たくさんのことを経験させてもらった今だからこそこの歌い方ができた──TVアニメ『SYNDUALITY Noir』エンディングテーマ ARCANA PROJECT 6thシングル「ユリイカ」リリース記念インタビュー
アニメの楽園を追い求めるストーリーにもピッタリだと感動した
──6thシングル「ユリイカ」について、完成した本楽曲を聞いたときの感想をお聞かせください。また、特にお気に入りのフレーズがあればお聞かせください。
桜野:プリプロ時から歌の方向性に悩み時間をかけた曲だったので完成した時はすごくホッとしましたし、たくさんのことを経験させてもらった今だからこそこの歌い方ができたな、と感じました。
Dメロの「彼方より今、地上へ」というフレーズが気に入って大切に歌っています。作品の主人公カナタの成長を毎話ごと感じて受け取り方が変わっていくのかな? と思っています。
花宮:ラスサビ前の「愛をどうしちゃってもいいよ」という自分のパートが気に入っています。すごく高くて難しいのですが、決めの場所なのかなと思っているので、毎ライブ気合いを入れて挑んでいます……!
相田:今までのARCANA PROJECTにはなかったような曲で、初めは静かな曲調なのが後半にいくに連れて盛り上がっていくのが好きです。ラストのユニゾンは特にお気に入りで、ライブでハモリやクロスをできるのはグループならではだと思っているので、ぜひ生の音を聴いてもらいたいなと思っています。
空野:「すれ違う星の瞬きは僕ら なぜだか聞こえたんだ君の鼓動」という1番Bメロのフレーズが好きです。作中のキャラクター(ノワールとカナタ)の絶妙な心の距離感が感じられる部分です。
天野:ミディアムテンポの楽曲を歌うのは珍しいのですが、「ユリイカ」はARCANA PROJECTにしか歌えないような曲だなと思いました。特に、ラスサビの5人でユニゾンするところは、ARCANA PROJECTらしさが一番出ているところなので初めて聞いた時はすごく感動しました。
歌詞は広い解釈をして受け取っていただけると思いますし、もちろんアニメとすごくリンクしているので様々な視点から味わっていただけると思います。
──本楽曲は5人の綺麗なハーモニーが印象的ですが、レコーディング時はどういったことを意識されていましたか? また、収録現場での印象的なエピソードがありましたらお聞かせください。
桜野:楽曲がミドルテンポということもあったので、かなり奥行きを意識した歌い方をしました。歌い出しの「なんかちょっと変だ 胸の奥が」は低めの音域ですがあまりそう感じないようにポップに歌うことも意識しています。
レコーディングでは3時間以上歌い続けていたらしく、終わってブースから出てきた時は放心状態でした。
花宮:中山さんとはこのレコーディングで初めてしっかりお話ししたのですが、「歌」というより「音楽」として捉えている方だなと感じました。そのため、今までのディレクションとは違った感じで、緊張したまま終わってしまいました。
私的にはあまり上手にできなかったなと思い、凹みすぎて、Recが終わった次のボイトレでまたやってしまったほどです。でも、自分で好きだなと思ったフレーズがかなり使われていたので、すごく嬉しかったです!
相田:ゆったりとした曲なので、そういった包み込む感じで作っていったら私の歌い方では暗くなってしまうと中山さんが仰っていたので、明るさを出せるように意識して歌いました。
空野:音を一つ一つ丁寧に置いていって、優しく届けることをイメージして歌いました。私自身もともとポップな楽曲をメインにソロ時代歌っていたりしたので、あまりミディアムバラード調の歌は経験がなく、自分の中での空気作りも難しかったです。
天野:私はうーちゃん(桜野羽咲)と一緒に初めてプリプロをさせていただいて、その時は柔らかく優しい歌い方にしようと決めていたんですけど、プリプロのうーちゃんの歌を聴いて、それがすごく素敵だったので、私は今回違うアプローチをした方がいいなと思い、本レコーディングでは少年のような凛とした歌い方をしました。中山さんにも1人こうゆう歌い方をしてるのは良いかもしれないと言っていただけたのでよかったです!
──「ユリイカ」のMVは楽曲のコンセプトに合わせて制作されたと思います。撮影で楽しかったことや大変だったことなどの裏話はありますか? 併せて、完成したMVをご覧になった感想や見どころも教えてください。
桜野:廃墟での撮影はとても好きな世界観でしたのですごく舞い上がりました。アニメ放送開始の前にMVを公開していたので、アニメ1話の世界観からみなさんが「ユリイカ」のMVみたいと感想をいただけたことが嬉しかったです。
花宮:廃墟みたいなところでの撮影だったのですが、とにかくアレルギーの花粉と埃にやられていました……! どんなに頑張っても目が開かず、私個人としてはかなり大変な撮影になりました。気合いで目を開けましたが、完成がめちゃくちゃ不安で……!
完成した映像や写真を見たら、すごく素敵に撮ってくださっていて、本当にありがたいなぁ……となっていました。プロの方の凄さやありがたさを改めて感じました。
相田:美術さんが植物やMVでも印象的な大きな木を作ってくださって、廃墟と緑の組み合わせがとても素敵だなと思いながら見ていました。
大変だったことと言えば、MVで私が2階に立っているシーンがあるのですが、普通に立つと塀に体が隠れてしまうので実は高めのテーブルの上に立って撮影していました。高所恐怖症なので、実はこのシーンでは足がぷるぷるしています。
MVはとても素敵に仕上げてくださって感動しました。『SYNDUALITY Noir』1話でノワールが横たわっていた廃墟にそっくりな世界観で、アニメを見た後にMVを見るとまた印象が変わります。後半、大きな木の前で5人で歌っているシーンがあるのですが、木の光り方が本当に幻想的で綺麗だったのでぜひそこに注目して見て欲しいです。
空野:撮影させていただいた施設が、アニメの楽園を追い求めるストーリーにもピッタリだと感動したことを覚えています。実は電気も水道も通っていなくて、発電機で発電しながら暗闇の中で撮影していたのはここだけの話! 色んな方々の努力とご協力が形になった作品です。
MVをみた最初の感想は「ひかるちゃんと歌うシーン多いな! ひかあお、あおひか、うーん、どっちにしろ良いカップリングだぁ!」でした(笑)。そもそも2人パートも今回の楽曲では多いので、作ってくださった中山さんの中でふたりのハーモニーがハマったのかなと思うと嬉しいです。
天野:MV撮影はこれまでに、真夏の海辺で撮影させていただいたり大変だったことも多かったので、今回の撮影地は廃墟で水も電気も通っていないと聞いていたので覚悟して行ったんですけど、たくさんのスタッフさんのおかげで過ごしやすく楽しく撮影させていただけました!
アニメの第一話でカナタがノワールに出会った場所にとても似ていてワクワクしましたし、MVはストーリー性もあったりして、完成したMVで木に5人の手が触れて光るシーンは感動しました。あとはすごく綺麗に撮っていただけたのが嬉しかったです!