TVアニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』長縄まりあさん(好本 静役)×瀬戸麻沙美さん(栄逢凪乃役)×朝井彩加さん(薬膳楠莉役)座談会【第3回】|瀬戸さんを悩ませた、声優人生での最難セリフとは?
瀬戸さんを悩ませた、声優人生、最難セリフとは?
――栄逢凪乃はどんなキャラクターで、演じるときにどんなことを意識していましたか?
瀬戸:凪乃は本当に美人さんです。みんなかわいくて、顔も整っている彼女ばかりなんですが、その中でも美人として描かれているので、アニメで動いたらどうなるんだろうって楽しみになりました。
演じる上で難儀したのが、テンポ感がいい作品なので、テンションを上げずに尺の中に収めなければいけないというところで、そこは大変でした。
あとはモノローグの演技で、凪乃は恋太郎に出会ってから、今までの自分ではなくなってしまうんですね。出会う前はAIみたいに効率だけを重視して、恋愛感情すら知らない女の子だったんですが、そうではない一面を恋太郎によって引き出されたときに見せる表情の振れ幅を、どのくらい出してやったらいいのかなっていうのは考えました。そこは、テストで大げさにやりつつ調節していこうかなと思っていました。
――テンションを抑えながら、尺内に収めるのは大変そうですね。
瀬戸:凪乃は心が乱れると平静を保とうとして円周率を唱え始めるんです。これはホントに、ホントに、頭を抱えました。声優人生って言うと長すぎますけど、どんな難しいセリフを言うよりも、ただただ数字を読むって、めっちゃ難しいんだな!と思いました。ここは台本を開いたときから、アフレコの日が恐ろしくて恐ろしくて、毎日円周率のことを考えていました(笑)。
長縄・朝井:あははは(笑)
瀬戸:「明日だ、もう1回練習しよう」って、円周率を読み上げる動画を見ながら練習して。最後は、「ええい! もうダメだったら編集の力でどうにかしてもらおう! きっとなんとかしてくれるはずだ!」と思って、不安な気持ちなんて何もないような顔で、現場に行きました(笑)。
朝井:(実際にやってみて)どうでした?
瀬戸:本当に苦労しました。できればもう唱えないでほしい。でも、そういうことを唱えちゃうのも凪乃ちゃんの魅力なのかなって思うので、こんな私の言うことなんて、放っといて大丈夫です(笑)。
――お二人は、瀬戸さんが演じる凪乃はいかがでしたか?
長縄:私たちが録ったあとに瀬戸さんの収録だったんですが、私は楽しみすぎて、実はロビーで見ていたんです。
瀬戸:そうなの! 恥ずかしい。
長縄:ロビーのモニターでテストだけ見て、「カッコいい! 面白い作品ですね!」と言い残して帰りました(笑)。
瀬戸:うれしい! 「あの人、円周率言えてないな」ってならなかったんだね。
朝井:私は、恋太郎にメロメロになっている凪乃さんも見たんですが、表情とかセリフの抑揚とかは、そんなに変わらないんですよね。
瀬戸:顔は変わらないよね。
朝井:だけど、恋太郎に対して大胆なセリフも、そのまま真剣に淡々と言うので説得力がすごいんです。セリフだけ読むと「何言ってるんだ、この人」って思うんですが、凪乃の感じで言われると「そっか!」ってなる。
長縄:「〇〇のほうが効率的!」とか言われると、「確かにそう!」ってなる!
朝井:洗脳される感じなんです。その説得力を出すのがすごい。
瀬戸:彼女は本音を包み隠さず言いますからね。しかも変わらないテンションで言うので、説得力は確かにあるのかも。
朝井:それもそれでかわいいですよね。収録中はまだ絵が完成していない状態だったりするんですが、顔の頬に斜線が入っていたりすると、ここはきっと照れているんだなって思うので、そのあたりも本当にかわいかった。
――そのかわいさに引っ張られてテンションが上がってしまうときはありますか??
瀬戸:あります。そうすると「ちょっと落ち着いて」ってディレクションが入るんです。そこで「ハッ!」として、長縄ちゃんを肩で感じるっていう(笑)。
長縄:私たち(テンションが上がらない)仲間だから(笑)。
――ちなみに、アニメの凪乃のビジュアルはいかがですか?
瀬戸:髪の毛がいいですね!
長縄:私はタイツが好きです!
朝井:制服・黒タイツ薄手デニールね。
瀬戸:はぎゃ~ってなるね。ちょっと羽香里みたいになっちゃったけど。
――では最後に、アニメでは凪乃のどんなところを見てほしいですか?
瀬戸:彼女は効率主義なんです。人と関わらないオーラがめちゃめちゃ出ていたんですが、恋太郎と出会って心が動き出します。そしてほかの彼女とも交流することで、大きなところはブレていないけれども、彼女自身が人として成長していくところも描かれています。恋太郎と出会っていなかったら、この凪乃にはなっていなかったと思うので、彼女の成長とブレないところ、両方を見てほしいです。
[取材&文・塚越淳一]
TVアニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』作品情報
放送情報
TOKYO MX:10月8日(日)より毎週日曜22:30~
サンテレビ:10月8日(日)より毎週日曜24:30~
KBS京都:10月8日(日)より毎週日曜24:45~
とちぎテレビ:10月13日(金)より毎週金曜23:00~
BS11:10月8日(日)より毎週日曜24:30~
AT-X:10月21日(土)より毎週土曜21:00~ ※リピート放送:毎週月曜28:30~/毎週土曜 6:00~
配信情報
ABEMA、dアニメストア先行配信:10月8日(日)より毎週日曜23:00~
ニコニコ生放送:10月14日(土)より毎週土曜20:00~
他配信サイトでも順次配信開始
あらすじ
中学で失恋100回を達成した愛城恋太郎は、高校でこそ彼女を!と願い訪れた神社で、現れた恋の神様から「高校で出会う運命の人は100人いる」と告げられる。
しかし神様いわく、運命の人と出会った人間は、その相手と愛し合って幸せになれなければ死んでしまうという……。
次々に待ち受ける運命の人との出会いーーどうする恋太郎?どうなる100人の彼女!?
STAFF
原作:中村力斗・野澤ゆき子(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:佐藤 光
シリーズ構成:あおしまたかし
キャラクターデザイン・総作画監督:矢野 茜
サブキャラクター・衣装デザイン:西山実果
美術監督:扇山秋仁
美術設定:朝見知弥(絵梦)・朝見美菜(絵梦)
色彩設計:松山愛子
撮影監督:島 直美
編集:武宮むつみ
音響監督:土屋雅紀
音響効果:中島勝大(スワラ・プロ)
音響制作:ブシロードムーブ
音楽:睦月周平・滝澤俊輔(TRYTONELABO)・eba
音楽制作:ランティス
アニメーション制作:バイブリーアニメーションスタジオ
CAST
愛城恋太郎:加藤 渉
花園羽香里:本渡 楓
院田唐音:富田美憂
好本 静:長縄まりあ
栄逢凪乃:瀬戸麻沙美
薬膳楠莉:朝井彩加
神様:千葉 繁
公式サイト
公式ツイッター(@hyakkano_anime)
公式TikTok
関連CDはこちら
原作情報
集英社「週刊ヤングジャンプ」にて好評連載中!
原作コミックス1~14巻&ノベライズ好評発売中!