「最終楽章」にふさわしい、息もつかせぬ展開を毎週テレビの前で見守ってほしい――『響け!ユーフォニアム3』黒沢ともよさん×安済知佳さん×石谷春貴さんインタビュー|久美子、麗奈、秀一の関係性は、まるで「大福」!?【連載第1回】
銀色の楽器は嵐を呼ぶイメージ!? 新キャラクター・黒江真由の印象は?
――吹奏楽部の名門校から北宇治高校に転校してきた新キャラクター・黒江真由について、ネタバレにならない範囲で、第一印象などを教えてください。
黒沢:ともよとしては、演出も相まって「並々ならない人なんだろう」と感じたんですが、久美子としては、物腰も柔らかいし、「迷惑にならないように頑張るね」とか言ってくれるような子なので、部長として「穏やかそうな人が入ってくれて良かった」みたいな気持ちでいますね。
最初、真由の方が「私、大丈夫かな?」ってすごく心配しているんですが、久美子は「なんで心配しているの?」って感じていると思います。久美子はそういう感じだけど、周りからは、どう見えてた?
安済:麗奈はたぶん、演奏しか聴いてない。なので、麗奈から見た黒江真由の印象は、「一緒に演奏している音楽への印象」だけになっちゃうと思います。真由の人柄に対して、麗奈がどう思っているのかは私も知りたいです。
――では、安済さん自身としては、どのような印象ですか?
安済:私としては、また得体の知れない人が入って来たなって(笑)。
黒沢:だよねえ(笑)。
安済:最初に、銀色のユーフォニアムを持っている真由の絵を見たとき、「この子、絶対にクセが強い子だ」って(笑)。(銀色のユーフォニアムを使っていた)あすか先輩を彷彿とさせるし。銀の楽器って、何かを吹奏楽部に持って来そうというか、嵐の気配を感じました。でも収録で戸松さんの声を聴いたら、「可愛い~」って、完全にほだされて。
石谷:あはは(笑)。
黒沢:分かる、分かる。
安済:こんなに柔らかい印象で一緒にいたくなるような空気感の子なのに、何かがあるのかって戦々恐々としました。
――石谷さんは、いかがですか?
石谷:たぶん秀一としては、低音パートに入ってきたユーフォニアムが上手い転校生。周りとも仲良くやっていて、部に溶け込んでいるなというイメージ。この先、秀一もいろいろと考えることはあると思うんですが、最初の印象はそういう感じだと思います。
僕としては、久美子と真由が描かれたキーティザービジュアルに「私、北宇治が好き」と「私、合奏が好き」というキャッチコピーが書かれているのを見たとき、「ああ……」ってなりました(笑)。方向性は同じだけど、違うんですよ。
黒沢:うん、全然違う。
石谷:噛み合ってないんだよね。
安済:そこは大事だよね。
――最後に、『響け!ユーフォニアム3』の放送開始を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。
石谷:今回は、テレビシリーズの1期、2期に映画と、いろいろなことを積み重ねてきた総決算になるのですが、それがすべて久美子に降り注ぐことになります(笑)。それと同時に、久美子の周りの全体像がしっかりと分かるテレビシリーズになっているし、毎回、30分の放送が終わったら次、終わったら次みたいな形で次の回が観たくなるお話になっています。
これまでは描かれていなかった吹奏楽部の内部のことも詳しく描かれているので、前のお話をさかのぼって、「こういうことがあったね」と振り返りながら観るのも面白いと思います。3期の放送が始まる前と最後まで観た後では、作品に対する解像度がかなり変わるはずです。
何よりもまずは、息もつかせぬ展開を楽しみにしていただければなと思います。お話ししたいことはまだまだたくさんあるのですが、放送前なので、このくらいで留めておきます(笑)。どうぞよろしくお願いします。
安済:まずは、大変お待たせしました。ついに『響け!ユーフォニアム』の3期が始まります。お待たせしてしまっていた期間も、ファンの皆さんが変わらぬ応援と愛を送ってくださっていたからこそ、こうやって3期をお届けできます。そのことが私たちも本当に嬉しいですし、また皆さんと一緒に音楽や青春を楽しめることにワクワクしている段階です。
さっき石谷さんが言った通り、今回はこれまで以上に息もつけないような展開が多いです。でも私たちも最初はそうだったのですが、「これこれ! これが『響け!ユーフォニアム』だ!」と思えるところもちゃんとあるので安心して楽しんでください(笑)。
今回も音楽と絵の力が本当にすごくて。音や音楽って、ここまで人の心を動かす力があるんだなって改めて思います。それは彼女たちが演奏する音だけではなく、音響効果のさりげない日常の音や劇伴もそうなんです。それらが京都アニメーションさんの絵と合わさったときのリアリティは本当にすごい。ドラマやドキュメンタリーを観ているときのように、こういう人間がいそうだなって感じさせてくれるし、その解像度やリアリティにすごく引き込まれます。
毎週、彼女たちの人生に思いを馳せて、自分の人生についても考える1週間を経て、また新たな1話を楽しんでいただく。そういう期間になれば良いなと思いますし、皆さんと一緒に全力で「3年生編」を走り抜けられたら嬉しいです。最後までよろしくお願いします。
黒沢:ついに「最終楽章」が始まるのですが、今回のアフレコは撮影処理も終わった完成された映像で臨みました。京都アニメーションさんの並々ならない意気込みを感じながら、演じさせていただいています。
最初にキツいとか言いましたが、ちゃんとみんなが観たい『ユーフォ』も観られるし、カッコ良い部長としての久美子も観られると思います。その上で、その先はどうなるのかというお話なので、まずは観てもらえたら楽しんでいただけるはずです。それに、「観るのがしんどい」って思う頃には、「ここまで観たら、最後まで観たい」と思うようになっているはず(笑)。ぜひ最後まで観て頂けたらなと思っていますし、今は、みんなが無事、笑顔で卒業できることをただただ祈っています。
今回、日曜日の夕方に放送ということで、またみんなで一緒の時間にアニメを観るという文化が戻ってきたら良いなとも思っていますので、ぜひテレビで一緒に観て頂けたら嬉しいなと思います。よろしくお願いします。
[取材&文・丸本大輔]
作品概要
あらすじ
キャスト
(C)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会