『僕の心のヤバイやつ』第2期 連載インタビュー第8回:安堂カンナ役・井口裕香さん、半沢ユリネ役・上田麗奈さん|心が温かい人たちが集まっている現場だからこそ、新キャラクター組もすぐに馴染むことができました
上田さんと井口さんが互いに告白?
――もしかして、おふたりがこうやってお話されるのは初めてなんでしょうか?
井口:しっかりとこうやって……というのは、初めてだよね!
上田:初めてです。共演経験はあるのですが、その時は私が緊張してしまってあまりお話できなかったんです。
井口:いやいやいや〜! でもちょっと私のほうがお姉さんですからね。
上田:いや違うんです、そういう意味ではなくて! 井口さんから、良い匂いがするんですよ〜!
井口:えええ〜! しないよ!(笑)
――あ、すっごく分かります……!
上田:分かりますよね! これを言うと、居心地を悪くさせてしまうだろうなと思ってずっと我慢していたんですけども……(意を決したように)井口さんがかわいすぎて、緊張してしまうんです!
井口:えっ!?
上田:そのかわいさっていうのが、もう「なりたい〜!」ってレベルで。
井口:ええええ……心が優しいお方ですね……。
上田:本気で思っているんですよ。私が持っていないもの、全てを持っている。だから緊張するんです。
井口:何を言う、全部こっちのセリフだよ!(笑) 照れちゃうよーー! ああ、でもなんか、本当にユリネとカンカンですね。
上田:ああ、確かに。
井口:私はカンカンのことはすごく好きだけど、ユリネのような女性になりたいし、上田さんのような女性になりたいんです。だから、こうやって『僕ヤバ』のご縁でご一緒できて嬉しいです。
上田:えええええ。めちゃくちゃ嬉しいです。なんか、走りたくなってきました!
一同:(笑)
――このお話、ずっと聞いていたいです(笑)。
カンカンの「チョキチョキチョキチョキ!」
――24話では修学旅行に。おふたりは台本を読まれたとき、どのようなご印象がありましたか?
井口:体育祭から修学旅行と学生ならではのイベントが続いていて。懐かしいなぁとワクワクしながら読んでいました。
上田:市川が「山田は何を考えているんだろう?」と探っている一方で、山田は山田で市川のことを思いながら過ごしていて。ようやく「やっぱり話したい」となった時に、お話が真剣なモードに変わっていくんだろうなと思ったら、突然の女子部屋イベントがはじまる(笑)。「そうきたか!」って。
井口:ドキドキがずっと収まらないよね(笑)。
上田:全体的にはそのふたりの置かれている状況が印象に残っています。私は特に、新幹線の中でのカンカンの「チョキチョキチョキ!」が好きです。
――カップル成立イベントに備えて紙吹雪を作っているっていう(笑)。
上田:最高すぎて、とても印象深いです。私は体育祭のときの借り物競争で鼻息を荒くしているカンカンも好きなんです。
井口:ありがとうございます。私が個人的に印象に残っているのは、市川と山田の電話の場面。山田が思わず泣きそうになってしまって、映像から音声通話に切り替えて。ポツポツと喋っている切なさと、バレないように強がる山田のお芝居がすごく可愛いなぁって思っていました。
その前に、羊宮(妃那)さんが小林役の朝井(彩加)ちゃんに、鼻をすするお芝居について相談をしていたんですよ。「どうやったら(鼻が)ちゅるってなりますか?」って。で、朝井ちゃんは「口で少しすすったら、鼻をすすっている音に聞こえるかもよ」とアドバイスしてて、羊宮さんがテストで実践したら、ラーメンをすすっている音のようになってしまって「できませんでしたーごめんなさい!」って(笑)。
もうその姿がすごくかわいくて! 結局素直に、鼻を小さくすするようなお芝居に変えていたんですけども、みんなで助け合いながら、アドバイスをもらいながら成長していく羊宮さんの姿が山田にも重なりました。
その時にもまた改めて「良い現場だなぁ」って思いつつ、私も鼻をすするときは口を使ってみようかな、なるほどなって。
上田:私が印象に残っているのは、新幹線の中でユリネが市川と話している場面です。「市川くんは大勢に背中押されないと告白できないタイプなの?」といったセリフを、テストのときに「山田はこんなにまっすぐに向き合ってるのに逃げるのか」ってニュアンスを込めて言ってみたんですね。
そしたらあまりそういう気持ちは込めずに、ナチュラルに聞くような形でっていうディレクションを受けて。その時に、ユリネちゃんはずっとこういう感じなんだなって。常に好奇心旺盛な幼子のように恋を知ろうとしている。とても純粋で良いなぁって思いました。そのあとの山田の「倒していいですか。席」もかわいくて。でも私はやっぱり、カンカンの「チョキチョキチョキチョキ!」が大好きです!
井口:ありがとう〜!(笑)
上田:カンカンとユリネは別録りだったんですが、種﨑敦美さんたちと録ることができて。種﨑さんと私で「修学旅行の女子風呂と言えば、おっぱいを揉んでるんだろ!」みたいなくだりを一緒に録ったんです(笑)。そのときにおっぱいを揉まれているほうを種﨑さんが演じてくださっていて、ものすごくかわいい声が隣から聞こえてきて。
井口:良い!(笑)
上田:「やめてよ〜」という声が吉田ともまた違ったイメージで、恥じらいを持った乙女の声の表情が本当にかわいかったです。私は「良いではないか〜!」って言ってるんですけども(笑)。
――あはははは、楽しそう。そのあたりは台本にはないセリフですよね。
井口:後ろで聞こえてくるアドリブもみんな面白いんですよ。ぜひ耳を澄まして、何回も聞いてほしいです。私もそこに注目して聞きます!
アドリブは結構自由にやらせてもらっているんです。特にカンカンはマスクをしているので、口を空けてる・空けてないを気にせずアフレコできる。それがありがたくって(笑)。だから今回も「修学旅行といえばアレだよなああ!」って感じで(笑)。
上田:あはははは。
井口:実際の放送では消されているかもしれませんが、とりあえずカンカンらしさをブチ込んでいくことができました。マスクって……良いですね(笑)。だから音響監督の小沼さんにも「マスクがあるから気にせず(アドリブを)入れていいですよ」と。だから楽しくやらせていただいています。
――ところで井口さんは最初に、どのくらいの幅を持たせていいか悩んだところがあったというお話をされていました。それはアフレコの中で解決されたのでしょうか。
井口:初登場の22話の時は声はあまり高くしすぎないように低めで……とか色々考えていたのですが、22話の絵コンテが桜井弘明さんで。私が10代の時にとてもお世話になった監督なんです。
上田:へえ! そうだったんですね。
井口:私の中で、ギャグと言えば桜井さんという印象がありました。その桜井さんが描いている絵コンテだし、桜井さんが「もっと鼻息荒く」などを指示されていると聞いて、「安心して振り切って良いんだな」と思えました。
個人的な話ですけども、10代のときには出来なかったものを桜井さんにもお見せしたいし、現場にも「変なやつやってきた!」みたいなところでインパクトを持たせたいなと思って。それでセリフも……キレイめというよりは汚めに(笑)、興奮したり、ワクワクしたりして思わず声が出てしまうといったニュアンスを乗せたいなと思っていました。