小学生が対象の声優養成所「81キッズ」を体験した西山宏太朗さんにインタビュー|考えて、理解する力を養うレッスンに感心! 小学生たちのまっすぐな表現、レベルの高さに「ありがとう」
絵本朗読では、西山さんと1対1で朗読も。「この年齢の時にしかできない表現の完成形かも」
――次は「低学年クラス」に合流して、猫が主人公の絵本朗読を体験しました。
西山:朗読をする前に、みんな元気にあいさつしてくれたのが嬉しかったです。尾田木(美衣)さんがみんなに「呼んでほしい呼び方を教えて」とお願いしたら、ニックネームや愛称を教えてくれて、みんなかわいすぎて、僕はもうキュンキュンでした(笑)。いつになってもあいさつや礼儀が大切ですが、「よろしくお願いします」とか「ありがとうございました」など、毎回きちんと行うことが習慣づけられるのもいいですね。
みんなの朗読も1つの完成形が見られた気がして。「この年齢だからこの表現ができるんだな」と感じました。深く考えずにセリフを発していますが、尾田木さんから「ねこがパッと出てきた時なんだよ」などヒントが出たら「どんなことを言うかな?」とすぐに想像して言葉にして。どれもすごくまっすぐでいい表現をしているなと思いました。
また生徒全員と1対1対の掛け合いをさせてもらいましたが、みんな表現が違うし、ちゃんとやりたいことやイメージしているものがわかるんですよね。
――子供の頃からプロの声優と1対1の掛け合いができるなんて、貴重ですよね。
西山:みんな、よく緊張しなかったですよね。あんなにのびのびできていて、僕も見習いたいです(笑)。
――朗読の合間や終わった後に、生徒が西山さんに話しかけている姿も、もはや友達みたいな感じでした。
西山:しっかりした部分もあれば、年相応の部分もあって、アットホームでいいなと思いました。
――レッスン体験の最後は、「高学年クラス」に戻って、感情を擬人化したお話の朗読を一緒にやりました。
西山:みんながすごく研究してきていることが分かりました。「このセリフはどんな声量で、どんな表現をすればナチュラルに聞こえるのか」とか、事前に一生懸命に練習して、考えてから今日のレッスンに臨んだのだろうなと伝わるお芝居をしっかりしていて、レベルが高いなと。
あと裕さんがセリフを話す時、お互いにどんな距離感で話しているのかを意識することの大切さを話されていましたが、説明しなくても掛け合いをしていく中で一緒にすり合わせていく楽しさを僕も感じることができました。
また「ここにどうして句読点が入っているのかな?」とか「この言葉が入っている意味って何だろう?」と考えたり、疑問に思うことが大切で。裕さんも「言葉を大切にしようね」と常々おっしゃられていましたが、作者や役の気持ちを考えるということは、自分以外の人を思いやれることにもつながるし、みんなもそれができていて。表現も素敵だったので、みんなきっと国語の点数が高いんでしょうね(笑)。
――西山さんが朗読に加わった時、演じられた怒りの感情の役は、「低学年クラス」の時と違って、強めの音圧や表現だったと思いますが、あんなに身近で聞けることも貴重で。
西山:冒険することって大事ですよね。パッと台本を見た時に「こういうふうに言うんだろうな」と思って、やったところで終わりではなくて。「このセリフに『!』が付いているけど、それは心の中で。言葉に出す時はそんなに大きな声を出さなくてもいいかもしれない」と考えて、試してみる。そんな冒険をみんなにしてもらいたくて。だから僕も「ここはあえて大きな声出してみよう」と思ってやってみました。たぶん僕が今までやってきたキャラクターとは違う表現だったので、「人によってこんなに表現の仕方が違うんだ」と感じてもらえていたら嬉しいです。