肺が潰れたって叫ぶしか無いし、ただ進みゆくしかない。進め 進め 正邪の行進――5周年を迎えたReoNaが紡ぐ『アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】』EDテーマ「R.I.P.」ロングインタビュー
カップリング情報はあえて伏せて。
――今回のシングルでは、傘村トータ(LIVE LAB.) さんが作詞・作曲を手掛けたNHKみんなのうたの「地球が一枚の板だったら」がパッケージ化。ファンの方にはすでに馴染み深い曲となっていますね。
ReoNa:この春にたくさんお届けした楽曲だったので、今度はシングルに収録された曲として楽しんでいただきたいなと思っています。
――ライブを経て、ReoNaさんの中で「地球が一枚の板だったら」はどんな曲となりましたか?
ReoNa:「HUMAN」ツアーのセットリストの流れだったり、バンドの空気だったりもあったと思うんですけども、この曲の持つ温かさに涙を流してくださっている方がいたことが印象的でした。目が合ったときに笑顔でうなずいてくださったり、身体を揺らしてくださっていたり……<君>という言葉が入っている曲なので、一対一であなたに紡ぐことで、よりこの曲の持つ温かさを伝えられるのかなと思っています。
――カップリングのひとつに「VITA -The Days-」があります。
ReoNa:「VITA 」のもうひとつのバージョンです。『SWORD ART ONLINE Last Recollection(ソードアート・オンライン ラスト リコレクション)』を楽しんでくださった方にはサプライズになる曲になると思います。
是非最後までゲームを楽しんでいただけたら……。
――ゲームでも大役をReoNaさんにお願いしているということに、SAOシリーズ側からReoNaさんに対する信頼も感じます。
ReoNa:ここまで深く、同じ作品でこれだけの曲を歌わせていただけることって、本当にありがたいなと感じています。
――「VITA」のセルフカバーというより新曲といった雰囲気ですね。新たな命が吹き込まれている。
ReoNa:新曲として作ろうというのはひとつのテーマでした。今回のゲームは“命”にスポットが当たっていて。そういう意味でも、「VITA」の焼き直しではなくて……新たな命を吹き込むというのは意識していました。
言葉の響きも変わったなと感じていて。もともとの「VITA」とは、問いかけ感が違うというか……。
――今回の「VITA」は語り部のような印象を受けました。
ReoNa:「VITA」は決意表明のような曲ですけども、「VITA -The Days-」は語りかけるような曲になったなと思っています。今回は編曲を宮野さんにお願いしているんです。そして、「VITA」の編曲をされていた荒幡さんがプレイヤーとして参加しています。皆さんのお力を借りて、新たに「VITA -The Days-」が生まれました。
――「-The Days-」という言葉はどこから?
ReoNa:ずっと悩んでいたんです。SAOゲームシリーズのプロデューサー、二見さんと上野さんと一緒に考えて、お互いに意見を出し合って。最後、二見さんから提案いただいたのが「-The Days-」でした。
――命にスポットがあたった物語が「R.I.P.」と一緒に収録されているというのが、また面白いところですよね。
ReoNa:命の物語が続いています。小さい頃ずっと気になっていたことがあったんです。それが「死んだらどこにいくんだろう?」ってことで。無意識の世界に行くのか、別の場所に行くのか……。何にしても世界を観測する私自身がいなくなるってどういう感覚なんだろうなって。不思議で仕方がないんです。今、こうして自分が存在していることも不思議ですし。
――私はつい最近も考えていました。どこに行くんだろうって。ある意味、「地球が一枚の板だったら」も命の物語ですよね。
ReoNa:そうですね。角度は違えど、どちらも命の在り方のようなものを歌った曲になっていると思っています。
叶えられなかったものに対する藻掻きと絶望
――今お話に上がっていた3曲には、全て<世界>という言葉が入っていて。一方で、毛蟹(LIVE LAB.)さんが手掛けた「原作者」は、<「自分の人生」という作品の筆を折る時>という言葉から始まる通り。もう少し内省的と言いますか。
ReoNa:小さな穴が深く、深くあるようなイメージです。毛蟹さんの思い描く「原作者」には、いろいろな思いがあると思うんです。ある種「夢」に対して歌った曲だと捉えています。<夢では芸術家 あなたは建築家 誰もがドクター ロックスター>っていう、いろいろな職業が登場していて。
なりたいもの、それでもなれなかったものって、叶ったものよりも力があるんじゃないかなとも思うんです。変な喩えになってしまうんですけど、「結論」までいけていないものって、すごく心残りになるというか……。
――確かに。
ReoNa:叶わなかった理想・夢、最後の最後まで結論を見られなかった物語って、良くも悪くも呪いのように残っているなって。私も未だに自分の理想の自分にはなりきれていないところがあるので、その藻掻きや、産みたくても産めない苦しみというのも感じる曲になっているなと思います。
――それこそ原作者にとって産みの苦しみはつきものですが、産みたくても産めない苦しみというのもありますよね。
ReoNa:私からしたら、毛蟹さんが原作者であると思っているんです。
――私からすると、ReoNaさんも原作者のひとりですよ。
ReoNa:本当ですか……。私の場合は自分ですべての曲を書いているわけではないので……舞台にも近いような気がしています。原作者のクリエイターさんがいて、私はいかにそれを描ける役者であるかというか。それに伴っていろいろな舞台装置があって……そう考えた時に、毛蟹さんに対して「あなたは原作者だよ」って。
――この「原作者」の主人公は夢を叶えることができなかったんですかね。
ReoNa:なれなかったんじゃないかなと、私は思ってます。周りからなんて言われようと、自分がなれなかったと思っている以上は、そうなんだろうなと。でも、なれなかったからこそ、目指すし、憧れるし、夢でもある。
――ところで、ドクターって『アークナイツ』にかけてるんですかね?
ReoNa:きっと運命です。
――数奇な運命を引き寄せているんですね(笑)。それと、「原作者」って普段とは違うマイクを使っています? いつもとは違った響きのような気がしていて。
ReoNa:目の前で語っているようにといいますか、いつもとは全然違う響きになっています。マイクはいつもと同じものですが、リバーブというものが声にかかっていないんです。
――「R.I.P」のMVのマイクもいつもと違いましたよね。MVでスタンドマイクというのも、初めてだと思うのですが。
ReoNa:確かにスタンドマイクは初めてですね。マイクはSHURE SM7で、Red Hot Chili PeppersのMVで使われているとか、コーラス隊が使用しているマイクは、カーディガンズの「Carnival」のMVでも使われていた通称“クジラマイク”(SENNHEISER-MD421)なんだよ、とかスタッフさんが言ってました。スタッフみんな音楽好きだなと(笑)。
――<di-li-pa-pa du-pa-pa>(“ディリパッパ、ドゥパッパ” )というフレーズは、MVでも象徴的に扱われていますね。今回も振りが付いていて。
ReoNa:「シャル・ウィ・ダンス?」から引き続き、『METEORA st.』のゲッツさんに振り付けを入れていただきました。
――MVではバンドメンバーが女性ですよね。しかも実力者がズラり。
ReoNa:大先輩女性ミュージシャンさんたちに登場してもらいました。
――アートワークもこれまでになく作り込まれたものになっています。改めて「R.I.P.」のアートワークについてもおうかがいしていいでしょうか。
ReoNa:茨のジョーカーだったり、墓穴だったりというのは、新しい挑戦でした。
実はこの茨のチョーカーも植物で作ってもらっていて。確かカラタチ……。私としては、アーミアのアーツっぽいなという印象がありました。
もう一歩、強がれる自分で在りたい
――オフィシャルファンクラブ「ふあんくらぶ」会員限定のReoNa Acoustic Live Tour “ふあんぷらぐど2023”も残すところ2024年1月19日 KT Zepp Yokoham公演1公演となりました。今後のライブの予定についても教えていただけますか?
ReoNa:この記事が出る頃には、来年の春のアニバーサリーツアー『ReoNa 5th Anniversary Concert Tour “ハロー、アンハッピー”』も発表になっているはずです。このツアーはバンドセットでやらせてもらう予定です。アコースティックツアーを経てのバンドツアー。セットリストなどはこれから決めていく予定です。どんなライブになるのか、私自身も楽しみにしています。
――最後に、未来のことについてもう少しおうかがいさせてください。先程「自分の理想の自分にはなりきれていないところがある」とおっしゃっていました。今考えているReoNaさんの理想の自分とは?
ReoNa:考えていることはいっぱいあるんです。でも今、すごく強く思うのは……「強い自分になりたい」ということ。ただ、それは最終目標。その前に、「強がれる自分で在りたい」と思っています。
――強がれる自分、ですか?
ReoNa:はい。今はまだそこに到達できていなくて。昔と違って、今は弱い自分でも受け入れてもらったり、認めてもらえたりすると思うんですが……今はまだ、自分を守って生きているような感覚があるんです。だからこそ、昔のように強がっていられる自分で在りたいなと。
――それだけ今は守るべき人が増えたということですね。チームにしかり、ファンにしかり。
ReoNa:そうですね。だから「失うものがない」と思っていたころにできていたこと、言えていたことが言えていないところもあって。守るべきものができた自分を受け入れて、もう一歩、強がれる自分で在りたいなというのが、今の理想の自分です。
[インタビュー・逆井マリ]
ReoNa 8th Single「R.I.P.」商品情報
●初回生産限定盤(CD+DVD):1,980円(税込)
・「R.I.P.」Music Video・「VITA -The Days-」Music Video収録DVD同梱
・撮り下ろしフォトブック同梱
・トールケースサイズ三方背スリーブケース仕様
●通常盤(CD):1,320円(税込)
●期間生産限定盤(CD+DVD):1,760円(税込)
・TVアニメ『アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】描きおろしイラスト使用ミニポスター
・TVアニメ『アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】描きおろしイラスト使用三方背ケース付
・TVアニメ『アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】ノンクレジットエンディング映像収録DVD同梱
CD収録内容
M1.「R.I.P.」
作詞:ハヤシケイ(LIVE LAB.) 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:毛蟹(LIVE LAB.) ブラスアレンジ:宮野幸子(SHANGRI-LA INC.)
M2.「地球が一枚の板だったら」
作詞:傘村トータ(LIVE LAB.) 作曲:傘村トータ(LIVE LAB.) 編曲:小松一也
M3.「VITA -The Days-」(初回・通常盤)
作詞:毛蟹(LIVE LAB.)、ReoNa 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:宮野幸子(SHANGRI-LA INC.)
M3.「原作者」(期間盤)
作詞:毛蟹(LIVE LAB.) 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:毛蟹(LIVE LAB.)
M4.「R.I.P.」-Instrumental-(初回・通常盤)
M4.「R.I.P.」-TV ver-(期間盤)
CD店舗購入特典情報
☆オリジナル特典:ReoNa絵柄オリジナルポストカード
『ReoNa 5th Anniversary Concert Tour “ハロー、アンハッピー”』概要
5/18(土)戸田市文化会館(埼玉)OPEN 17:00 / START 18:00
5/19(日)戸田市文化会館(埼玉)OPEN 16:00 / START 17:00
6/8(土)NHK大阪ホール(大阪)OPEN 17:00 / START 18:00
6/9(日)NHK大阪ホール(大阪)OPEN 16:00 / START 17:00
6/15(土)BLUE LIVE HIROSHIMA(広島)OPEN 17:00 / START 18:00
6/16(日)高松 festhalle(香川)OPEN 17:00 / START 18:00
6/21(金)SENDAI GIGS(宮城)OPEN 18:00 / START 19:00
6/23(日)サッポロファクトリーホール(北海道)OPEN 17:00 / START 18:00
7/6(土)Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(愛知)OPEN 17:00 / START 18:00
7/14(日)福岡国際会議場(福岡)OPEN 17:00 / START 18:00
7/15(月・祝)鹿児島 CAPARVO HALL(鹿児島)OPEN 17:15 / START 18:00
※全席指定/全自由 ¥8,200(税込)
※一部、ドリンク代別途
※6歳以上チケット必要
※未就学児童入場不可
ReoNa5th Anniversary 「Hello,UnHAPPY 〜出逢ってくれてありがとう〜」フェア
実施期間
【Winter】:2023年12月1日(金)〜2024年2月29日(木)
内容
- ReoNa 関連商品購入でオリジナルポストカードプレゼント決定!
- ReoNa スタンプラリー&プレゼントキャンペーン
- "ReoNa 5th Anniversary 衣装展 -Winter- 開催!
- "ReoNa 5th Anniversary パネル展 -Winter-" 実施!
- "ReoNa5th Anniversary "Winter” SNSキャンペーン実施!
詳細は下記URL参照
https://www.sonymusic.co.jp/artist/ReoNa/info/558488