椎名へきるさん初のセルフカバーアルバム「HARMONY STAR」発売記念インタビュー。デビュー30周年を彩る1枚は「懐かしさと新しさ。両方を兼ね備えたアルバム」
声優アーティストの先駆けとして、アニソン界をけん引し続けてきた椎名へきるさんが、アーティストデビュー30周年を記念したセルフカバーアルバム「HARMONY STAR」を5月8日(水)に発売!
自身初となるセルフカバーアルバムとあって収録曲は、椎名さん自らが厳選。さらに、ボーナストラックでは椎名さんが主人公の一人、獅堂光を演じたTVアニメ『魔法騎士レイアース』の主題歌「ゆずれない願い」などをカバーと、ファンならずとも垂涎の内容!
アレンジ、ボーカルともに“令和バージョン”で作り直し、こだわりを詰め込んだ「HARMONY STAR」について、椎名さんにたっぷりと語っていただきました。
これまでの曲を今の時代らしくアレンジして届けたい
――「HARMONY STAR」は、椎名さん初のセルフカバーアルバム。制作のきっかけからお聞かせください。
椎名へきるさん(以下、椎名):アーティストデビュー30周年ということもあって、何かを新しく作る、というよりもこれまでの曲をもう一度皆さんに聴いていただきたい。今の時代にあった新しいバージョンで届けようというコンセプトで制作が始まりました。
セルフカバーに抵抗はまったくなかったです。むしろ新しい曲を作ってライブで披露するよりも、この30周年を皆さんと一緒に振り返るチャンスだなって。
学生時代とかに私のことを知ってくださった方も多いと思うんですけど、当時の曲は皆さんにとっても青春の1ページ。皆さんの青春とともに育ってきた楽曲たちを改めて歌いたいなと思いました。
記念ライブもやりましょう、となっていたので、そこで新しい知らない曲ばかりを歌われても皆さん困るかなって(笑)。セルフカバーなら、懐かしさと新しさの両方を兼ね備えるアルバムにできるかな、という気持ちでした。
――収録曲は、これまでのシングルやアルバムの中から椎名さんが厳選。ヒット曲も多数あり、選ぶのはかなり大変だったのでは?
椎名:もうほんっとに大変でした(笑)。9割くらいは「ごめんなさい」になっちゃうので、厳選に厳選を重ねて選びました。
――選ぶにあたって、どういった点をポイントにされたのでしょうか。
椎名:やっぱり長年ライブで愛されてきた曲ですよね。あとは、今だったらもっと進化した楽曲になるんじゃないか、かっこよくなるんじゃないか、と私がリアレンジしたいと思ったものから選んだ感じです。
――中でも、絶対に入れたいと思っていた曲は?
椎名:「空想メトロ」と「-赤い華- You're gonna change to the flower」かな。逆に最後まで別の人気曲と競っていたのは「だめよ!だめよ!だめよ!!」。どっちもみんな聴きたいって言っていたし、どうしよう……みたいな感じでした。最終的に「だめよ!だめよ!だめよ!!」は、ライブでそこまで歌いこんでないので、逆に新鮮に感じてもらえるかなって。
――リアレンジしたい、という視点で選んだ曲はどのあたりでしょうか。
椎名:「空をあきらめない」は、大きくチェンジしたかった曲ですね。これも、どうしてもやりたいと思っていた曲の1つで、もともと管楽器系、ホーンがメインでアレンジされていた曲だったんですけど、管楽器をなくすというところから始めようと思ったんです。
ツインギターで、レスポール的な低音が響くギターの音色を強調して、ハードロック系の方向性で作ってみたらかっこよくなるじゃないかなって。私の頭の中で鳴っていた音を具現化してほしかったので、そんなアレンジになるようお願いしました。
――たしかに、どの楽曲もバンドサウンドが濃くなり、さらにロック寄りになった印象を持ちました。椎名さんと言えばライブ!というイメージもありますが、これまで重ねてきた多くのライブ経験も反映されている感じでしょうか。
椎名:そうですね。やっぱりライブを多くやってきたというのは大きいかもしれません。それに加えて、アレンジする機械はもちろん、音色も時代とともに変わってきているので、25年前とかに作った曲は音の種類が違うんですよね。そういう意味での新鮮さを採り入れたかった、という気持ちもありました。
――収録曲について、ファンの方からの反響はいかがでしたか。
椎名:皆さん、やっぱり「懐かしい」という声が非常に多かったですね。「246」や「ガンバレ」には、「入れてくれてありがとう」というコメントもいただきました。
「246」は、もともと「漂流者」という真矢さんとのコラボシングルのカップリングだったんですけど、ライブでもずっと人気の曲で、好きだと言ってくださる方が多かったんですよね。
ここまで愛されてきたのであれば、もう一度生まれ変わらせるのもいいかなと。アレンジを変えたことで、また新たな魅力が生まれた曲になりました。
あと、そういう意味では「Graduater」も、皆さんの中で思い出が強い楽曲なので、リアレンジでどういう風に生まれ変わらせるかちょっと悩みました。「Graduater」は、ツインギターがやっぱりかっこいいんですよ。そのギターサウンドがぐっとくるところに、萌えを感じていただきたいです(笑)。