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『AYAKA ‐あやか‐』連載インタビュー:上村祐翔(八凪幸人役)×寺島拓篤(沙川尽義役)【第6回】

アニメ『AYAKA ‐あやか‐』連載 第6回:上村祐翔(八凪幸人役)×寺島拓篤(沙川尽義役)|最終回直前!これまでの物語を声優陣が振り返る!

尽義の長い長いモノローグ、尽義の覚悟に感動!

――その10話ですが、2人の兄弟子たちと同じか、もしかしたらそれ以上の覚悟を持っていた尽義の内面が分かる話でした。脚本を手にしたときはどうでしたか? かなりグッと来る内容だったと思うのですが。

寺島:そうですね。でも僕は先に作業の大変さのほうに目が行ってしまって、「(セリフ)多いな~」っていう(笑)。

上村:ホントですよね。なかなかないですよね、(台本)の見開きをずっとしゃべっていることって。

寺島:だから「お~~!」ってなったし、(自分に対して)脚本の面白さをまず考えろよ!って思いつつも、気合い入れなきゃなっていうのが最初にあって(笑)。

でも第9話まででやってきた尽義なりの語り口があったからこそ、楽しんでやれそうだなというのもあったんです。尽義的には楽しい語りではないんですけど、寺島拓篤として、語りをどうやって表現しよう、どうやって尽義としてやろうかって創作意欲を刺激されたんです。

実際アフレコで映像と合わせてみて、活字で見ているだけでは分からないような思いも湧いてきたので、そこはアニメの面白さだなと思いました。映像と合わせることでキャラクターへの理解が深まって、感情がどんどん湧いてくるというのがとても面白かったので、いい経験をさせていただけたと思います。やっぱりこの10話もとても大事だったなと。

上村:(台本を見ながら)本当にすごい量ですよね。

寺島:『AYAKA -あやか-』の脚本はたまにそういうことがあって、鳥さん(鳥海浩輔)もとても長い術を言うときがあって、見慣れない言葉がいっぱいある!みたいな(笑)。そうやって練り込まれている脚本というのは、GoRAさんならではだなって思います。

上村:尽義のこれまでの思いがここで描かれていたので、尽義という人物の印象が変わるというか、尽義も実はいろいろ考えていて、それをポジティブに捉えながらも葛藤していたんだなって皆さんにも伝わったと思うんです。

尽義を通して見たときの『AYAKA -あやか-』という作品がより分かってくる10話だったのかなって思いました。

――上映会の時に、モノガタリプランナーであるGoRAの宮沢龍生さんが、なぜ飲んだくれているのかが後で分かるというようなことを仰っていたと思うのですが、これか!と思いました。

上村:まさかここに繋がるとは!っていう感じですよね。

寺島:とは言え、ひどい酔っ払い方だったけどね(笑)。

上村:この話数は寺島さんと一緒にアフレコすることができたのですが、幸人としても、視聴者としても、尽義の語り口を目の前で聞いていたから、改めて、尽義は幸人にとっては本当に大きな存在になったんだなと、実感しました。

なので終盤にかけての、尽義が媒介としてというのは幸人としては切ない部分もあり、これをするために何年もかけてきたということを考えると、色んな感情が湧いてくる話だったなと思います。切ないけど、島のためにはそうすべきだしっていう意味では、難しいですよね。

――「待て! 尽義」っていう幸人の最後のセリフもいいですよね。

寺島:わりと最初の頃から幸人ってピークに達すると呼び捨てにしてくるんですよ(笑)。

上村:そうですね、飛び蹴りしたりしてましたからね。

寺島:だからそこは昔の繋がりが出ているところなのかなって。でも、みんな尽義の扱いには困ってたんじゃないかな(笑)。弟子ーズも、尽義のことを本当にろくでもない存在だと思っていた気がするし。年上だし、師匠筋だけど、どう扱えばいいんだろうって。

――でも、好感度がマイナスからプラスになるような話ではありましたよね(笑)。

寺島:逆転してくれればいいな~。

上村:第10話では逆転したんじゃないですか。2話あたりは本当にやばい奴だったけど。

寺島:最初、全然好きになれないってみんな思ってるだろうな~って、自分でも思ってたもん。

上村:ホント、迷惑でしたからね(笑)。

寺島:自分の捨てたゴミで何やってんだよっていう。でも第4話くらいから何かあるなという雰囲気は出ていたので、その何かが10話ではっきりと分かるから、視聴者的にはすっきりしただろうね。

上村:その振り幅で言ったら主人公に近いところはありますよね。

寺島:ギリギリまで好きになっていいかわからないっていう。

――でも、ギリギリまで引っ張れるのは主人公ではないからできることなので、やっぱり幸人が主人公なんですよね。

寺島:そうなんです! やっぱり主人公は幸人なんですよ。尽義だけでなく、春兄や朱兄や弟子ーズたちがいることで、ちゃんと幸人の物語がみんな物語として収束していく。ここからの見どころ感はすごいですよ!

――ちなみに、独白部分、モノローグの収録はいかがでしたか?

寺島:頑張りました(笑)。テイクとしてやり直すところはありましたけど、こういう独白は割と好きで、そこに彼の人生の芯の部分が出てくると思うんです。

それを説明しない美学もあると思うけど、この物語は話すことで深みが増すと思うので、やりがいはあるなと思いながら演じました。

――ディレクションはあったのですか?

寺島:特に大きなことはなかったと思います。

――でも、尽義もやはり死ぬのは怖かったんですね。

寺島:そうですね~。そうならないように生きてきたとは思うんです。必ずしもこうなるとは限らない中で、やっぱりこうなってしまったかと。で、それまでが楽しかっただけに……っていう。

――幸人との思い出もできて、未練が生まれる要素が増えてきていたから、余計に切なかったです。

寺島:そうなんですよね。一番覚悟を決めて、すべてを背負い込んでいた尽義だからこそ、重たさは増すだろうなって。やり残したことがないように楽しく生きてきたつもりなんだけど、楽しければ楽しいほど、どんどん大事になっていく。それもやってみないとわからないことで、それに最後の最後で直面したというか。

ここまで覚悟していなかったら、もしかしたら勢いで行けたかもしれないんだけど、覚悟していたということは、ずっとそれを背負っているわけだから、どんどん重みが増していくんですよね。だから怖かったんだろうなって思うんですけど、そこで踏み込めたのもまた、覚悟があったからなんです。

――そして11話で、実際に命をかけてしまう。衝撃がありました。

寺島:そうですね。これを話すのもちょっと難しいんですけど、「死ぬ必要はないんじゃない?」っていう空気を感じることがあるんです。でもフィクションだからこそ、命の尊さが分かるというのもあるというか。

この作品は初っ端から師匠が命をかけて平和を取り戻していたわけだし、命脈という言葉もある。綾ヵ島っていう命脈の力が強く感じられる島を舞台にしているからこそ、命をどう表現するかというのがとても大事な作品になっているんです。それが終盤において、胸を打つ展開になったんだろうなって僕は思うんです。だから尽義という存在を、幸人が好きになってくれたことがとても大事だったんだと思いました。

上村:賑やかな尽義という存在がいなくなることで、幸人はもちろんですけど、稲生さん(CV.飛田展男)や百々子さん(CV.早見沙織)の気持ちを考えると、すごくしんどいなって思いました。稲生さんは亡くなった尽義に語りかけるところがすごく切なくて。

寺島:稲生さんは、もうお父さんだからね。

上村:そういう悲しいところが第11話の前半にあったりするんだけど、結果的に早めの再会ができて良かったです。

上村:お祭りのとき、幸人は真人に出会っているじゃないですか。そういうところも含めて、第11話で尽義と命脈で再会できたことが綾ヵ島なんですよね。まだまだ展開があるよっていうのが知れる部分でもあったなと思います。

で、後半に幸人が尽義に、語りかけるシーンがあるんですけど、それが信頼を仕切った上で、どうして死んでしまったんだ!って伝えているんですよね。師匠以上の大切な存在に対しての感情のぶつけ方で、とても真っ直ぐだったので、それ故に、命脈の中で尽義と再会できたんだろうなって思いました。

――再会はするんだけど、全然締まってないところが、この2人らしかったですよね(笑)。

上村:そうなんですよ! 最初が「お――い」ですからね。

寺島:僕、結構あのシーン好きなんです。すっごく遠くから、「お――い」って、コミカルだよね(笑)。生きるか死ぬかの話がこのあとあるのに、いいから助けてくれて~って。なんか昔のアニメみたいなノリなんですよね。面白かったなぁ。

上村:その緩急がいいですよね。

寺島:『AYAKA -あやか』っぽいよね。

――終盤は本当に怒涛の展開でしたが、このあと最終話の見どころを教えてください。

寺島:尽義がどうなるかは、まだ分からないですからね! さらに一歩踏み込んだ命脈でのやり取りに、コミカルな日常感もあって、逆にこのまま…という可能性もあるよな~って思っています。

なので、この作品の根底にある命脈の扱い方というところで、尽義がどうなってしまうのか分からない中で、いつものノリでやっているところも、楽しんでもらいたいポイントだと思っています。

上村:まず「幸人、飛んでみろ」って、第11話の最後に自分を奮い立たせて水の龍になるんです。幸人は尽義の元に辿り着けるのか、そこで何が待ち受けているのか。ご期待いただければという感じです。

あと、水の龍の声は僕がやっているんです。だから龍の咆哮もしているんですけど、そこに幸人と龍の境目を感じながら演じていたので、龍の咆哮や幸人の思いの叫びが、物語をどう終結に導くのかは期待してほしいです。そこが幸人が綾ヵ島に来た一番の意味でもあると思うので、第1話からの伏線が全て詰まっていると思います。

TVアニメ『AYAKA -あやか-』作品情報

放送情報

2023年7月1日(土)よりTOKYO MX、BS11他にて放送中!
TOKYO MX:毎週土曜 25:00~ 初回放送=7月1日(土)
BS-11:毎週土曜 25:00~ 初回放送=7月1日(土)
AT-X:毎週火曜23:30~ 初回放送=7月4日(火)
(リピート放送:毎週木曜10:30~/毎週月曜16:30~)
北海道テレビ:毎週月曜25:55~ 初回放送=7月3日(月)

※放送日時は変更となる場合がございます。

配信情報

FODにて〈地上波同時〉見放題最速配信中!
毎週土曜25:00~ 初回配信=7月1日(土)

dアニメストア:毎週水曜25:00~ 初回配信=7月5日(水)
U-NEXT:毎週水曜25:00~ 初回配信=7月5日(水)
アニメ放題:毎週水曜25:00~ 初回配信=7月5日(水)

2023年7月8日(土)25:00より順次配信スタート
ABEMA
Amazon Prime Video
バンダイチャンネル
DMM TV
Hulu
J:COMオンデマンドメガパック
Lemino
milplus
ムービーフルPlus
ニコニコ生放送
ニコニコチャンネル
スマートパスプレミアム
TELASA
クランクイン!ビデオ
HAPPY!動画
ふらっと動画(ネットカフェ)

Introduction

GoRA×キングレコードがタッグを組む、完全新作オリジナルアニメーション『AYAKA ‐あやか‐』。

作家集団GoRAが、七つの島が連なる綾ヵ島を舞台に、相棒×師弟×好敵手×兄弟という関係性と、それぞれに宿命を背負った男たちの切なくも美しい絆の物語を描く。

シリーズ構成・脚本をGoRA、キャラクター原案を数々の著名作品の原案を担当するイラストレーターredjuice、監督は長山延好、キャラクターデザインを金子美咲、プロダクションデザインを田中直哉、アニメーション制作をスタジオブランが務める。

GoRA脚本による緻密なストーリーと、気鋭のスタッフ陣が織りなす完全新作アニメに、誰もが魅了され、宿命を背負う男たちの姿に心を揺さぶられる――。

あらすじ

八凪幸人は、本土の児童養護施設で育った少年だったが、ある時亡き父の弟子であるという傍若無人な青年・沙川尽義がやってきて、幸人を故郷である綾ヵ島に連れ出してしまう。

七つの島が連なる綾ヵ島は、火と水の龍の伝説が色濃く伝えられ、「ミタマ」と呼ばれる不思議な存在が当たり前のように生息する奇妙な島だった。

幸人は、綾ヵ島の調和を守る仙人であったという父の三人の弟子たちと関わりながら綾ヵ島で暮らし始める。だが尽義の二人の兄弟子である鞍馬春秋と伊吹朱の間には深い確執があった。

調和の崩れ始めた「あやかい」島で、幸人が直面する真実とは——

STAFF

原作:GoRA・KINGRECORDS
監督:長山延好 
シリーズ構成:来楽 零(GoRA)
モノガタリプランナー:宮沢龍生(GoRA)
アクション監修:柴田裕介 
キャラクター原案:redjuice 
サブキャラクター原案:TCB
キャラクターデザイン:金子美咲
モンスターデザイン:渋谷亮介 
プロップデザイン:佐藤玲子 
プロダクションデザイン:田中直哉
コンセプトアート:芳野満雄 
3Dセットデザイン:榎本嘉輝 
美術監督:海野よしみ
背景美術:プロダクション・アイ 
色彩設計:田中英里那 
撮影監督:豊岡茂紀
撮影:旭プロダクション 
CGディレクター:中島 豊 
編集:岡 祐司
音楽:澁江夏奈 
音楽制作:キングレコード 
音響監督:田中 亮
音響効果:武藤晶子 
録音調整:太田泰明(ピーズスタジオ)録音助手:西 美春
録音スタジオ:STUDIO T&T 
音響制作担当:濱 亮平 
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
アニメーションプロデューサー:江里口武志 
設定制作:杉川竜太朗
アニメーション制作:スタジオブラン
製作:Project AYAKA

主題歌

オープニングテーマ:angela 「AYAKASHI」
エンディングテーマ:saji 「フラッシュバック」

CAST

八凪幸人:上村祐翔
沙川尽義:寺島拓篤
鞍馬春秋:鳥海浩輔
伊吹朱:梅原裕一郎
福分茶太郎:梶原岳人
天乃夜胡:榊原優希
一条いばら:花澤香菜
八凪真人:津田健次郎
尼宮百々子:早見沙織
稲生三次:飛田展男
薪田太平:福山潤
ミタマ:椎名へきる

公式サイト
公式X(@AYAKA_animePR)

(C) GoRA・KINGRECORDS/Project AYAKA
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