25年分の“可愛い”と25歳ならではの“挑戦”を詰め込んだ1枚は、自身とファンにとって新鮮で存在感のある作品に――山崎エリイさんニューシングル「トキメキズム」インタビュー
ショートボブへのイメチェンに山崎家で一波乱……!?
――その有言実行を形にしたもののひとつが、ロングヘアーからショートボブへのイメチェンだと思います。いつ頃から計画されていたのですか?
山崎:結構前からです。髪を切るのとは関係なく、ショートボブぐらいの長さの女の子がすごくタイプで。それを見て「こんなヘアアレンジも可愛いな」と想像していました。でもこの髪型は他の子がしているから可愛いのであって、自分が髪を切ることはないんだろうなと考えながらもずっと憧れていて。それから切るタイミングも気持ちもないまま25年間歩んできてしまいました。
今回、“安定からの脱却”を目標に掲げた時に、パッと見ただけでみんなから「変わったね」と思われる何かが欲しくなったんです。言葉だけだと形として目に見えませんし、覚えてもらえないと目標が終わったら記憶から消えてしまうかもしれません。でも見た目が変わったら一目瞭然で覚えてもらえると思ったんです。「あ、変わったな」とすぐに感じるのは髪型で、切るタイミングがあるとしたらもうここしかないなと。
過去にも、お仕事だから挑戦できたことがたくさんありました。それこそお話するのが苦手だったけど、お仕事で学んでいくと徐々に喋れるようになったり、お仕事がきっかけで発展することが多かったり。今回も「私は仕事に絡めないと絶対に違う姿にはなれない。やるなら今だ」と思い、今回は髪をバッサリ30センチ以上切って軽くなりました(笑)。
――ショートボブは「山崎エリイ EriiCafe 」のライブ配信でお披露目されました。リアルタイムで反応したファンの方もいらっしゃると思いますが、反応はいかがでしたか?
山崎:配信前は、どういう反応が返ってくるのかが気になって結構怖かったんです。ファンになるのは、その人を見たときに何か好きになるポイントがあって、そこから人柄を知っていくからだと考えているので、黒髪ロングの方が好きな人がいたらどうしようと思っていました。
そんな不安を持ちながらショートボブ姿で画面に映ったんですけど、ウィッグじゃないかと疑われてしまったんです。過去作のMVでボブのウィッグをつけていたので、今回も同じだろうと。
そこで改めて髪を切ったことを報告したら、意外と好意的なコメントがいっぱい流れてきて、心の底から安心しました。ただ生放送中はその様子を出すわけにいかないので、「切りました〜♪」くらいの軽いテンションで話していましたが、内心は「よ、よかったぁ……!」と(笑)。
今までTwitterなどのSNSに自撮りはあまり出さなかったんですが、ライブまでに見慣れてほしくて写真をたくさんアップしたところ、想像以上に「こっちも似合う」ということを言ってもらえて嬉しかったです。
――家族やご友人など周囲の方の反応は?
山崎:スタッフさんには、「ロングのときはおしとやかなイメージだったけど、ショートボブは表情が明るく見えていいね」と言っていただきました。
家族のなかでは、お母さんとおばあちゃんから事前に承諾をもらっていたんです。ふたりともロングが好きで、私もその気持ちに寄り添いたくて髪を維持してきたのもあったので。
おばあちゃんには、かなり前から「もし切るってなったら、どう思う?」と聞いて、前々からフラグを立てつつ(笑)。で、正式に切ることをおばあちゃんに確認したら「エリイちゃんの人生だからね」と背中を押してくれました。もう20歳を超えたこともあって、肯定してくれたのかなと。
お母さんも、「いろんな姿をみんなに見せられたらいいよね」と了承してくれました。ただお父さんには一切知らせていなくて。
――かなり驚かれたのでは?
山崎:お父さんにはサプライズで驚かせようとしたんです。髪を切ってから何回かご飯を一緒に食べたんですけど、全然気づいてくれなくて!
――えぇ!?
山崎:後のお父さん曰く、髪を結んで椅子に座っていると思ったらしいんですけど、全然そんなことはなくて(笑)。
――気づいた時の反応はいかがでしたか?
山崎:切ってから1週間後、廊下ですれ違った際に二度見しながら「え、髪……! どうしたの!?」と驚いてくれました。さすがにここまで何も言われないと、気づかないふりをしていたのか、あえて触れないのかのどっちかだと思い込んでいたんです。
――どちらでも面白いですね(笑)。
山崎:(笑)。私からすれば「なんで一緒に住んでいて気づかないの!?」という感じでした。ただお父さんからしてみれば、ロングの姿しか見たことないから、そもそも髪を切ること自体がありえないと思っていたんでしょうね。新しい髪型に気づいてからは、「いいんじゃない」とラフな感じで受け入れてくれています。
――今回のジャケットでは、そんなショートボブに合わせてパーカーを着たシンプルなスタイリングになっています。
山崎:ショートボブになることが決まって、髪型に合うお洋服を考えた際にイメージチェンジがしたかったんです。「衣装も前のシングルと比べたら雰囲気がガラッと変わったね」と思われたくて。
スタッフさんとの打ち合わせで、カジュアルなイメージの衣装を着ているイメージがあまりないから、パーカーとスニーカーにしようと決まりました。パーカーもラフなイメージを重視してオーバーサイズのものを選んでいます。リリースが8月なので夏を感じられるように撮影時は腕まくりして撮りました。
――たしかに夏らしさを感じますね。ちなみに完成したジャケットをご覧になった感想は?
山崎:撮影した写真を見たとき「誰? これって私ですか!?」ってなったんですよ。だから自分でも知らない私が写ったジャケットのシングルは、大きなターニングポイントになるんじゃないかと思います。