収録3曲すべてタイアップ楽曲! カノエラナさん「Queen of the Night」リリース記念インタビュー|『ティアムーン帝国物語』『Helck』『千紘くんは、あたし中毒。』をそれぞれ違うアプローチと歌声で表現
アニメ好きならではな独特の視点と表現力で様々なアニメのタイアップ曲を手掛けつつ、ライブ活動も精力的に行っているシンガーソングライターのカノエラナさん。そんなカノエさんが、ニューシングル「Queen of the Night」を11月1日(水)にリリースします!
本シングルに収録される3曲は、すべてタイアップ曲。表題曲はアニメ『ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~』のED曲、カップリングの「ヒカリ」はアニメ『Helck』の第2クールED曲、「ハニーホリック」は人気少女マンガ『千紘くんは、あたし中毒。』のイメージソングです。
楽曲の雰囲気やサウンド感はそれぞれ違いながらも、各作品のキーワードやテーマをさりげなく盛り込むリスペクト、またカノエさんのボーカルもバラードからアッパー、せつない曲からポップまで幅広く感じられるシングルになっています。
11月4日(土)にはシングル発売を記念したライブも開催予定。昼夜2ステージすべての演奏曲が違うという挑戦的な内容となっています。
今回、シングル発売を記念してカノエラナさんにロングインタビューを実施! カノエさんの深い作品愛と楽曲へのこだわりを語っていただきました。
3曲すべてがタイアップなんて「奇跡」としか言いようがない
――今回のシングルは収録される3曲すべてがタイアップ曲という強力シングルとなりますが、感想はいかがですか?
カノエラナさん(以下、カノエ):「奇跡」としか言いようがないなと一番最初に思いました。最近、配信でのシングルリリースが多かったので、CDとしてリリースできることも嬉しいです。特に私と同じオタク気質の方は現物を手に取れたほうがアガると思うので(笑)。
――作品に寄り添って作らなくてはいけないタイアップ曲を3曲も作るというのは、作る側にとってカロリーが高いので大変だったのでは?
カノエ:いつも背負っている荷物の量ではないので、ひっくり返りそうになりました(笑)。ですが、3曲すべて同じ時期の進行スケジュールではなかったし、私は最初にテーマや求められる曲調などを提示してもらえたほうがやりやすいので、楽しみながら、それぞれの世界観が交わらないように違う曲にできたかなと思っています。
「Queen of the Night」は「星空や宇宙などを一人で漂っているイメージ」。歌詞にも作品に掛けた工夫がいっぱい
――表題曲になっている「Queen of the Night」は10月からのTVアニメ『ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~』のED曲ですが、原作やPVなどをご覧になって感じた作品の印象や魅力を感じた点をお聞かせください。
カノエ:まずコミカライズを読ませていただきましたが、ロココ調の貴族や侯爵が登場したり、ドロドロした政治や人間模様を扱った作品が好きだったので、私の趣味にドンピシャでした(笑)。また、転生ものでありながら、別の何かになるのではなく、12歳の自分に戻って、今度は処刑されてしまわないように自らの運命を変えていくところがおもしろくて。
――ヒロインのミーアが断頭台で処刑されるシーンから始まるというのが斬新かつ衝撃的ですよね。
カノエ:でも絵がかわいくて、そのギャップもいいですね。ギロチンが追いかけてくる描写なんて、「こんなことあるの!?」みたいな(笑)。アニメの第1話を見せていただいた時、暗い部分と明るい部分がうまく交互にくるので、全然重たく感じないで見られる構成のバランスも絶妙で。ミーア姫は自分が処刑されてしまうことも、周りの人の運命も知っているのに、「この運命を変えよう」と思える強さもすごいです。
――「Queen of the Night」を制作する際に意識した点や、アニメのスタッフ側からのオーダーなどあれば教えてください。
カノエ:まずお話をいただいた時、ミーア姫を演じる上坂すみれさんが歌うOP曲「ハッピーエンドプリンセス」はにぎやかで楽しい曲なので、ED曲はしっかり聴かせる感じにしたいとお聞きしました。
また、「星空や宇宙などを一人で漂っているイメージ」というキーワードをいただきました。宇宙は果てが見えないことで怖さを感じたり、星空も明日が来るのかなと不安にさせる部分もあるけれど、きれいだなととらえる人もいたり、いろいろな見え方があるんですよね。
あと、ミーア姫は打算的な面がありますが、私も同じような面があって(笑)。なので、自分自身の物語として消化できるし、ミーア姫は自分の物語の結末をどう書き変えることができるのかなとワクワクしながら作られたので、力強い曲にできたかなと思っています。
――歌詞には、「日記」など作品のキーワードがいくつか散りばめられていたり、サビでは「ティアムーン」にも聴こえる「Dear Moon」が入っていたりと工夫がほどこされていて。サビの「蒼く澄んだ未来を必ず掴むわ」や「めでたしめでたしで幕は閉じる」にもミーアの強さを感じました。
カノエ:作品では過去に書いていた「日記」を読むことで、どんなことが起きるのか知って、未来を書き換えていく物語になっていて、私はお手紙みたいだなと思って。なので、手紙の書き出しの「Dear」を入れて、「ティアムーン」と掛けてみました。これくらいキャッチーなほうがいいかなと思ったし、作品と真摯に向き合っている姿勢も見せたくて。私の想いもしっかり書いて、レコーディングでそのバランスを取りながらしっかり落とし込もうという意識で作りました。
――A、Bメロはとつとつと歌う感じで、サビで想いの熱さや決意の強さを表す構成になっている気がしました。
カノエ:サビのインパクトが欲しいというオーダーもありました。宇宙や夜空などの景色は基本的にはあまり変わらないので、真っ暗闇から、大きくて明るい月が出てくるくらいじゃないと絵が変わらないかなと思って、そんなイメージを想像しながら作ったので、歌詞もメロディも幅広いものになったのかなと思います。
――1分半のTVサイズで聴いても収まりがいいし、満足感があるんですよね。
カノエ:ありがとうございます。日記を閉じる=物語を閉じるという感覚で、毎回本編を見終わった後、この曲で「今日はここまで見たな」としおりを挟むみたいなイメージで。第1話を見た時もED映像を見て、「しっかり締まったな」と思えて良かったです。