
秋アニメ『SPY×FAMILY』Season 2|アーニャ・フォージャー役 種﨑敦美さんインタビュー「こんなにも、はっちゃけ続けていて大丈夫かな? というシーンの連続です(笑)」
種﨑さんのお気に入りのSeason 1エピソードは?
――これまでのエピソードやシーンの中で、種﨑さんがお好きなところ、思い出に残っているところをお聞かせください。
種﨑:いろいろなインタビューで聞かれると、必ず「ここが好き」と答えているお話があって、「はじめての嫉妬」(MISSION:21)です。アーニャがボンドとケンカする回で、そのエピソードが一番好きです。
アーニャとボンドがかわいすぎるのはもちろんですが、ちちからもらったペンギンのぬいぐるみがボンドにボロボロにされて、悲しんでいるアーニャに対して、ロイドが「また新しいのを買ってやるから」と声をかけるんですけど、アーニャは「やだっ! アーニャこのペンギンさんがだいじだもん。ちちにもらったやつだもん」と泣きながら言うところ。
あのシーンはアフレコ収録している時も、「あぁ、わかるなぁ」と思いながら、収録しました。思い入れも強いですし、やっぱり子どもらしいアーニャがかわいいし、他のものではダメで、「ちちからもらったやつだもん」と言う姿を見ていると、泣けてくるんです。
あの回を見ていると、「きっとアーニャは、今までそんなことがなかったんだろうなぁ。それは大事だよな」と思って、泣いてしまいます。
――アーニャの気持ちがわかるとお話されましたが、種﨑さんにもそういったご経験がありますか。
種﨑:小さい頃に「何でそれがいいのよ?」というぐらい、このぬいぐるみが大事だったなということが私にもありましたね。「めっちゃ汚れちょんけ、新しいのにしよう」と言われても「イヤァ~! これがいい。これじゃなきゃイヤだ!」と言っていたなと思い出しました。
それは小さいうさぎのぬいぐるみで、買ってもらった覚えもない、誰かにもらった覚えもない……ちょっと怖いんですけど……(笑)。いつの頃からか、ずっとそのぬいぐるみだけを大事に持っていたんです。
でも、いつどこに行っちゃったのか、いつの間にかなくなってしまいました(笑)。でも、あの頃は、それじゃなきゃイヤだったんです。だから、アーニャの気持ちに共感しちゃいました。
――わかります……! 他にもお好きなエピソードはありますか。
種﨑:ヨルさんがカミラさんに料理を習うお話「ヨル's キッチン」(MISSION:16)も好きです。「カミラさん(CV:庄司宇芽香)、優しい! いい女だな~」と思いました。
それから、アーニャがユーリ(ユーリ・ブライアCV:小野賢章)に勉強を教えてもらうお話「家庭教師の叔父」(MISSION:18)も好きです。最後のユーリの「マジで時間のムダァッ!」というセリフが大好きすぎて、何回も見ちゃいました。まともに相手してくれた結果、「もうイヤ~!」ってなっているユーリがたまらないです。面白すぎる!
アーニャを演じたことによる変化と影響
――社会現象となった『SPY×FAMILY』に出演して、周囲の反響はありましたか。
種﨑:「有名になると、親戚が増える」じゃないですけど、実家に帰ると、大量のサイン色紙があったり、お子さんがいらっしゃる方から「娘が好きで、アニメを見ているんですよ~」と言っていただいたり、そういった機会が増えましたね。
私が人気ということではなく、『SPY×FAMILY』という作品やアーニャというキャラクターが人気だからだと思うんです。アーニャに限らずなんですけど、私は自分が演じていることを知ってもらわなくてもいいんです。
作品とキャラクターを見てもらえたら、それでいいので、私のことは知らなくていいと思っているんですけど、ここまで作品が人気になって、たくさんの方がアーニャを知ってくれた結果、「アーニャの声をやっているのは誰なんだ?」という意味で、私を知ってくれた人が増えて、その結果サイン色紙が増えたんだと思います。
――アーニャを演じたことによって、ご自身に何か変化や影響はありましたか。
種﨑:今までだったら、江口さん、早見さんのような人を「わぁ~、大人気スターや!」と見ていたと思うんですけど、今は普通にちちとははと思いながら見ているので、アーニャのおかげかもしれないと思っています。
私は本当に誰にも知られることなく、お芝居していられたら、それでいいと思っていたんです。「私のことは、世間にも現場のみなさんにも認識されずにいよう」じゃないですけど、「いつこの業界から消えるか、わからないしなぁ」という気持ちでいたんです。
でも、声優の業界内でも知ってくれている人が増えて、世間のみなさんにも知っていただいた結果、「もう少しここにいていいのかな?」という気持ちになりました。「自分は、ここにいてもいいのかもしれない」と思えるようになったのは変化かもしれません。
今まではそのように思っていたんですけど、みなさんに知っていただいたことによって、やってみたかった仕事や「こんな作品に携われるなんて!」ということもあったので、「アーニャ、ありがとう!」という気持ちでいっぱいです。
――本作を楽しみにしているファンのみなさんへメッセージをお願いします。
種﨑:Season 1と変わらず「『SPY×FAMILY』ですっ!!」というアニメーションがSeason 2でも見られると思います。
でもSeason 1があったからこそ、このお話が見られるというエピソードもたくさんありますので、安心して待っていてください。Season 2も最後まで楽しんでいただけたらと思います。よろしくお願いします!
――ありがとうございました!
[取材・文/宋 莉淑(ソン・リスク)]
作品情報

あらすじ
キャスト
(C)遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会