舞台『アキバ冥途戦争〜浪速喰い倒れ狂騒曲〜』和平なごみ役・佐藤日向さん×万年嵐子役・野本ほたるさんインタビュー | 「OVAを観た気持ちになれる」佐藤さん&野本さんが語る舞台ならではの立体感とオリジナルキャラクターの魅力

オリジナルキャラクターに宿る関西魂

――本作のメインキャストには、様々な分野で活躍している方が集まっていますね。

佐藤：今日で稽古4日目（取材時点）なのですが、既にほぼみんな台本を外していて、滅多にないスピード感で進んでいます。

野本：全員アニメのイメージそのままですよ。

佐藤：しぃぽんは「あーし」の言い方がめちゃくちゃギャルです（笑）。アニメはアニメとして描くために誇張される部分もありますが、舞台ではナチュラルさも求められます。しぃぽん役の橋本さんは「リアルなギャルってこうだよな」と感じさせるとともに、完全にしぃぽんそのものでした。

野本：長澤さんのちょっと闇を感じるゆめちも良いよね。

佐藤：そしてなんと言っても、鳥居みゆきさん演じる店長が本当に面白いです！

――鳥居さんが店長を演じると知ったときは驚きました。

佐藤：鳥居さんの店長はコミカルなシーンすら良い意味でリアルに見えるから笑っちゃいますね。鳥居さんならではのメタ要素も脚本に含まれているので、楽しみにしていてください。

――また、オリジナルキャラクターとして登場する大阪のメイド・富美代、虎飼キズナも気になっているファンの方は多いと思います。

野本：キャストはふたりとも関西出身なんですよ。普段は使わないコテコテの関西弁を話すのですが、それが逆に愛しくて楽しいキャラクターです。

佐藤：以前からふたりとは仲良しで、一緒にご飯を食べに行ったりしていました。関西の方って笑いに貪欲で、日常的に面白いポイントを見つけるのが上手いじゃないですか。ふたりとも日常会話からめちゃくちゃ面白いんですよ。

今回のぶっ飛んだ役も振り切って演じていて、ためらわない強さ・関西魂を感じています。良い意味でオリジナルキャラクター感がなくて、見たことはないのに知っている感覚になるというか……。

野本：「この世界だったらこのメイド絶対いる！」と思うよね。

佐藤：アニメの中でも、すぐに死んでしまうメイドたちがいるじゃないですか。あの雰囲気をふたりが体現しています。だから舞台のストーリーは、OVAを観ているような気持ちになるかもしれないです。もともと「Don't think! Feel.」な世界なので、アニメに寄り添いつつ、舞台ならではの面白さもあって。改めて川尻さんはすごいなと思いました。

――佐藤さんの“OVA”という例えがとてもしっくり来ました……！　では最後におふたりから上演に向けた意気込みをお願いします。

佐藤：和平なごみ役の佐藤日向です。作品の舞台となる1999年を生きた方は、平成初期を感じるセットや小道具にも懐かしさを感じるのではないでしょうか。実物を通して感じる面白さや怖さがギュッと詰め込まれた公演になっているので、心の底から劇場で体感してほしいです。ぜひアキバという名の銀座に遊びに来てください！

野本：万年嵐子役の野本ほたるです。もうひーちゃんが全部言った気がする（笑）。遊園地のド派手なアトラクションに乗る気持ちで、残暑を吹っ飛ばしに来ていただけたらと思います！

――ありがとうございました！