秋アニメ『私の推しは悪役令嬢。』芹澤優さん&奈波果林さんインタビュー|コメディ作品なのかと思いきや、意外にも社会派のアニメ!?
10月よりスタートしたTVアニメ『私の推しは悪役令嬢。』。社畜OL・大橋零は、前世でプレイしていた乙女ゲーム『Revolution』のヒロイン・レイ=テイラーとして転生し、異世界での生活がスタートさせる。ただ、彼女が推していたのは、攻略対象の王子たちではなく、悪役令嬢のクレア=フランソワだったーー。
“推し一筋”の異世界ラブコメディ『私の推しは悪役令嬢。』でヒロインを演じる、レイ役芹澤優さんとクレア役奈波果林さん。アフレコを通して、すでに仲も深まっている様子で、この対談でも軽快なやり取りを繰り広げていた。作品の魅力を語ってもらった。
芹澤さんのとある集大成が見られる作品?
──それぞれが演じているキャラクターの魅力を教えてください。
レイ=テイラー役 芹澤優さん(以下、芹澤):この作品は異世界転生作品なんですけど、転生前はくたびれた社畜OLだったんです。そんな彼女の趣味がゲームで、『Revolution』という乙女ゲームをプレイしているんですが、その中でも悪役令嬢のクレア様を推しているんですね。
それがある日、ゲームのヒロイン、レイ=テイラーに転生してしまう。ただ、クレア様のことが大好きなのは変わりないので、レイとして、転生後の世界を心から楽しんでいるし、クレア様に何を言われようが、クレア様に愛を伝え続けている。そこはレイの魅力だなぁって思います。
クレア=フランソワ役 奈波果林さん(以下、奈波):魅力的なキャラクターがいっぱいいるのに、わざわざヒールなクレアの推しになるなんて、絶対にいい子だよね!
芹澤:確かに!
奈波:あと、飄々としているんだけど、ふとしたときに守ってあげたい雰囲気を出したりするよね?
芹澤:飄々としているだけではないというのは感じるし、前世でゲームを全クリして、すべてを知っていることもあって、陰が見える瞬間もあるから、レイも苦しんでるんだ!ってなるときはあるかも。
奈波:いつもの明るさが切なく見える瞬間があって、そこもいいなぁって思います。あと『わた推し』って、ジェンダー問題などにもシリアスに切り込んでいたりするんですよ。
芹澤:女性のことが好きなのか?っていう質問にレイがリアルに答えたりしてね。あとは貴族の階級問題とか、色んなところに突っ込んでいくところは、作品としてすごいと思います。
奈波:コメディ作品なのかと思いきや、結構社会派のアニメなんです。
──悪役令嬢のクレアはどうですか? 平民であるレイを毛嫌いして、イジめたりしていますが。
芹澤:クレア様って、初見は分かりやすくお嬢様なんですけど、いろいろあった上でこの性格になった背景があったりするので、ただ悪役をやっているわけではないんですよ。だから普通にいい子なんです(笑)。
奈波:そうだね。普通にいい子(笑)。そこをレイは分かっているし、クレアもどんどん心を開いていくんだろうなぁって思います。あと、イジられ上手というか、反応が面白いんですよ。なんかちょろいというか、レイの手の平の上で転がされているような感じもするんです(笑)。
──オーディションで印象に残っていることはありますか?
奈波:今回はテープオーディションのみで、私はクレアを受けました。私の声質って、本当の悪役だと難しいと思うところがあって、少し良い子に聞こえてしまうんですね。だから不安もあったんですけど、クレアの背景を見ると、なるほどなぁとも思いました。
──実際は良い子ですからね。
奈波:そうですね。
芹澤:私はレイとクレアを受けたんですけど、テープオーディションだと直接反応を見ることはないので受かるとはあまり思っていなかったんです。だから「どうなったのかなぁ?」って思っていたら、レイで受かったと聞いて、びっくりしました。原作を読むとラブコメだけではない雰囲気もありつつ、がっつりラブコメっぽいテンポやギャグ要素も大事になると思ったので、そういうところをもしかしたら買ってくださったのかなと思いました。
奈波:オーディションのセリフが全部掛け合いだったから、テンポとかは大事だったかもね。
芹澤:テンポの相性が良かったのかもしれないです。
──ボケとツッコミのテンポは大事ですよね。
芹澤:ボケのほうが得意だとは思っていたので、今回の役はこれまでの私の集大成でもあるかもしれないです。今まで習得してきたものすべてを使っている感じがします。
奈波:確かに、あまりツッコんでるイメージはないかも。
──それとレイの場合は急にシリアスになったりするから、切り替えも大事ですよね。
芹澤:そうですね。エモいシーンもあれば、テンポ重視のギャグもある。10年やってきて、いろいろ現場で見てきたものを芝居でぶつけている感じがあります!
奈波:とても頼りになる存在でした。
──アフレコでは、絵もできているところが多かったようですね。間やタイミングは取りやすいのかなと思ったのですが。
芹澤:それが逆に難しさも結構あって!
奈波:完璧に出来上がっているから、口パクがずらせないんです。
──完璧に合わせないといけない難しさが出てくるんですね!
芹澤:テンポ命の作品は、多少ズレても相手のセリフに乗っかっていきたくなるんですけど、今回は絵があるので、自分のセリフが少しでも巻いてしまうと、相手のツッコミもズレるし、そのあとも全部ズレてしまうんです。
奈波:だから吹き替えっぽいかもね。もともとの映像のテンポが良かったから、それに合わせることが大事でした。あと線画の状態だと細かい描写が分からないときがあるけど、今回はそれが分かる良さもありました。こういう顔をしているならば、ここはもっと面白くやってみようとか。
芹澤:確かにギャグ顔はすごく分かりやすかったから、アドリブでいけるな!って思っていました。