この記事をかいた人
- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
フリーレンの人生の百分の一にも満たないヒンメルとの旅。しかし、彼がフリーレンに与えた影響は絶大で、回想シーンでは何度も彼の姿が登場します。
また、現在の彼女の行動指針になっている側面もあり、以前のフリーレンであれば時間の無駄と思っていたような人助けを積極的におこなったり、ヒンメルに言われた言葉をそのままフェルンたちに伝えたりすることも。
「たった10年」の冒険から100年近く経過してなお、ヒンメルとの思い出はフリーレンの心に特別なものとして存在し続けています。
「勇者ヒンメルならそうしました」
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) September 29, 2023
「そうだね…」#フリーレン pic.twitter.com/R9Vb2A7EPu
フリーレンはヒンメルからもらった鏡蓮華の指輪を今も大切にしています。討伐依頼で尽力したお礼としてもらったもので、当時はそれほど価値を感じていなかったようですが、ヒンメルの死後、それは大切な思い出の品となります。
ところが、旅の途中、指輪を取り出したタイミングで鳥型の魔物に襲われてしまい、その指輪を紛失。周辺をくまなく探すフリーレンでしたが、なかなか見つかりません。「失くし物には慣れている」と一時は諦めかけたものの、「失くした装飾品を探す魔法」を手に入れ、指輪は無事手元に戻ってきます。
鏡蓮華の花言葉は「久遠の愛情」。そのことをフェルンから教えられたフリーレンは、ヒンメルも花言葉は知らなかったと思う、と返します。しかし、回想シーンではそうとは思えない表情を見せた後で、まるでプロポーズするかのように跪き、フリーレンに指輪を贈るヒンメルの姿が……。
彼がフリーレンに仲間以上の特別な感情を抱いていたことを思わせる印象的なシーンです。
フリーレンは、かつての仲間である僧侶・ハイターの頼みで戦争孤児だったフェルンに魔法を教え、ハイターの死後、弟子として共に旅をしています。
魔法に関しては師として尊敬され慕われているフリーレンですが、私生活においては立場が逆転。だらしない身の回りの世話を焼いてもらったり、散財や人間との時間感覚のズレによる長期滞在を諌められたりと、フェルンはまるで彼女のお母さんのよう。
【只今 #フリーレン 初回SP
— 『葬送のフリーレン』アニメ公式 (@Anime_Frieren) September 29, 2023
#金曜ロードショー で放送中🪄 】
おかあさん?#frieren pic.twitter.com/o4xTdrFfet
初めは師弟でしたが、長い年月で持ちつ持たれつの関係に変化。今では互いが互いを頼りにするかけがえのない存在となっています。
普段、凛とした表情を崩すことのないフリーレンですが、それだけにヒンメルや仲間とのことを回想した際に見せる柔らかい微笑みは格別。
また、魔法使いとしては常人離れした強さを誇る一方で、私生活で見せるずぼらな姿は温かい人間味を感じさせます(フェルンは気苦労が多そうですが)。特に、フェルンにたたき起こされた時の寝ぼけ顔は大魔法使いとは思えない少女のような可愛らしさです。
フリーレンは、ストーリーが進むごとにその強さを垣間見せ、その度に周囲の人々だけでなく我々読者も圧倒していきます。
中でも注目したいのは、フリーレンとフェルンが挑んだ一級魔法使いの資格試験での2人の共闘です。一次試験を無事突破した2人は、二次試験「迷宮(ダンジョン)攻略」に挑みます。
舞台は多くの冒険者が帰らぬ人となった迷宮「零落の王墓」。これまで誰も攻略できなかった理由は、侵入者の完璧な複製が敵となって現れるため。迷宮の最深部を守るフリーレンの複製体に、受験者たちは様子をうかがうことしかできずにいました。
そこで、フリーレンは自分の弱点を見抜いていたフェルンと共闘。見事な連携を見せ、自身の複製体を撃破します。
フリーレンの魔法使いとしての強さはもちろんのこと、冷静さや分析力、豊富な経験など総合的な強さが光ります。さらに、師匠としての姿や師弟の絆の強さも感じられる、見応えたっぷりのバトルシーンです。
フリーレン役を演じているのは種﨑敦美さんです。『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』のダイ役をはじめ、『SPY×FAMILY』のアーニャ・フォージャー役などを務めています。
魔法使いとして絶大な力を持っているものの、その力や魔王を討伐した功績をひけらかすことのないフリーレン。凛とした佇まいもとても格好良いです。
一方で、ずぼらでだらしないところや魔法オタクなところなどは温かい人間味(エルフですが)が感じられるところもまた彼女の魅力。
彼女の人を知る旅はどんな道を辿るのでしょうか。これからの展開から目が離せません。
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。