えないから、ライザに「え?」って聞き返されて、「何でもない」って言っちゃう。そんな風に、心の中にある気持ちを言うか言わないか迷ってて、でも、ちょっと漏れちゃっている時のクラウディアがすごく懐かしかったです。あの頃は、まだ自分の意思をストレートに言えなかったよねって、すごく愛おしく思いました。あとは、(第3話の)ライザの前でフルートを吹くところは、思い出深いシーンだったので、アニメでもできたのがすごく嬉しかったです。
――その他にも特に印象的なシーンやエピソードがあれば教えてください。
大和田:ゲームでも「すごいよ、ライザ」ってセリフは多かったのですが、第3話で、そういうシーンがあった時、ト書きに「小さく拍手する」と書いてあって。まだ完成した映像は観られていないのですが、小さく拍手しながら「すごいよ、ライザ」って言うクラウディア、すごく尊いなって(笑)。その動きに可愛さが詰まっていたし、この作品は、めちゃくちゃ可愛い世界になるぞってさらに強く感じたのがこの回でした。ピンポイントなんですが、すごく印象に残っています。
――最後に、間もなく放送される第7話の見どころを、ネタバレにならない範囲で教えてください。
大和田:(第5話の)水着回に続く、ご褒美回だと思います(笑)。それに、ゲームで見られなかったクラウディアの頑張りが見られる回にもなっていて、すごく好きなお話なので、ぜひ観ていただきたいです。
[取材・文/丸本大輔]
TVアニメ『ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜』作品情報
あらすじ
そんな刺激が少ない村での暮らしに活力を持て余していたのは、平凡で特徴がないことが特徴の少女、ライザ。「あーあ。何か面白いことないかな。」窮屈で退屈な村、そこに身を置く“なんてことない農家の娘”である自分に不満を抱いていたライザは、ある日、幼馴染みのレントやタオとこっそり小舟に乗り込み、島の対岸へはじめての冒険に出かける。
そこで出会ったのは、“錬金術”という不思議な力を使う一人の男だった。その力に魅せられたライザは、錬金術を教えてほしいと頼み込む。“なんてことない農家の娘”から“錬金術士”へ。これまでの遊びとは違う、自分たちだけの“ひと夏の冒険”が始まる――。
25周年を迎えた「アトリエ」シリーズの人気作『ライザのアトリエ』が遂にアニメ化!
キャスト
(C)コーエーテクモゲームス/「ライザのアトリエ」製作委員会