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『僕ヤバ』第2期:堀江 瞬×羊宮妃那インタビュー【連載最終回】

『僕の心のヤバイやつ』第2期 連載インタビュー最終回:市川京太郎役・堀江 瞬さん✕山田杏奈役・羊宮妃那さん|皆さんの心の中で、これからもキャラクターたちが生き続けてくれたら

雰囲気を瞬時に掴んで、溶け込むお芝居

――第2期のアフレコを振り返ってみると、どのような思いがありますか。

羊宮:もう終わったんだなって。何をどうやって振り返ればいいかわからないくらい、色々なことがあって。アフレコの中でキャストの皆さんの優しさも、杏奈ちゃんの成長もたくさん感じました。特に2期は杏奈ちゃんにとって、大切な話ばかりが描かれていた印象です。見どころしかなくって。

堀江:2期からは新キャラも増えて、座組的にもこれまでとは違う風が入りましたし、回によって組み合わせがまったく違ったんです。学校のキャストを中心とした回もあれば、山田杏奈仕事モード回では諏訪さん(CV.斎賀 みつきさん)、ニコさん(CV.土屋李央さん)が登場する回もあり、ブースの雰囲気が回によって変わっていて。新キャラクターのキャストの方々もものすごく豪華で、『僕ヤバ』だけど今までの『僕ヤバ』とは違う、新しい風を感じて新鮮でした。

ただ、新キャストの方々、特に学校の新キャラクター(安堂カンナ役・井口裕香さん、半沢ユリネ役・上田麗奈さん)は「1期からずっといたんじゃないか、この方々は」と思うくらい馴染んでいて。作品の雰囲気を瞬時に掴んで、そこに溶け込むというお芝居をされる、その上手さ・凄さを感じてすごいなあって思いましたね。改めて、井口裕香さんと上田麗奈さんの凄みを感じました。やっぱりこの方々はすげえ人たちなんだなって思いながらやってました。

――どういったところで感じましたか?

堀江:やっぱり溶け込むところ。僕自身、2期からの途中参加するキャラクターって何度か演じたことがあるんですけど、作品を掴むのにまず時間が掛かるんです。予習でその作品を見ていたとしても、原作を読んでいても、実際ブースに入ってみないとわからないことが多いんです。それを瞬時にすり合わせつつ、この現場はこういう雰囲気、キャストはこういうお芝居をするんだなと感じ取って、馴染んでいくって結構難しいことだと思います。

それと、井口さんは僕が学生の頃からものすごく知っている方というか……いちオタクとして。

――へえ!

堀江:青春のど真ん中の人なんです。ファンであり尊敬していた方で、普通に井口さんのラジオとかめっちゃ聞いてたくらいで。そのいちファンの身として、ずっと新しいお芝居をされていることを感じました。やはり一線で活躍している方の凄みがありますよね。

それこそ原さん役の豊崎愛生さんにも感じましたが、常に新しいお芝居を提供しているからこそ、学生の役をやる時も型にはまらない。テンプレートじゃない学生の蒼さを表現することに対して探求をやめないんだなって思いました。

――堀江さんも第一線でずっと活躍されているじゃないですか。すごいことです。

堀江:それは果たしてどうでしょうか(笑)。でも『僕ヤバ』のすごい先輩方の姿を見て「探求しなくなったら終わりなんだな」と感じました。型にハマって「この役はこういう感じか」と分かった気になって、ある種の作業になったり、スタンプ的なお芝居になったりしたら、役者としておしまいなんだなって。やっぱりすごい人はずっと新しくて、ずっと新しくて、ずっと追い求めているんだなと感じました。

――井口さんと上田さんにお話をうかがった時に「後半からの参加組だったんですけど、最初から参加していたかのような安心感と温かさがありました」とおっしゃっていて。それと「アドバイスをもらいながら成長していく羊宮さんの姿が山田にも重なりました」というお話をされていました。

羊宮:嬉しいです……!

――羊宮さんも先輩方に刺激を受けることも多かったですか?

羊宮:もちろんです。「今のすごい! ヤバイ!」というお芝居がいくつもあったんですが、その場で分析できるほどの余裕はまだなくって。その場では杏奈ちゃんのことしか考えられなかったんですけど……それは日記にも書いていたくらいで。

――へえ!

羊宮:日記には「杏奈ちゃんになりきれなくてとても不安。現場に行ってマイク前に立って市川くんの声を聞いた瞬間、私の声から杏奈ちゃんが出てきてくれた。杏奈ちゃんだけに向き合うのではなく、市川くんにも向き合ったから杏奈ちゃんになってくれたんだなと感じた」といったことが書いてあるんですけど。

――素敵な日記ですね。

羊宮:杏奈ちゃんは自分自身と向き合える子だとは思うんです。ただ、回を重ねるごとに杏奈ちゃん自身が、市川くんにきちんと向き合うようになって。だからこそ、私も杏奈ちゃんとだけじゃなく、市川くんにも目を通して、今何を考えて行動しているんだろう、と考えるようになりました。その結果、杏奈ちゃんに近づけたのかなと思います。

――2期に入った時にはもうそれを感じていたのですか?

羊宮:17話でした! 話数も日記に書いてありました(笑)。台本の最初、杏奈ちゃんの「運動?」という単語のあとに、市川くんがお話してくれて。その後の杏奈ちゃんのセリフに「それって……(赤くなる)いつも私と一緒にいてくれる……ってこと」と書いてあって。

おうちの中では、わーどこまで顔を赤らめるんだろうとか、声を出して練習してみても……赤くなりすぎない杏奈ちゃんじゃないですけど、ネタっぽくなりすぎず、大真面目な感じにも最初からなってはいけないなとか、いろいろなことを考えすぎると余計に杏奈ちゃんになれないんじゃないかって、当日まですごく迷っていました。

でも、現場で市川くんの声を聞いた瞬間、パッと出てきてくれて。第17話でその感覚に気づいて帰り道にメモを残しましたね。

――いつも日記をつけているのですか?

羊宮:衝撃的だったことは大体スマホなどにメモしています。

堀江:……役者やな。

羊宮:いえいえ……! こまめにはつけられていないんですけども。

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