アニメ『おおきく振りかぶって』がYouTubeで無料公開中! 代永翼さんや中村悠一さんなど今をときめく声優陣が多数出演していたのを知っていましたか? 作品の魅力をご紹介します!
高校野球をテーマにしたひぐちアサ先生の漫画『おおきく振りかぶって(通称:おお振り)』。本作は今年で連載開始20周年を迎え、それを記念して2007年と2010年に放送されたアニメ全38話がYouTubeで無料公開されています。
高校時代『おお振り』にドハマりしていた筆者にとって本作はまさに青春そのもの。アニメを見返すとOP主題歌を聞くだけで涙腺が緩むくらいすっかり大人になってしまいましたが、やっぱり『おお振り』は面白い。今の若者にも見てほしい。
そこで本稿では、『おおきく振りかぶって』の魅力をご紹介! メインキャストは高校生当時も把握はしていたものの、改めて見返すと声優陣の豪華さにも驚きました。13~15年ほど前の作品ということもあって、今をときめく人気声優も大勢出演しているのです。
あらすじ
主人公の三橋簾は、気弱ですぐに泣くピッチャー。その理由は、中学時代の部活で理事長の孫ということで贔屓でエースになっており、そのことをわかっていてもマウンドを降りず、チームメイトに嫌われ、酷い扱いを受けていたから。
自分のせいでチームは負け続けていた、みんなから楽しい野球を奪った、そんな罪悪感から三橋は自信を失いすっかり人間不信に陥ってしまったのでした。そんな環境と決別するため、中学卒業後は県外の公立高校・西浦高校に進学します。
野球を辞めるつもりだったものの未練を断ち切れず、自然と足は今年から発足したばかりの野球部のグラウンドへ。そこで出会ったのは1年生ばかりの新入部員たちと女性の監督。野球では無名の西浦高校で、三橋は図らずもまたエースを任されることになるのでした。
『おお振り』の魅力
ダメ投手から本物のエースに! 主人公・三橋の成長物語
数ある高校野球作品との大きな違いは、主人公の三橋がとにかく気弱で自己肯定感が低いこと。ピッチャーといえば、明るく活発なキャラクターであることが多く、高校野球作品はそんな人物が主人公として作品を引っ張るイメージが強いと思います。
しかし、三橋はその真逆をいくキャラクター。自信なんてまるでなく、常にオドオドしており、挙動不審。キャッチャーに話しかけられるだけでビクビク、話すことで相手に嫌われるのではないかという恐怖で話すときも吃り気味です。
そんな気弱な三橋が変わるのはマウンドの上。とにかく投げるのが好きな三橋は、マウンドに立ち続けることに異常なまでの執着心を持っています。そのため、周囲が嫌がっているとわかっていても中学時代に自分からマウンドを降りなかったのです。
自分のことをダメ投手だと思っていた三橋ですが、捕手・阿部隆也との出会いによってそれは一変。球速は遅いものの、抜群の制球力を持つ三橋に、阿部は大きな可能性を見いだします。
自分の投球を活かす阿部のリード(配球)、中学時代にはなかったチームメイトの温かさ、そして部活でのトレーニングで、少しずつチームメイトとの関係を築き、野球の面でも人としても成長していく三橋の成長が本作の大きな見どころです。
部員は1年生のみ、監督は女性! チーム全体の成長も見逃せない!
成長するのは三橋だけではありません。何しろ西浦高校野球部は今年発足した(正しくは軟式野球部から硬式野球部になった)ばかりで、部員は1年生10人だけなのです。伸びしろしかない彼らの成長も見逃せない注目ポイントのひとつ!
中でもぜひ注目してほしいのは、主将の花井梓。チーム1の長身で、中学では四番を打っていた実力の持ち主です。彼は、小柄ながらチーム随一の野球センスを持つ田島悠一郎をライバル視しています。その実力差にもがきながらも練習を重ね、成長していく姿には胸が熱くなること間違いなしです。
また、高校野球作品には珍しい女性監督・百枝まりあ(通称:モモカン)もなかなかの強烈キャラ。統率力や指導力に優れていることに加え、ノックの腕前もピカイチ、肩を作らなくても120キロの球速を誇るなど、その実力は確かなもの。第1話では甘夏を片手で握りつぶし部員たちを慄かせています。とにかく野球部が大好きで、アルバイトで貯めた200万円を野球部につぎ込む熱の入れようです。
そんな西浦高校野球部が見せるチームとしての成長や試合での活躍は視聴者の心を掴んで離しません!
スポーツ科学を取り入れた斬新な練習方法が面白い!
三橋のキャラもあってか、本作にはいわゆる「スポ根」的な要素がありません。根性論の代わりに本作で描かれるのはスポーツ科学を取り入れた練習です。
例えば、第1期2話~3話の合宿ではスポーツで重要な脳内ホルモンを食事を通して鍛えたり、ランダムに数字を書いたパネルを使って瞬間視を鍛えたりと一見野球には関係ないような科学的なトレーニングを行っています。
このようなスポーツ科学に基づく練習が本作にはたびたび登場。無駄がない効率的な西浦の練習はとても現代的でユニークに感じられます。そんな面白さもぜひ味わっていただきたいポイントです。
声優にも注目!
主人公・三橋簾 役・代永翼さん
主人公である三橋役を務めるのは、『アイドリッシュセブン』の和泉三月役や『弱虫ペダル』の真波山岳役などで知られる代永翼さん。なんと本作が初主演作です。
代永さんは第1期放送前年の2006年にデビューしたばかりでありながら、独特なキャラクターの三橋を見事に演じています。弱気なのにどこか芯の強さを感じさせるお芝居は見ものです!
頭脳派の捕手・阿部隆也 役・中村悠一さん
理論的に配球を考える頭脳派捕手・阿部隆也役を演じているのは、『呪術廻戦』の五条悟役や『おそ松さん』の松野カラ松役などで知られる中村悠一さんです。
中村さんと言えば落ち着いた声の印象が強い方も多いかもしれませんが、阿部は本作の中でも感情の起伏の激しいキャラクターで、リードしているときの落ち着いたモノローグに対し、三橋にイライラして声を荒げたりする他、泣いたり照れたりすることも。
最近の中村さんでは珍しい、高校生らしい幼さを残したお芝居にぜひ注目してください。
抜群の野球センスを持つ田島悠一郎 役・下野紘さん
西浦イチの野球センスを持つ田島悠一郎役は、『鬼滅の刃』の我妻善逸役や『うたの☆プリンスさまっ♪』の来栖翔役などで知られる下野紘さんです。
田島は頼れる四番であり、明るく天真爛漫なキャラクターはチームのムードメーカーでもある存在。大家族の末っ子だからか普段は年齢よりも幼い印象なのですが、野球となると一気に真剣モードになり攻守ともに大活躍します。格好良さと可愛さを併せ持つ田島を下野さんは見事に演じています。
頼れるキャプテン花井梓 役・谷山紀章さん
1年だけのチームでキャプテンを任された花井梓を演じるのは、『進撃の巨人』のジャン・キルシュタイン役や『うたの☆プリンスさまっ♪』の四ノ宮那月役で知られる谷山紀章さんです。
田島にライバル心を燃やしながら懸命に練習に打ち込む花井は、その心の葛藤も描かれることが多く、つい応援したくなるキャラクターのひとり。そう感じさせるのは谷山さんのお芝居があってこそです!
泉孝介 役・福山潤さんはまさかの二役!
三橋、田島と同じクラスのチームメイト・泉孝介役を演じているのは、『コードギアス 反逆のルルーシュ』のルルーシュ・ランペルージ役や『おそ松さん』の松野一松役などで知られる福山潤さんです。
泉は第1期後半から存在感を出してくるキャラクターなのですが、だからなのか福山さんは本作で美星学園の織田裕行役も担当しています。容姿も性格も喋り方も全く違う2人をぜひ聞き比べてみてください。
こんな人気声優たちも出演!
上記以外にも、木村良平さん、宮野真守さん、日野聡さん、梶裕貴さん、岸尾だいすけさん、杉山紀彰さんなど今をときめく人気声優たちが多数出演しています。誰がどの役か、探してみてくださいね!