尾上右近さん、立花慎之介さん、梶裕貴さんが異色のコラボ！　歌舞伎俳優＆声優の異文化交流で互いの業界の裏話、役者論を語り合う｜「歌舞伎×アニメイト 錦秋特別トークショー　いざや、語らん！」レポート

サブカルチャーの新たな拠点として、官民で世界にアートやカルチャーの魅力を発信しているHareza池袋。2023年11月3日〜12日までの期間、オープン4周年を記念した「ハッピーアニバーサリーフェスティバル」が開催され、カルチャーに関する7つのコンテンツが届けられました。

中でも、11月8日にアニメイトシアターで開催された「歌舞伎×アニメイト 錦秋特別トークショー　いざや、語らん！」では、若手歌舞伎俳優の尾上右近さん、声優の立花慎之介さん、梶裕貴さん、MCのニッポン放送アナウンサー吉田尚記さんによる“古典芸能×ポップカルチャー”のコラボが実現！

業界を代表してステージに上がった右近さん、立花さん、梶さんは約60分にわたって自身の業界話を語り合い、集まった観客に濃厚な裏話の数々を届けました。

未だかつてない異文化交流！

司会の吉田さんが未だかつてないイベントの始まりを告げると、右近さん、立花さん、梶さんが登壇。3人はどんな雰囲気でトークを進めていくのか気になるところですが、事前の打ち合わせがほとんどなかったことを梶さんが暴露すると、異色の組み合わせだからこその自由なトーク展開を期待させました。

　
そんな3人は互いの業界に興味津々！　中でも、声優はもちろん、声優事務所経営、漫画原作などにも携わる立花さんは、“異文化に触れることで新たな発想を得られる”という考えのもと、今回のイベントでは歌舞伎から新たな発想を得たいと宣言しました。

そんな立花さん、さらに梶さんから歌舞伎や歌舞伎俳優についての質問が続々。初めて観るにあたってのおすすめを聞かれた右近さんは、歌舞伎には単体で楽しめる舞踊作品から、見どころだけを集約した見取狂言といった公演のバリエーションの豊富さを熱弁。加えて、通常は様々な物語を二幕通しで観るところ、一幕だけを安価で観ることができる座席も販売されていることを紹介。これに梶さんは、最初は“日本の伝統芸能”という敷居の高さを感じたものの、ひとつのエンタメとして身近な存在であることを客席に訴えました。

　
3人は役者目線で互いの業界についてトーク。同じ役を代替わりして引き継いでいく歌舞伎の世界では、役は代々演じてきた先輩に教わり、演じていく中で自分ならではの役に仕上げていくんだとか。対して声優は基本的に一役ひとりという大きな違いがあります。しかし、立花さんは『DD北斗』で神谷明さんからケンシロウ役を引き継いだ際、同作にリュウケン役として神谷さんが出演していることから、直接当時の演技方法を聞いたというレアパターンを紹介！　それぞれの業界の裏話を登壇者、観客は興味津々に聞き入っていました。

　
歌舞伎俳優と声優の違いはまだまだ。歌舞伎俳優特有の短い稽古期間の大変さ、観客との距離感の近さゆえの暴露話が右近さんから飛び出すと、歌舞伎、アニメ両ファンが集まる会場に大きな笑いが起こる場面も。また右近さんから声優陣に“声優ならではの悩み”についての質問が。これに梶さんは、1日に7、8役演じることがあるがゆえに切り替えの難しさがあると回答しますが、一方の立花さんはそんなに悩みがないそう。梶さんからツッコミが入りつつ、年々台本が覚えられなくなっていると笑いを誘いました。

異色の組み合わせながらも同じ役者として熱い演技論が繰り広げられた約60分。3人は歌舞伎・声優界に強い関心を示すとともに、次回の開催を切望しながらイベントを締めくくりました。