綺麗なものだけが美しいとは思わない。その歪みすら美しい――佐々木李子さん・高尾奏音さんが『BanG Dream! Ave Mujica』で見出したAve Mujicaの救い【後編】
「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」
ーーこの日は「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」の初披露もありました。
佐々木:1st LIVEは「捨てられた人形たちが今までの世界を壊して、新たな世界を作る」というストーリーだったので、その世界を壊す第一歩になったのが「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」だと思いました。Dメロの演奏もギターを振り回す感じで。
高尾:剣みたいだよね。
佐々木:そう。世界を壊すイメージで演奏したり、歌ったりしました。
高尾:逆に私はオブリビオニスが“世界の使者”というイメージで、この曲のパフォーマンスでは動かないことを意識していたんです。凛として立っているオブリビオニスのイメージが私の中ではあったので、両手で弾きながら、前を向いて鍵盤を見ずに弾くようにしていました。
佐々木:!? 簡単に言ってるけど、すごいことだよ、それ。もう人間離れしてるから(笑)。
ーー(笑)。では改めて「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」についても教えて下さい。
佐々木:1st LIVEにすごく合っていましたよね。「Perdere Omnia」は“全てを破壊する”という意味なんです。「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」にも〈壊せ 壊せ〉という歌詞があって、新たな世界を作っていくという歌になっています。
「Perdere Omnia」そのものというか。全てを壊す始まりの曲になったかなと思うので、ドロリスの覚悟や意思の強さを歌に込めて、演奏しました。聞いてると自分もノッてきて、お客さんも同じ気持ちなら嬉しいなと思います。共犯者として、世界を一緒に壊して、新たな世界へと引き込めるようにレコーディングも頑張りました。
ーー聴きやすさもある曲ですよね。
高尾:世界を壊す歌なのに、サビのりこちの歌声が滑らかで。そこが好きです……!
佐々木:ありがとー!
『BanG Dream! Ave Mujica』で「救われた」
ーーでは、お話できる範囲で、TVアニメ『BanG Dream! Ave Mujica』に向けての見どころを教えていただけますか。
高尾:祥子としては、第1話から魂を込めて演じました。第1話の収録で祥子を演じた後、監督の柿本広大さんから「今のお芝居を聞いて、泣いてしまいました」という言葉をいただいたんです。
佐々木:早く見たい!
高尾:それくらい熱い気持ちで演じさせていただきましたし、スタッフのみなさんも感情移入してしまうくらい強い思いを持って、続編を制作されていました。期待できる作品になるんじゃないかと思います。「第1話で泣くかもよ?」みたいな(笑)。
佐々木:ひとりひとりのキャラクターがフィーチャーされるので、今まで描かれなかったその子たちの裏側が見られます。私自身は続編を全て録り終わって、「救われたな」と思ったんですよ。
高尾:私も思った! 救われたね。
佐々木:感想は人それぞれ違うと思うので、みなさんの感想も楽しみなんです。詳しく言えないですけど、MyGO!!!!!ちゃんのように紆余曲折があって。歪んだ感情なのか、関係性なのか、その歪みすらも美しいなと。綺麗なものだけが美しいとは思わないですけど、そういう“屈折した輝き”を持っているというか。
高尾:最終話の収録を終えたあと、「Ave Mujicaは光だな」と思いました。
佐々木:全部がネタバレになってしまうのでお伝えするのが難しいですが、私たちも一緒にアフレコできたので、楽しかったよね。
高尾:TVアニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」は幼馴染であることは明かされているくらいだったんですけど、続編では初華と祥子絡みもたくさんあります。
佐々木:アドリブもあったよね。
高尾:いっぱいあった!
佐々木:楽しいシーンも緊迫したシーンもあって。
高尾:最後までぜひ観ていただきたいですね。
ーー逆に続編の収録を終えた今、TVアニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」の最終回を改めて振り返るとどうですか?
高尾:ガラッと印象が変わりますね。続編の最終話を観てから、TVアニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」を見返すと「こういうことだったのね」ってなると思います。
佐々木:TVアニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」の中にも謎は散りばめられているので、ぜひ見返してほしいですし、点と点が繋がる瞬間もあると思うので、一瞬たりとも見逃してほしくないです。