花澤香菜さんも大はしゃぎ! 愛が重すぎる花野井くんと“武士”なほたるちゃんの掛け合いがキュンキュンすること間違いなし! 『花野井くんと恋の病』インタビュー
千晃くんに「ありがとう」って言って拝みました(笑)
──花野井くんの印象はいかがでしたか?
花澤:漫画を読んでいて、花野井君は、事実だけを並べていくと、もしかしたら引いちゃう人もいるかもしれないぐらいほたるちゃんへの愛は強火なんですけど(笑)。でも高校生だし、恋愛に対して真っ直ぐ全力をかけられるのが青春という感じがして、めちゃくちゃいいなと思います。
ほたるちゃんに対しての優しい顔と、他の人たちに対する少し冷たい感じも見ていてにやにやしちゃうといいますか(笑)。みんなに対してこうじゃないんだ、という所も安心できていいなと。
──独占欲という……。
花澤:そうそう、独占欲。さすがに同じバイト先に来て、一緒に働こうとした時はびっくりしました。
でも、「そんなに好きなの?」「しょうがないな」みたいな感じになりました。声がつくと、千晃くんの声に艶があるというか。花野井くんの色っぽさと、千晃くんの声の艶がめちゃくちゃマッチしていて、いい男だな、と(笑)。
──(笑)。アフレコ現場では小林千晃さんと一緒に収録されていたんですか?
花澤:一緒でした。
囁いてくれるシーンとかあったんですけど、そのシーンが終わったら千晃くんに「ありがとう」って言って拝みました(笑)。
──(笑)。
花澤:それぐらい素敵でした!
漫画で読んでいて脳内再生していたので、どうくるのか楽しみにしていたんです。いい囁きが来たので、ありがとうという感じでした(笑)。
──先ほどオーディションのお話も伺いましたが、横で小林さんの演技を聞いたうえで変えていったことなどありましたら教えてください。
花澤:1話の前半は、ほたるちゃんがどういう子なのかというのをちゃんと描いてくれているので、そこでキャラ作りをしたうえで花野井くんと会うという感じでした。なので、彼女のもっているピュアな部分が全面に出た方がいいとディレクションをいただいて、そこからつくっていきました。
最初の頃は彼女も恋愛に対して臆病というか……。まず、恋愛感情がどういう感覚なのかわからないというところから始まるので、結構余所余所しくて。4~5話ぐらいまではずっと、余所余所しいまま(笑)。
千晃くんと一緒に収録ができて、その余所余所しさを保つのが結構大変でした。花野井くんはぐいぐい来てくれるので、一緒にやっているとそれに応えたくなっちゃうんです。
そこを「まだまだ、まだまだ……」と言って、本当に徐々に徐々に近づいていくという、このやり取りは二人の中でしかうまれないので、それはやっていて難しいけど楽しい部分でもありました。
──そういうのは役者冥利と言いますか。一緒にやるからこそ、できあがった微妙な距離という感じですね。
花澤:そうですね。ほたるちゃんも何も思っていないわけではなくて。ふとした時に、花野井くん可愛いとか、少しきゅんとしたり。きゅんだとわかっていないけど、きゅんとしたりするんですよね。そういうのって、横で声を聞いていないと同じ気持ちになれなかったりするので、一緒に録れて良かったですね。
──愛が重すぎる花野井くんと、恋がわからないほたるちゃんの関係性って、花澤さんから見てどう思われていますか。
花澤:まず、花野井くんがぐいぐい来ないと始まらないというか。彼女はいつ恋愛を始めたんだろうかって心配になっちゃう(笑)。心配というか、別にそれでもいいんですけどね。でも、花野井くんが来てくれたからこそ成り立っている関係だなと思います。
──では“起承転結”でいうと“起”は、やっぱり花野井くん。
花澤:花野井くんですね。だって、喫茶店で女の子に水をかけられているところから(笑)。
それまでは花野井くんの存在すら、うっすら知っているという感じだったわけですから。そこから、なかなか付き合おうという感じには……。
でも、花野井くんは花野井くんで、好きになってもらうためにはどうしたらいいだろうかと、ものすごく考えてくれる。しかも、めちゃくちゃいろいろなことを行動で示してくれるじゃないですか。そこにきっと動かされていったんだろうなという感じがします。
──ほたるちゃん的には、花野井くんについていこうという感じだったのでしょうか。
花澤:ついていこうというか、花野井くんと一緒にいたら、もしかしたら恋という感情が何なのかわかるかもしれないというか。付き合うことで、自分のこともわかるかもしれないと思ったのかな、と。普通の恋愛の始まり方とは、ちょっと違う印象でした。
──花澤さんとしては、もどかしさみたいなものはありましたか? ぐいぐい来てくれる花野井くんに対して。
花澤:少女漫画って、もどかしいのがよくないですか?(笑)
ここでチューしちゃったら終わっちゃうよ、みたいな(笑)。「まだですよね?」みたいなところがいいんですよ。
ちょっと後半になってくると、今度はほたるちゃんが無意識に花野井くんのグッとくることをやっちゃったりするんです。花野井くんは恋に関してはわりと彼女よりもベテランなので、もうぐいっといこうとしちゃうんだけど、待て待てみたいな(笑)。その葛藤とかもすごく良かったです。
──「ちょっと待って!」というシーンがたくさんありましたよね。
花澤:そうなんですよ。手をつないでいいかって話があったんですけど。あれで、全然いいよと言っちゃうほたるちゃんが……!「え、それ少女漫画的展開の中でやっていいのか?」みたいな。そのままいったらね、全然ぎゅーっとかも、いいみたいになっちゃうし(笑)。
やっぱり、ほたるちゃんと付き合うってなかなか難しいというか。彼女にどうやったら好きになってもらえるか考えるのは大変だなと思いましたね。よく諦めなかったなと(笑)。
──今おっしゃったように花野井くんがぐいぐい来ているのかと思いきや、実はほたるちゃんが許すというか。
花澤:そうなんですよ。ガード緩すぎるんですよ!(笑)
──びっくりしますよね。チューできましたもんね、あのシーンで。
花澤:はい(笑)。ほんとですよね、あそこで終わってた可能性ありますよね(笑)。
やっぱり、花野井君は、ほたるちゃんの気持ちが一番なんですよね。そこが素晴らしいですよね。
行動力と愛情表現は参考になる……?
──共演者の方と、ほたるちゃんと花野井くんの話もされたんでしょうか。
花澤:めちゃくちゃ盛り上がりました。これは友達と一緒に見ることも推奨します、ほんとうに。一人でにやにやするのもいいんですけどね。
前半って、いいところで終わるじゃないですか、「どうなるんだ?」みたいな。後半もそうですけど、最後抱き合うのか抱き合わないのかみたいなところで終わったりするんです。アフレコ現場では、その後「っくーー!!」って言ってました(笑)。
みんな原作を読んでるからその先の展開を知っているのに(笑)。知ってるんだけど、 「どうよ? この二人」みたいな話とかもします。「花野井くんって、どうなの?」「どのキャラと付き合いたい?」みたいな話もめちゃくちゃしました。
だから、わーわー言いながら見るのも、きっと楽しいんじゃないかなと思いますね。
──女性陣は、重い方が好きな方が多かったんでしょうか?
花澤:そういう方もいましたね。でも、高校生だからというのは大きいです。同い年でされたらどうなのかはわからないけれども。
でも、好きだぞと愛を伝え続けてくれるというのはありがたい話だと思います。愛情表現ってすごく難しいじゃないですか。
この二人に関しては、どんどん深まっていくところとがいいなと思います。やっぱり愛されるっていいなって(笑)。
──ということは、世の男性方にも見ていただきたい作品ということですね。
花澤:そうですね。花野井くんは参考にならないと思いますけど(笑)。
花野井くんの行動力とか愛情表現の仕方というのは、見習ってもいいかもしれないですね。