「公開中止になる前に見てほしい」!? 今回もいろいろとやりすぎで爽快な『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』麻実麗役・GACKT&桔梗魁役・杏インタビュー
魔夜峰央のコミック原作、興行収入37.6億円のヒットを記録した映画『翔んで埼玉』の続編『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』が2023年11月23日(木・祝)より公開となる。
タイトルから察せられる通り、前作の舞台である埼玉を飛び出し、関西を巻き込んでスケールアップした今作。そんな中、今作からメインキャストとして登場するのが俳優の杏だ。“滋賀のオスカル”と呼ばれる滋賀解放戦線のリーダー・桔梗魁として、初めて男役を演じる。
今回は、前作から引き続き主人公・麻実麗を演じるGACKTと杏にインタビューを実施した。今作のオファーが来た際のキャスト陣の“心配事”を赤裸々に語ってもらった。さらに、「アニメや漫画に日常的に触れている」と話すふたりから最近ハマっている作品や人生で触れてほしい作品についても話を聞いた。
役者陣が心配するほどギリギリを攻めたシーン
――まずは、大ヒットとなった映画『翔んで埼玉』。その続編『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』への出演が決まった時の心境をお聞かせください。
GACKT:ボクは、お話が来た時に「もうやめましょうよ。リスクでしかないんだから」と断ったんですよ。「いや…」と言われましたけど(笑)。そのあとまた話が来たので、「(二階堂)ふみちゃんはなんて言っている?」と聞いたら、ふみちゃんも「やめましょうよ」と言っていると。やっぱり!と思いました。
「パート1が成功したんだから、たぶん大丈夫だろう」とみんな思っているかもしれないけど、1作目もかなりリスクの高いところでのスタートだったので、当たったのは運が良かったんですよ。役者の力とか関係なく、たまたま観客の皆さんに刺さっただけ。だから、「次は奇跡は起きないよ」と。それに、関西の人間を敵に回すことになると大変なんですよ……。
一同:(笑)。
GACKT:断って断って、最後は主要キャストのプレゼンをされました。「ダメでしょ。こんな人たちを巻き込んじゃ」「こんなに多くのキャストを巻き込んで、なんて傍迷惑な作品なんだろう」というのがボクの正直な感想です。その世界に杏ちゃんも引きずり込んでしまって、本当にすみません……。
杏:たしかに、コンプライアンスが厳しい時代に、よくここまで描けるなとは思いますよね(笑)。私自身、滋賀県には撮影で行ったことはあっても、滋賀県出身ではないので、“滋賀のオスカル”と呼ばれる人物を演じるなんて大丈夫なのだろうかと。「滋賀の人たちが受け入れてくれるかな」と少し心配でした。ちょっとした方言の違いでも気にされる方はいるので、出身者ではない役者が知らないままお芝居をして、不快な思いをさせていることがあるかもしれない。それを真っ向からやるのはどうなんだろうとは思いました。
とはいえ、以前ご一緒したことのある監督の武内(英樹)さんのつくる世界観、本気度はすごいなと感じていたんですよね。もう1回ご一緒したいと思っていました。
――キャスト陣がここまで心配している作品もなかなかないと思いますが(笑)、今作の撮影で「前作よりパワーアップしている」「これぞ『翔んで埼玉』だ」と感じたことはありますか?
GACKT:セットを見た時、「金かけすぎ。やりすぎ。悪ふざけにもほどがある。なんてことをしちゃったんだろう」と最後まで思っていました。
杏:エキストラの人全員分の衣装をつくっていて、すごいですよ。そういうのを見ているのが、現場に入って楽しかったことですね。通天閣周辺のシーンでは、実際にある企業のロゴが入ったお店で店員さんが働いているシーンがあったり。企業の皆さんも懐が深い……。
GACKT:もしくは無許可でやっている……。
杏:ははは(笑)。某有名映画を思わせるシーンとか大丈夫なのかなと心配です。見た後に、あのシーンの権利を持っているのがどの会社なのか調べちゃいましたもん。絶対に敵に回していい会社じゃないので……許可取りを演者が心配するという(笑)。それくらいギリギリを攻めていますよね。
GACKT:むしろアウトですよ……。あのシーン、話は聞いていたけど実際にどうなるかは知らなかったんですよ。完成したものを見たら、「これはダメだろう」と思いましたからね。キャストに飛び火しないうちに中止してください。あれは危険です。
杏:公開中止になる前に、皆さん早く見た方がいいと思います。ぜひ公開初週に見てもらいたい(笑)。
GACKT:いつ公開中止になるか分からないね。