漏瑚は運が悪すぎる! そして両面宿儺の強さに腹が立つ!?『呪術廻戦』第2期「渋谷事変」両面宿儺役・諏訪部順一さん&漏瑚役・千葉 繁さんインタビュー
宿儺との掛け合いに千葉さんは「腹が立った」!?
――一千葉さんは、諏訪部さんとご一緒に掛け合いをされた感想はいかがでしたか?
千葉:掛け合いで演じられるのはいいですね。最近までみんな、少人数や単独で収録していたので、相手がどういうトーンや圧で来るのかなど想像しながら収録するしかない状況が続いてきましたが、少しずつ元の状況に戻りつつあります。やっぱり言葉や芝居のキャッチボールができないとね。
諏訪部:そうですね。ただ両面宿儺というキャラクターは、相手の言葉で気持ちが揺れ動くタイプではないんですよね。掛け合いで生まれるシナジーみたいなものがあまりないんです。
千葉:だからこそ、腹が立つんだよ!(笑)
諏訪部:気持ち入れて演じられていると、宿儺は本当にムカつくでしょうね。全力で挑んでも敵わないですし、本気で受け止めてくれもしない。視聴者のみなさんにも、共演者のみなさんにも、そういう苛立ちを感じていただけたのなら、自分的には大成功です(笑)
――宿儺と漏瑚は初対決なので、アフレコもテスト段階から探っていく部分があったのでしょうか?
千葉:テストの時には相手がどんなニュアンスでくるのか全然わからないし、相手のセリフや絵から自分なりに想像してやってみて、「なるほどな。こう来るのか」と微調整しています。諏訪部くんは原作を読むの?
諏訪部:自分は読む派です。
千葉:僕はいっさい読まないんです。というか読み方がわからなくて。『コボちゃん』(新聞で連載されていた植田まさしさんの4コマ漫画)みたいにタテにシンプルに読めればいいけど、今どきの漫画はカット割りやコマ数も多いし、子供の頃はマンガを買ってもらえなかったから漫画を読むという習性もなくて。だから今回も原作を読んでいないので、アフレコの線画の絵を必死に見てやってました(笑)。
諏訪部:宿儺の場合はどういう気持ちや意図でそのセリフを言っているのか不明なことも多く、せめて表情は参考にしたいと思うのですが……アフレコ時に絵が完成していないことも多く。ト書きだけではシーンの状況がわからない時、原作を参考にして想像を膨らませています。
作品世界の中、いろいろわかっている役を演じる時は、あらかじめ自分も情報をいれておきたいタイプでして。その方がしっかり説得力を持って表現することが最初からできると思うので。
しかし、この作品はまだ原作でも明らかになっていない要素が結構るので……非常に困ります(笑)。
千葉:あと、『呪術廻戦』は固有名詞が難しいよね。
諏訪部:アクセント辞典にアクセントが載っていない言葉が本当に多いですね。
千葉:陀艮(だごん)など読みが難しいキャラクターの名前や呪術名など辞典で一生懸命に調べるんだけど、なかなか見つからなくて。スペインの繁華街にある店に行こうとするけど、土地勘もなければ、地図も方位磁針もなく、あてどもなく、ぶらぶらしている感覚で。
――(笑)。
千葉:改めて、漏瑚たちには過去も未来もなく、今しかないので、今どう思っているのかだけだと思っていて。宿儺と戦う時も瞬間の想いだけで、今という瞬間に命をかけて戦っていました。僕は例え敗れて死んでしまっても、未来永劫、命は続いていくと思っていますが、漏瑚として今は戦っているけど、来世は違う生き方をしているかもしれない。もしかしたら100年後の荒野で宿儺とまた戦っているかもしれないけど(笑)。一緒に戦った人たちと違う縁を得て、違う冒険をしていくのでしょうし。彼が悔いなく生きられればいいなと思いながら演じています。
重層的にエピソードが交錯する「渋谷事変」は、あたかもオールスターバトルのよう!?
――改めて「渋谷事変」の印象をお聞かせください。
千葉:『呪術廻戦』自体が複雑怪奇かつ、かなり深堀りできる作品であり、とんでもない人たちがたくさん出てきて、とんでもない戦いをしていて。そして、いろいろな話が重層的に交錯しているので、全体像を語るのは難しいですね。よく芥見先生はこんなこと考えられたなと。一度、頭の中を見てみたいです(笑)。
諏訪部:「渋谷事変」は様々な場所で様々な出来事が同時に起こっています。原作では、シーン変わりで現在と過去が入り乱れたりもするんですよね。すごい構成です。
千葉:ただ、この「渋谷事変」では、僕らがなじみ深い場所である渋谷の裏側で、すごい戦いが行われている事実がおもしろくもあり、怖くもあって。神々の戦いが繰り広げられているものの、周辺にいる人たちはほとんどわかっていない。「何でこんなことが起きているんだろう」という疑問だけが残っているけど、各々の想いを持ってしっかり戦っている、言うならばバカがいたという、そんな印象でしょうか(笑)。
諏訪部:ここまで登場してきたキャラクターたちの総力戦。オールスターバトルみたいなエピソードです。熾烈を極める戦いで、原作を読んでいてメンタルを削られた作品ファンの方も多いのではないでしょうか。アニメで表現される「渋谷事変」。視聴者のみなさんがどのようなご感想を持たれるのか、気になるところです。
――そして、「渋谷事変」の第34話「昏乱」では、漏瑚は夏油たちと共闘して五条の封印に成功しましたが、ここまでやらないと封印できないほど強いんだなと改めて思わされました。
千葉:そもそも五条とは第1期の第7話(「急襲」)で初めて対峙してボコボコにやられて。何とか復活して五条を封印できたと思ったら、今度は最上級の宿儺と戦うことになって。漏瑚は運が悪すぎですよね(笑)。でも最上級の存在と出会えて、全身全霊で戦えたので、きっと悔いはないんじゃないかなと思うし、一生懸命に戦った漏瑚の生き様や何かしら印象が皆さんの中に残ったのなら、とても嬉しいです。
――今後の放送を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。
諏訪部:この取材を受けている時点では、まだ完成した映像を見ていないのですが、おそらく素晴らしいものになっているのではないかと思います。ポジティブなご感想はどんどん広めてください!
千葉:見終わった後にはX(旧Twitter)などでたくさんつぶやいてほしいよね。いい感想を(笑)。
諏訪部:スタッフにとってもキャストにとっても、モチベーションアップに繋がります!たくさんお褒めいただくと、作品に吹く追い風もどんどん強くなると思いますので、どうぞよろしくお願いします!
TVアニメ『呪術廻戦』作品情報
●第1期
Blu-ray&DVDシリーズ 第1巻~第8巻発売中!
TVシリーズ 各動画配信サービスで配信中!
●第2期
毎週木曜23:56~MBS/TBS系列全国28局にて放送中!
イントロダクション
少年は戦うーー「正しい死」を求めて
集英社「週刊少年ジャンプ」で連載中の、芥見下々による漫画作品『呪術廻戦』。
2018年3月から連載が開始され、人間の負の感情から生まれる呪いと、それを呪術で祓う呪術師との闘いを描き、既刊20巻にしてシリーズ累計発行部数は驚異の7,000万部を突破。
2020年10月から2021年3月までは毎日放送・TBS系列にてTVアニメ第1期が放送され、国内のみならず全世界で大きな反響を呼んだ。さらに、同年12月24日、第1期の前日譚にあたる物語が描かれる『劇場版 呪術廻戦 0』を上映し、全世界で一大ムーブメントを巻き起こした。
そして、2023年に放送が決定している第2期で描かれるのは、五条 悟と夏油 傑の高専時代の物語「懐玉・玉折」。劇場版にて示唆された五条と夏油の決別した過去がついに明らかとなる。
さらに、連続2クール内にて「懐玉・玉折」の後、第1期から続く時間軸の物語「渋谷事変」も描かれることが決定。10月31日、ハロウィンで賑わう渋谷駅周辺に突如“帳”が下ろされ大勢の一般人が閉じ込められる。単独で渋谷平定へと向かう五条だが、これは夏油や真人ら呪詛師・呪霊達による罠だった…。虎杖、伏黒、釘崎といった高専生のメンバーや呪術師たちも渋谷に集結し、かつてない大規模な戦闘が始まろうしていた。
呪いを廻る壮絶な物語が再び廻りだすー
「渋谷事変」ストーリー
最後に笑うのは、人か―呪いか―
「五条 悟は 然るべき時 然るべき場所
こちらのアドバンテージを確立した上で封印に臨む
決行は10月31日 渋谷」
2018年10月、特級呪霊による交流会の襲撃以降呪術高専内の緊張が高まる中、ついに内通者の正体が判明する。
果たして内通者は誰なのか、その目的とは―!?
そして、2018年10月31日。
ハロウィンで賑わう渋谷駅周辺に突如“帳”が降ろされ大勢の一般人が閉じ込められる。“一般人のみが閉じ込められる帳”という高度な結界術に加え、一般人を介して告げられた「五条 悟を連れてこい」という指名から、上層部は被害を最小限に抑えるために五条単独での渋谷平定を決定する。
罠を仕掛け待ち構える夏油や真人ら呪詛師・呪霊達、そこに単独で乗り込む五条、さらには“帳”の外側に集結した虎杖、伏黒、釘崎、七海、そして数多くの呪術師たち。
渋谷に集結した呪術師VS.呪詛師・呪霊の
かつてない大規模な呪い合いがついに始まる―!!
STAFF
原作:「呪術廻戦」芥見下々(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:御所園翔太
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:平松禎史・小磯沙矢香
副監督:愛敬亮太
美術監督:東 潤一
色彩設計:松島英子
CGIプロデューサー:淡輪雄介
3DCGディレクター:石川大輔(モンスターズエッグ)
撮影監督:伊藤哲平
編集:柳 圭介
音楽:照井順政
音響監督:えびなやすのり
音響制作:dugout
制作:MAPPA
主題歌
「懐玉・玉折」オープニングテーマ:キタニタツヤ「青のすみか」(Sony Music Labels)
「懐玉・玉折」エンディングテーマ:崎山蒼志「燈」(Sony Music Labels)
「渋谷事変」オープニングテーマ:King Gnu「SPECIALZ」
「渋谷事変」エンディングテーマ:羊文学「more than words」(F.C.L.S./Sony Music Labels)
CAST
虎杖悠仁:榎木淳弥
伏黒 恵:内田雄馬
釘崎野薔薇:瀬戸麻沙美
五条 悟:中村悠一
真人:島﨑信長
夏油 傑:櫻井孝宏
両面宿儺:諏訪部順一