冬アニメ『月刊モー想科学』連載第5回:タロー役・石井孝英さん×ジロー役・山本和臣さん|「6話で物語が大きく動いてある謎も解けます!」
オリジナルTVアニメ『月刊モー想科学』が、TOKYO MXほかにて2024年1月11日より放送中。本作の舞台は、とある国にある街・モーストシティ。この街にある古びたビルの2Fには、『月刊モー想科学』を発行する小さな出版社が。
『月刊モー想科学』は奇想天外で「も~びっくり!」な事件、科学者でも「も~無理!」なオーバーサイエンスな現象を記事にしている科学雑誌で、スタッフは美人編集長と編集者のタロー・J・鈴木に加え、アシスタントの小学生ジロー・田中と犬のサブローがいるのみ。そんな編集部に、ある日、科学者のゴロー・佐藤が「世界の歴史を塗り替える、ものすごいネタ」を売り込むために訪れたことから、奇想天外な物語が始まる……。
アニメイトタイムズでは、本作メインキャストのインタビュー連載を実施! 第5回は、タロー役・石井孝英さんとジロー役・山本和臣さんに4、5話を振り返ってもらいつつ、お互いのキャラクターの印象について語り合っていただきました!
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主人公らしさはないけど、本作の方向性を導いているのはやっぱりタローさん
――5話ではホワイトペガサス社の社員・パーチがモータリアンの姿に変身。同じくホワイトペガサス社のノインと力を合わせた攻勢に、虎タローは負けてしまいました。幽霊のやすこが登場した4話も含めた、印象に残っているシーンを教えてください。
ジロー役・山本和臣さん(以下、山本):まず、4話は檜山(修之)さん。
タロー役・石井孝英さん(以下、石井):「檜山さんキター!」と思ったら、すごくイケオジを演じられて、颯爽とアフレコ現場を後にされて(笑)。すごくカッコよかったですよね。
山本:カッコよかった! 物語的には、タローさんがようやくまともに喋れる女性の方が現れた! と思ったら……。
石井:幽霊だったという……。ヌッシーという既視感のある存在といい、ようやくオーバーサイエンスらしい展開がきたと思いました。
山本:やすこちゃんとタローさん、いい雰囲気だったのに! でも、やすこちゃんが意外と強靭で驚きました。ヌッシー捕まえるために竿代わりに銛(もり)を持って船をこぎ出すあの姿が忘れられないです。
石井:パワーで解決しようとする。
山本:銛を持っていることには誰もツッコまないというね(笑)。おかしいでしょ! 見ている方々にも、同じようにツッコんでもらえていたらいいな、と思う回でした。
石井:ノインのモータリアン姿も印象的でしたね。
山本:理性があったよね。
石井:そう! タローはずっとガオガオ言っているのに……。理性を持ったまま変身できる存在もいるという、新たな発見もある回でした。
――では、5話で印象に残っているシーンも教えてください。
石井:変身したパーチとノインにコテンパンにされてしまうタロー。今後、どういう展開になっていくのか、気になる回でした。
山本:という物語的な動きがありつつも、やっぱり笑える回でもありました。
石井:ですね(笑)。リョーマ役の岡本(信彦)さん が、音響監督の納谷(僚介)さんから「もっとやっちゃっていいですよ」とディレクションを受けていたんです。その後の弾けっぷりがヤバかった! テストと本番での芝居の差がすごくて、笑いを堪えるのに必死でしたね。ロベルトコーチは渋かったです! 平田(広明)さん のお声に痺れました。
山本:リョーマさんは意外とあっけらかんとした人だったよね。虎に変身した後のタローさんも、どんどん面白要員になってきた気がする。吠え方のバリエーションも3話のミュージカル回を経て、増えてきたよね。
石井:そうなんです! 理性がないはずなのに意外と空気を読んでミュージカルをやったり、ペアスケートみたいなことをやったり。それに合わせて、吠え方も色々と変えているんですよ。現場でも「もっとやっていいよ」というディレクションがあったので、ノリノリで吠えさせていただきました(笑)。
――ゲストキャラクターの声を担当される方々も毎回楽しみです。
石井:今後も期待していてください!
――続いて、お互いが演じるキャラクターの印象について教えてください。
石井:ジローって、大人ぶりたいけど、好奇心を抑えられない気持ちとかがにじみ出ている子なのかなって。基本はクールだけど、タローに「本当は楽しんでいるんじゃないの?」と聞かれて焦るなど、年相応のかわいらしさも垣間見えるキャラクターだなと思っています。和臣さんのお芝居は、子供のかわいさがありながらも、ただの子供じゃない感も漂っていて。冷静にツッコむところと、焦ってかわいらしい一面が出てしまうところの演じ分け方も絶妙で、さすが先輩だなと思いながら掛け合いをしていました。
山本:そう思ってもらえていたなら、何よりです。タローさんは基本的に気が抜けているし、夢は「寿退社」で「専業主夫」という主人公らしくないキャラクターですが、でも本作を引っ張っているなと感じていて。話の進行をするのはゴローさんなんですけど、コメディ作品である本作の方向性を導いているのは、タローさんだと改めて本編を見て思いました。そういう意味で、やっぱり本作の主人公はタローさんなんですよ。
石井:自分が褒められているようで、何だか嬉しいです!
山本:アフレコでは、タローさんがツッコみやすい素振りを見せてくれるので、もう身を任せて掛け合うことができました。バリエーションに富んだ反応をしていて、それを聞いているのが楽しいです。
石井:ありがとうございます!
――タローとジローはいいコンビだなと思いますが、ジローはタローの婚活が上手くいかなかったらちょっと嬉しそうな素振りを見せますよね。石井さん・山本さんから見て、ふたりがどういう関係に見えますか?
石井:もう家族に近い関係な気がします。
山本:僕個人の意見としては、今までずっと一緒にいるのが当たり前だったから、タローさんが本当に寿退社して繋がりがなくなっちゃうのが嫌なのかなと思っています。
石井:確かに。タローが仕事を辞めると言ったら、もう会えなくなるのではという不安があるのかも。
山本:一緒にいるのが当たり前、という気持ちがあるんでしょうね。でも、それを一切ジローくんは口には出さない。とは言え、彼はちょいちょい態度がおかしいところがあるので、ふたりがどういう関係なのかは、見ているみなさんに判断を委ねたいと思います(笑)。
――アフレコ現場はどんな雰囲気でしたか?
石井:和臣さんがゲストキャラクターの声を担当する先輩方に「どういう作品なの、これ」って聞かれて、いつも説明されていたのが印象に残っています。
山本:オリジナル作品って、スポットで出演される方々は雰囲気を掴みづらいと思っていて。本作は特にストーリーがぶっ飛んでいるので、ゲストキャラクターを演じるみなさんは分からないことだらけだと思うんです。なので、なるべくゲストキャラクターを演じる方の近くに座って、「いろいろやって大丈夫ですよ。ギャグなので!」と話しかけるようにはしていました。