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『キングダム』呂不韋の最後に迫る!実際の死因とは?

『キングダム』呂不韋の最後はどうなった? ファンの間でも意見が分かれる「生存しているのか?」について史実も参考に呂不韋の謎に迫りました

『キングダム』は、中国の戦国時代末期(紀元前245年頃から)を舞台にした、週刊ヤングジャンプで連載中の原泰久先生の漫画作品です。主人公は、信(しん)と、中華統一をめざす若き秦王・嬴政(えいせい)。彼らを取り巻くたくさんのキャラクターも魅力的です。
 
ここでは、呂不韋(りょふい)の最後に迫り、その謎解きに挑戦してみたいと思います。
 
※『TVアニメ キングダム 第5シリーズ』2024年3月現在放送中のエピソードよりも、後の部分の考察を含みます。アニメで追われている方にはネタバレとなりますので、ご注意ください。
 
 

目次

『キングダム』呂不韋とは?


 
  
呂不韋は、秦の権力トップの座である宰相(さいしょう、相国(しょうこく)とも呼ばれる)です。
 
物語開始時、後の始皇帝となる政(せい)は年少のためお飾り同然。実際の最高権力を握っているのは呂不韋です。さらに、政をしりぞけるような動きも見せる油断のならない存在です。宮中は“政 派”と“呂不韋 派”にわかれており、勝って権力を手中におさめるか、負けて亡き者にされるか。まさに生きるか死ぬかの政争が繰り広げられていくことになるのです。
 
アニメで呂不韋を演じていらっしゃるのは玄田哲章さん。映画では佐藤浩市さんが演じていらっしゃいます。
 
 

呂不韋の最後はどうなった??

 
 
呂不韋といえば、その最後です。呂不韋は政争に負け権力の座から追われることになるのですが、その後のシーンでは、呂不韋が自ら毒をあおって死亡している全身像が描かれた後、死んだはずの呂不韋と思われる人物が、生きていて馬車で愛妾とともに河南を出ていく場面が描かれます。
 
呂不韋は死んだのでしょうか? それとも、生きているのでしょうか?
 
『史記』には、
 
〈呂不韋は、かえりみて自分の権勢がしだいに侵され、結局は殺されることになろうと、酖毒(ちんどく)をあおって自殺した「呂不韋列伝」〉
〈十二年、文信侯(ぶんしんこう)呂不韋が死に、ひそかに葬った「始皇本紀」〉
 
とあり、史実では呂不韋がここで死んだことは間違いなさそうです。
 
これを強く踏まえて『キングダム』を読むと、毒を飲んで呂不韋は死んでいる、でももしかして、例えばだけれど、生きている想像もできるよね、というぐらいのニュアンスで脱出の場面が描かれた……。そんな解釈になりそうです。
 
しかし、『キングダム』を素直に読めば、呂不韋は生きのびたという解釈になるのではないでしょうか。自殺した姿は替え玉で、本人は脱出に成功。今後もしぶとく生き続けるというわけです。呂不韋の性格を考えると、そう簡単に死ぬような人物には思えませんよね。
 
ただし、政に復讐するとか反乱を起こすとかいった考えはないと思われます。政との最後の会話の中で、「政の天下統一を見届けたい」と言っていますし、政に対しての感情が他人以上のものである様子が見られるからです。
 
ではなぜ、呂不韋の最後はこのような解釈のわかれる描かれ方となったのでしょうか?
 
 

「奇貨居くべし」

この疑問を解くために、物語より前の出来事、呂不韋の出世過程を史実も参考にしながら抑えていきたいと思います。
 
呂不韋は政にとって、ただの臣下としての宰相ではなく、自らに玉座をもたらした大恩人であることは間違いないでしょう。そのため政と呂不韋の間には、王と臣下以上の関係があり、それがこの謎の最後につながるのではないかと推察されるからです。
 

史実での呂不韋

司馬遷『史記』には、呂不韋は列伝を立てられるほどの存在感を示しており、我らが主人公 信とは比較にならないほど詳しい記述がなされています。これは、呂不韋がキングメーカーとして重要な役割を果たし、商人から宰相へという大出世を遂げた人物であるからだと思われます。
 
この『史記』によると、呂不韋は現在の河南(かなん)省の大商人で、国を越えた商売をし、千金の富を積んだとあります。
 
大金持ちとなった彼は、趙の都・邯鄲(かんたん)で、秦から人質に出されていた子楚(しそ、当時の名は異人(いじん)、後の荘襄王(そうじょうおう))に出会います。彼は「奇貨(きか)居(お)くべし(※)」と、王子とは思えない貧しい暮らしをする子楚に自分の全財産をつぎ込みます。
 
子楚を玉座につけることに成功した彼は、宰相の座と文信侯の号、十万戸の封地を手にします。
 
※奇貨居くべし:珍しい物は買っておけば後に大きな利益をあげることになる、または貴重な好機は逃してはならないという意味。
 

『キングダム』での呂不韋

『キングダム』では過去の回想シーンとして、若き日の呂不韋が「汗水流して働いてもろくな暮らしはできないが、もし一国の王をかつぎだせば」といった内容を師に語るところが挟まれています。このシーンは、たんに彼の貧しい頃を読者に見せるだけのものではなく、彼が子楚をお金の力によって玉座につけたことを読者に推定させるものでしょう。
 
子楚は、王子とはいえ母の身分が低かったようで、玉座からは遠い存在でした。その子楚が荘襄王となれたのは、呂不韋あってのこと。そして、子楚(荘襄王)の子が政というわけです。
 
物語のはじめでは政敵として出てくる呂不韋ですが、物語が進むにつれ呂不韋と政がたんなる王と宰相にとどまらない関係であることが匂わされてきます。二人が親子なのではないかという疑いです。
 
 

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