ビルディバイド応援大使・井上 和さん(乃木坂46)×青山吉能さん(『ぼっち・ざ・ろっく!』後藤ひとり役)スペシャル対談|表現者として「やっててよかった」と思う瞬間【アニメイトタイムズ特別企画 第2弾】
「やっててよかった」と思う瞬間
――ふたりとも表現者という共通点はあれど、アプローチの方法は違っていて。その経験から得た学びや成長、また苦労した点というのはどのようなところに感じられていますか?
井上:私は右も左もわからないところからはじまって。既にあるゴールに到達しなければいけないというのが振り返ってみると苦しかったことでもありますね。
でも先輩が目の前でパフォーマンスや姿勢を見せてくれるので、学ぶ材料はたくさん多くて。楽しくもあり、ありがたくもあり。先輩たちの背中を見ながら「早く追いつかなきゃ」と思っていました。それは苦労した点と言えるかも言えるかもしれません。
――青山さんはいかがですか?
青山:声優の難しい部分で言うと「なんでもできないと始まらない」という部分ですかね。キャラクターとしてのライブや、ファンの方との交流の機会、テレビ番組への出演と、お芝居だけではない部分も多い。
当初は「声の芝居を突き詰めることが声優なんだ」と思って志していたんですが、最初のレッスンがダンスで、衝撃を受けました。何度ボイコットしてやろうかと思ったんですけど(笑)、今となっては全ての経験が糧になっています。声優をやりながらいろんな夢を持つことができるのでいい職業だなと思います。
――演じること自体が何にでもなれるということですもんね。おふたりは声を吹き込む時やステージに立つ時っていうのは、ある種、勝負でもあると思うんですけど。その際に意識されていることはありますか?
青山:私の場合は、自分ではないものに声を吹き込むのが楽しいんです。自分は天才だと思っていた時期が長いので、それに伴って、挫折の数も多かったんです。だから自己肯定感が凄く低くて。何者かになるということは、嫌な自分から脱することでもあるじゃないですか。
こんな私だけど、ギャルにだって、聡明なキャラクターにだって、天才ギタリストにもなれる。自己肯定感が低いからこそ、役が愛おしく感じて向き合う時間も苦じゃないんです。
――青山さんのやりがいであり、生きがいでもある。
青山:そう。休日とかどうしていいか分からないんです。ずっと天井の柄を見てます。
――天井の柄(笑)。
青山:台本があったほうが心が紛れますね。
――井上さんはどうですか?
井上:今、青山さんのお話をうかがいながら……理想のアイドル像や、生き方というのは真反対のところにあるなと感じていました。アイドルはみんな可愛くて、何でもできる人の集まりで。私は何をやっても平均的で、突出したものがなかったんです。だから自分を責めてしまう時期もありました。誰しも経験があると思うんですけどね。
でも、ステージに立っている時には欲が出てしまうんです。「私を好きになって欲しい、認めてもらいたい」という気持ちは、ステージ上では強く現れると思っていて。だから、ライブの前や楽曲と向き合う際には、今持っているものや悔しい気持ちを踏まえた上で「今の自分に何ができるのか」と、自分と向き合っているような感覚があります。
だからこそ、自分の好きじゃない部分から目をそらさないでステージに立ってみて、ファンの方から褒められた時に、アイドルやっていて良かったなって思うんです。
青山:うんうん!
井上:アイドルにもいろいろ形があって、曲に入り込んで、(曲の)キャラクターになりきるタイプもいると思うんです。私は、自分に自信があるわけじゃないけど、自分のままでステージにふさわしくありたいなと思います。わがままなんですけどね(笑)。
青山:最高です……!
井上:ありがとうございます。今は少し前に進めたというか……自分の新しい一面が見えたなという感じです。乃木坂46の加入前より、自分のことをちょっとは好きになれたかな。
――青山さんが仕事をやっていて良かったなと感じる瞬間はどのような時ですか?
青山:それこそ、ファンの方からの声が嬉しいです。また、制作のスタッフさんや原作の先生から「青山さんにこの役を任せて本当に良かったです」と言われることもよろこびですね。アニメーションの制作の中で、私の仕事って本当にちっぽけというか……「ただ喋っているだけじゃん」って言われたらほんとその通りなんですよ。シナリオを作って、絵を描いて、音楽を作って、それを取り仕切って……という、たくさんの仕事の中のひとつなんです。
でも、作品が発表されてフィーチャーされるのは声優なんです。そういう中で、スタッフの方や原作の先生から「青山さんで良かった」と言われるのは、もう……あ、これも葬式で流したいです。いろんな方からの「青山さんで良かった」をかき集めて、お経のようにリフレインさせたいです(笑)。それくらい私にとっては至極のひと言ですね。
『ぼっち』のカードを引きながらトーク
――ではここからは『ビルディバイド -ブライト- ブースターパック ぼっち・ざ・ろっく! BOX』を開封しながらトークしていけたらなと……。
青山:やったー! 開け放題ですか?
――はい! 青山さんはすでに一度ご開封経験がありますけども(笑)。
青山:はい(笑)。いや〜ほんとにね……奇跡が起きてるので見ていただきたいです。
青山:(袋を開けて)う〜ん、ぼっちちゃんの変顔ばっかりですね。あ! スーパーレアですって! ……というか、ぼっち、まともな顔しているのが少ない。
井上:でも可愛い〜!
青山:「武道館をも埋めた女 」だって。埋めてないよ!(笑)
――(笑)。おふたりはカードゲームのご経験は?
井上:私、実はやったことがなかったんです。
青山:私もそうなんです。ゲーム類がダメな家だったんですけど、兄は小学校の同級生から密輸入していて(笑)。それがバレて、ある日、食卓にドンってカードが出されて、親に詰められていて。その時にカードゲームの存在を知りました。
それにしてもレアカード、全然出ないかも 。でもここでシークレットなんて出したらヤラセを疑われる気がするな〜。あ、スーパーレアプラスが出ました! めちゃキラキラしてる !
井上:ホントだ〜、凄い!
青山:自分のキャラがカードゲームになるってすごくうれしいんですよね。井上さんなんてご自身がカードになるんですもんね。
井上:お話を最初に聞いた時はビックリしました。「どういうことだ?」「アイドルとカードゲームってどうやるの?」って(笑)。でも、ファンの方も親しみやすそうだなって。グッズや生写真をコンプリートしている方もたくさんいるので、コレクションが好きなファンの方は喜んでくれるかもなって思いました。
青山:うんうん。ファンの方が推しのカードが当たって喜んでくれることもあるだろうし、純粋に強いカードが出てうれしそうにしてくれることもあるだろうし。アニメのカードの場合は、ひとつひとつシーンを思い出しながら眺めるのも面白いです。
井上:実際眺めるだけでも面白いです! 最近は眺めるだけじゃなくて、ちょっとずつルールを覚えています。応援大使としてのお仕事の一環でゲームを遊ぶ時にも、メンバーみんなで勉強しました! みんなで遊んだときは、なんだか不思議な感覚でした。メンバーの名前を呼びながら「アタック!」って(笑)。
青山:確かに、メンバーを出し合うって考えると面白いですね。あ――なかなかいいカードが引けない! このままだとずっと袋を開けてしまいそうなので、今日はここまでかな?(笑)