音楽をやってて良かった──春アニメ『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』EDテーマで念願のアニメタイアップ実現。ネフィの心情に寄り添ったバラードを|山本彩さん「ブルースター」インタビュー
2024年4月4日(木)から放送開始となるTVアニメ『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』(著者:手島史詞 HJ文庫/ホビージャパン)。エンディングテーマを彩るのは、アニメタイアップ初挑戦となる山本彩さん。
ヒロイン・ネフィの心情に寄り添って書き下ろした美しいバラード「ブルースター」は、山本さんが本作のために描き下ろしたものです。アニメ好きであることを公言してきた山本さんにとって、喜びもひとしお。作品に対する思い入れも、特別なものがあると言います。その思いを語っていただきました。
いちアニメファンという立場から贈る曲
──念願のアニメタイアップが決まったときのお気持ちを教えて下さい。
山本彩さん(以下、山本):ついにきた!という感じでした。「いつか(アニメに)携わりたいな」という気持ちはあったのですが、なかなかご縁がなくて。好きだけど、私は一生関わらない側の人間なのかなって思っていたところがあったんです(苦笑)。だから「ああ、つながれたんだ」って感慨深いものがあって、改めて「音楽をやっていて良かった」と思いました。
──プライベートでアニメイトにお越しいただくほど、アニメがお好きなんですよね。
山本:そうですね。兄弟もアニメが大好きなのでこの話が決まった時は、速攻で家族に連絡しました。逐一家族に共有していましたね。
──ご家族の皆さんはどのような反応だったんですか?
山本:家族は意外とドライだったんですよ(笑)。喜んでないわけではなくて「マジか!」「やるな!」って感じでした。
──アニメ『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』エンディング主題歌「ブルースター」はネフィの⼼情に寄り添いつつも、山本さんらしさの光るメロディや音色になっている印象があります。制作面においては、これまでの楽曲制作との違いのようなものはあったのでしょうか?
山本:最初に参考となる曲のイメージはいただいていたんです。BPMやテンション感を考えながら作っていきました。私はもともと曲から作るタイプなので、作品を読んだ上で全体のメロディや曲調を作って、歌詞を描いていきました。メロディに関してはあえて、アニソン然としていないのは、そういうオーダーをいただいていたんです。また、ネフィの目線でというお話もあったので、ネフィの心境はもちろん、自分的に印象的だったシーンなどを切り取っていきました。
自分がいちアニメファンなので……主題歌って、アニメを見て、歌詞を見たときに「これはこのシーンのことかな?」と気づくのがテンションが上がるポイントだと思っているんです。オタクとしてはそのポイントを押さえておきたいなと思っていました。それで何回も作品を読ませていただき、書かせてもらいました。
──原作を読み込んでいく中で改めて気付いた『まどめ』の魅力はありましたか?
山本:メインとなるザガンとネフィのふたりの関係性の変化ですね。特にネフィに関しては、表情も変わらないし、考えも後ろ向きで……それがザガンとの出会いや触れ合いによって明るいものになっていって。お互いが信じ合ってつながっているところを感じました。それが曲からも伝わればなって思って。
──心を開いていくまでのドラマや、その先にある「信じたい」という気持ちが曲の中でも描かれていますね。
山本:最初からフルを聴いてもらえるわけではないので、サビの歌詞をはじめ、大事な部分を89秒の中に落とし込むようには意識していて。1話はふたりが掛け合いをしているところからイントロがはじまるという仕様なんです。
そのあと、ネフィが部屋をもらうシーンがはじまるんですが……月が見える部屋で、月に手を伸ばして、届かないね、っていう、他愛もないやり取りなんですけども、ふたりだったら届きそうな気持ちにさえなれるよねってところを表現しました。