「ひろがるスカイ!プリキュアLIVE2023 Hero Girls Live ~Max!Splash!GoGo!~」『ひろプリ』ライブリレーインタビュー! キュア・カルテット五條真由美さん【連載第10回】
「雫」は何を指しているのか
──後日改めてキュア・カルテットの皆さんにインタビューをさせていただく予定ですが、もう少しお話をおうかがいさせてください。まず「雫のプリキュア」というタイトルを聞いた時は、どういった印象でしたか?
五條:「雫」がどういう意味を指しているのかな?と。歌詞だけを読むと「涙の意味なのかな?」とも思ったんです。歌う前にいろいろと質問をさせていただいたんですけど、「そういう意味ではない」ということでした。
やっぱりそこには、主たるものが『プリキュア』なので……雫っていろいろな意味があるとは思うのですが、雫って輝いているじゃないですか。涙というよりかは、輝きが伝わったほうが良いのかなと歌いながら思っていました。
──雫と言うと、うちやえゆかさんの「奇跡の雫」も思い出します。「奇跡の雫」には<流した涙と汗は宝物>というフレーズがあったので、そのキラキラした“雫”もイメージされているのかな。
五條:そっちのね、何かの小さな輝きという。そこは受け取り手の方が自由に想像していただければなと思っています。
──作家陣がすごいですね。作詞は只野菜摘さん、作曲は高木 洋さん、編曲は馬瀬みさきさんと。
五條:ね。只野菜摘さん、高木 洋さんは懐かしのタッグでもあって。只野さんにはお会いできなかったんです。高木さんはレコーディングにいらっしゃったので、お話させていただきました。
──高木さんとお会いするのは久しぶりですか?
五條:久しぶりでしたね。高木さんは、私のオリジナル曲も書いていただいていますし、劇伴を歌わせていただいたり、コーラスとして参加させてもらったりと付き合いが長いんですよね。「このメロディーとか高木さんっぽいよね」と、うちやえさんと話したりはしました(笑)。
──高木さんはどのようなディレクションをされるのでしょうか?
五條:高木さんはいつも「いいですね」「大丈夫です」という感じです(笑)。こだわりがある時もありますが、「雫のプリキュア」のときはそこまで無かったかなと。
──馬瀬さんとお会いするのは初めてでしょうか?
五條:今回がはじめましてでした。レコーディング中「こんな感じでお願いします」などと言われた記憶もなく。なんでも大丈夫!という感じでした(笑)。だから自由に歌わせていただきつつ、自分の解釈を織り交ぜさせてもらいましたね。
──どういう順番で収録されていたんですか?
五條:確か私が最後だったんですよ。佳那ちゃんと真由ちゃんがいるところに行って。先にうちやえさんが録っていたんです。
──宮本さんが大喜びだったのでは?
五條:そう。うるさい(笑)。いつも言ってますけどね。そんな感じだったので、すごく気楽に。レコーディングも緊張せず、楽しくという感じでした。
──完成した音源を聴かれたときはどのような印象でした?
五條:あ〜どうだろう。元々キュア・カルテットでやっていた曲が何曲かあったので、聴いたことがある声だな、と。だから「4人の声が合わさって」という感動はなく(笑)、4人集まったなと。大したコメントができずにすみません(笑)。
──いえいえ、現役でずっと繋がっている4人ですもんね。
五條:そうなんですよね。だからきっと、皆さんの方が「4人が集まってひとつの曲になってる!」と思ってくれるかもしれません。やっている側は一つひとつ頑張るだけなので。
キュア・カルテットの奇跡
──昨今『プリキュア』を好きになった方たちの中には、今回の曲でキュア・カルテットを知ったという方もいらっしゃるかもしれません。次はどの曲を聞いていくのがいいのでしょうか。
五條:皆さんがいちばん知ってくれているのは「ガンバランスdeダンス」か「プリキュアモードにSWITCH ON!」なのかな。
「プリキュアモードにSWITCH ON!」は『プリキュア』シリーズ5周年記念ソングだったので、あの当時の『プリキュア』全部を歌うという少し特殊な曲ではありますが、エンタメとして楽しめると思います。すごく良い曲です。
──“キュア・カルテット”を知らない方にご紹介するとしたら……。
五條:『プリキュア』シリーズで言うと、1年目から参加している私と、3年目から参加しているうちやえさん。佳那ちゃんは「ヤング・フレッシュ」というコーラス・グループに所属していて、中学生の時から『プリキュア』シリーズに参加していました。
(工藤)真由ちゃんは、2007年の『Yes!プリキュア5』主題歌から。この4人で、『プリキュア』シリーズの放送5年目を記念して結成したユニットではありますが、当時から4人で『プリキュア』のキャラクターショーに歌いに行っていたので、意外と4人で歌わせていただく機会は多かったんです。
だからすごく自然な流れで結成することになりました。「4人曲を作ろう」となって「じゃあ名前どうしようか」と。
──その4人の交流が「テウチライブ」をはじめ今も続いているのも素敵ですね。
五條:テウチライブは趣味でやっているような感じですけどね(笑)。今話をしながら、私以外が全員『プリキュア』という作品を知って入っているというのが、ちょっと不思議だなと思いました。
カルテットですら今はレジェンド枠ですけど、うちやえさんは「プリキュアで主題歌を歌えるようになった!」と入っていますし。真由ちゃんはオーディションで「DANZEN!」を歌っていますし。
よく考えると、『プリキュア』を知らないで入ったのは私だけなんですね(笑)。私はある意味、ちょっと特殊だったんだなと。
それと、当時は主題歌歌手と声優陣に接点がない作品も多かったんです。歌手と声優が一同に集まってご飯を食べたり、歌手がアフレコに行ったり、ってことは他の作品では経験したことがなくて。そういう意味でも、少し特殊な作品ですよね。
──五條さんもアフレコ現場に行かれて、皆さんとご飯に行かれたりしていたんですよね。
五條:あ、でもうちやえさんほどは行ってないですよ!(笑)うちやえさんは本当に毎週のようにアフレコ現場に行ってて「来週はちょっと私来れないので……」って言って「別に来るのは自由で義務じゃないよ!」ってツッコまれていました(笑)。
──(笑)。その時代のシンガーの皆さんの熱量があったからこそ、プリキュアシンガーのキズナもバトンのようにつながっていっているんだろうなと。
五條:そうだといいなと思います。音楽も作品のひとつなので。
最初に私が歌わせていただいた時も、鷲尾さんが作品の説明を丁寧にしてくださっていたんです。その上で、歌のレコーディングをさせてもらっていました。
それこそ西尾(大介)さんとも普通にやり取りさせていただいていましたし、アフレコ現場でいろいろなスタッフさんとも関わっていたので、みんなで一緒に『プリキュア』という作品を作ったという感覚がものすごくあります。
何も無いところからみんなで一生懸命作ってきたところが面白い作品だなと思います。『プリキュア』という作品ができあがる前から関われたというのは、本当にラッキーだったなと思いますし、いい経験ができたなと思っています。