懸命に、そして必死に戦った彼らの人生を受け取ってほしい――『呪術廻戦』第2期「渋谷事変」第39話(第2期15話)放送後インタビュー|禪院真希役・小松未可子さん×七海建人役・津田健次郎さん×禪院直毘人役・中田譲治さん
MBS・TBSほかにて放送中のTVアニメ『呪術廻戦』第2期「渋谷事変」。
第39話「揺蕩-弐-」(第2期15話)では、陀艮(だごん)との戦いで圧倒的に押されていた真希、七海、直毘人(なおびと)の3人でしたが、伏黒が途中参戦。状況が好転するように思えた中、今度は敵なのか味方なのか不明の甚爾(とうじ)が現れて陀艮を撃破。
戦闘後危機を脱したかと思ったその時、陀艮の仲間の漏瑚(じょうご)が突如出現して真希、七海、直毘人を圧倒。その後漏瑚は気絶している虎杖に両面宿儺の指を取り込ませる。顕現した宿儺に取引を持ち掛ける漏瑚だが…。
今回は第2期38~39話で陀艮と戦った真希役の小松未可子さんと七海役の津田健次郎さん、直毘人役の中田譲治さんの座談会をお届け。第38~39話の熱く厳しい戦いを振り返っていただきました。
陀艮に終始圧倒され、更なる強敵も続々と出現して、津田さんいわく「しんどかった」第39話
――まず先日放送された第39話を振り返った感想や印象なシーンをお聞かせください。
七海建人役・津田健次郎さん(以下、津田):第38話から第39話まで陀艮にやられっぱなしで。この「渋谷事変」になって、ずっとしんどい時間が続いている感じがします。
禪院真希役・小松未可子さん(以下、小松):真希は圧倒されっぱなしで、手も足も出ず、自分の力不足にただ悔しい気持ちを重ねるだけで。しかも甚爾まで出てきました。真希は呪力がほとんどない分、フィジカルに磨きをかけてきたのに、自分の力を軽々と超えられて、くじけそうになっているところに追い打ちをかけられていますよね(笑)。
あとこの3人の組み合わせは、これまであまり掛け合いをしていない人たちだったので、どういう距離感でしゃべっているのかなと想像もできませんでした。でも陀艮と戦って、太刀打ちできないと思った時に一体感が芽生えて、そこに伏黒 恵がやってきて、という流れ。ちょっとした希望から絶望が再び訪れるという波が交互にやってくる、すごい第15話でした。
禪院直毘人役・中田譲治さん(以下、中田):「渋谷事変」は、非術師である人間が大勢巻き込まれることで、今まで以上の悲壮感や緊迫感を生み出せたのかなと。また呪術師たちも敵を倒さないといけないし、人間も助けないといけないし、五条も奪還しないといけないし、という複雑な三つ巴が見せ場になっています。
直毘人も強いはずなのに、陀艮や甚爾など強い敵が次々出てきて。七海もこれまでは敵をサクサク祓ってきたのに。38話や39話の段階で、こんなに苦戦したり、圧倒されてしまうということはこの先はどうなるんだろう?と心配になるし、ギリギリのところで頑張っているみんなを見ているとせつなくなります。
――第38~39話では、七海と真希と直毘人が共闘して、陀艮に立ち向かいましたが、敵の陀艮の印象は?
津田:3人一緒に戦っているのに、こんなに苦戦するのかと衝撃を受けたし、めちゃめちゃ強いなと。
中田:第38話で直毘人が「1級が2人も揃って祓えんとは 由々しき事態だな」と言っていたしね。
小松:言われた真希は「クソッ」とぐぅの音も出ませんでしたけど(笑)。
津田:第36話で、七海が、釘崎と新田に「2人はここで救護を待って下さい」と言って次の戦場に向かおうとして、釘崎が「私も」と付いて行こうとした時、「駄目です。これからは1級(わたし)で最低レベルです」、「足手まとい。邪魔です」と言い放ったシーンもありましたが、その言葉に納得できるくらいの強敵で、陀艮とのバトル中も「しんどいな」と思いながら演じていました(笑)。
小松:真希は、常に強がってはいたし、彼女なりに戦い方を探っていたけど、どうやっても太刀打ちできないという現実を突きつけられて、ジレンマに陥っていたと思います。でもこんな戦いがなければ、この3人がチームで行動することはなかったでしょうし。
津田:僕も確かに違和感がありました(笑)。
中田:ナナミンも困惑していましたね(笑)。
津田:3人は会ったことはあるけど、しゃべったこともなくて。
小松:この戦いでやっと会話できた感じですよね。たぶん戦い以外で通じ合えることはないでしょうから。
津田:七海は、お酒を飲んでいる直毘人に引いてましたからね。
中田:直毘人は第1期では少しだけ登場して、真希との関係を暗示していただけだったし、この戦いは久々の出番だと思って気合が入りました。本当は五条の封印を解きたくないくらい五条家と禪院家は仲が良くないけど、人類の危機だと感じて、渋谷にやってきて。自分では祓えるという自信があったと思うけど、想像以上に敵が強かったですね。
――ちなみに共闘するシーンは3人一緒に収録されたのでしょうか?
津田:一緒に収録できましたが、すごく緊張感がありましたね。直毘人さんはマイペースですけど(笑)。2人のセリフを聞きながら一緒に戦えて、緊張感も共有しながら収録できて楽しかったです。
小松:戦闘シーンは私たち3人と変態後の陀艮役の三宅健太さんも一緒でした。呪胎状態の小さな陀艮から大きくなった時の緊迫感で3人が1つになれた気がします。
中田:真希とは、移動中も口をきかないほど反発し合っていたと思うけど、敵と戦うことによって、チーム感が出てきて。アフレコでも3対1でもギリギリだなと感じながらやれて良かったです。
――各バトルシーンが激しくて長いので、テンション感を保つのも大変だったのでは?
津田:それはもう全然大丈夫でした。ずっと緊張感が走っていたので。
小松:スタジオに入った瞬間から緊張感がありましたよね。
――収録が終わった時は力が抜ける感覚になったりして?
中田:まだ余力は残っていましたね。
小松:「まだ戦える!」みたいな(笑)。
中田:でもあんなに強かった七海がこれほど苦戦するなんて、この先いったいどうなっちゃうんだろうと思いました。
津田:第1期の真人戦で一度死にかけましたけど、今回は3人一緒でもギリギリだし、直毘人さんも片腕を失って。でもその時の「たかが右腕一本。さりとて71年物」と言ったセリフはカッコよかったですね。
小松:言い回しがカッコいいですよね。