やすみと夕陽の公開録音で昔の関係性を思い出す。あのときの“ダサい”言葉にグッときたステージ前ーー『声優ラジオのウラオモテ』伊藤美来さん&豊田萌絵さん インタビュー
声優の歌種やすみと夕暮夕陽。偶然、同じ高校で同じクラスだった2人のラジオ番組がスタート! だが、仲良し2人のほんわか声優ラジオ、というのはオモテの話。学校でのやすみ=佐藤由美子は生粋のギャルで、夕陽=渡辺千佳は根暗な地味子で、見た目も性格も正反対な2人だったーーー。
声優ラジオのオモテとウラを描きながら、夢へ向かう2人の姿、そして業界のあるあるなども楽しめる青春声優エンターテイメント、TVアニメ『声優ラジオのウラオモテ』が4月10日から放送開始!
原作PVから、ずっとキャラクターを演じてきている、歌種やすみ/佐藤由美子役の伊藤美来さんと夕暮夕陽/渡辺千佳役の豊田萌絵さんに、作品について語ってもらった。
「オモテ」と「ウラ」それぞれの演じ分けの仕方は?
ーーお二人は、この作品に長く関わっていますが、改めて原作の面白さをアピールしていただけますか?
歌種やすみ/佐藤由美子役・伊藤美来さん(以下、伊藤):『声優ラジオのウラオモテ』というタイトル通り、若手のアイドル声優の子たちが、実はウラでは全然違う顔を持っていて……という話になります。その中で、夢に向かって頑張る人のガムシャラ感というのも描かれているので、すごく背中を押される作品だと思います。
「挫折するときってこうだよね」とか「こうやって邪魔されることってあるよね」っていうリアルなところが詰まっているんですけど、夢を追うのはすごく大変だけど、誰かと一緒に手を取り合えれば頑張れるよね!って、最終的には前向きに捉えてくれるのかなと思っています。あと、これは私たちが声優をやっているからかもしれないんですけど、出てくるスタジオとかがリアルなので、そういうところもリアリティにつながっているのかなと思いました。
夕暮夕陽/渡辺千佳役・豊田萌絵さん(以下、豊田):入り口はラジオなんですけど、題材としては人間ドラマなんです。各キャラクターの成長や、人生の浮き沈みのあるあるがすごく丁寧に描かれているから、私的にすごく感情移入できる内容でした。しかもそれが、私が声優だからだけではなく、普通の女子だから感情移入できる内容でもあったので、幅広い方に見てほしい作品だなと思います。
ーー共感するところがたくさんあるんですね。
豊田:今、この歳になってからだと「こういう時もあったな」っていう気持ちで見られるんですけど、JKのときに見ていたら、刺さりまくって人生が変わっていたかもしれないです(笑)。
ーー人生にはいろいろなことがありますからね。ここで描かれているよりも、実際のほうが大変だなって感じたりしますか?
伊藤:アニメでも結構大変なことが起こっていますからね(笑)。あれくらい大変だと、アニメの方が大変だなって思うかもしれない。
豊田:現実のほうが、もうちょっとマイルドかもしれないね。でも……。
伊藤:結局同じか、もっとハードなこともあるかもしれない……。だから、結構リアルだと思います。
豊田:総じてリアルだね。
ーーでは、それぞれが演じているキャラクターについて教えてください。
伊藤:オモテである声優・歌種やすみは、清純派元気系アイドルで、とにかくかわいい感じなんですけど、ウラである由美子は生粋のギャルなんです。ただ、オタクにも優しいギャルなので、結構誰とでもフレンドリーに接することができて、人から好かれるタイプです。なので、演じ分けとしては、どちらも元気は元気なので、やすみのほうでキャピキャピ感を出せるように、語尾に全部ビックリマークを付けるところを意識して演じていました。
由美子については「ギャルだから元気な感じで」というディレクションをいただいていましたが、彼女自身は真面目で芯が通っていて常識人の部類なので、イメージするギャルとは印象が違っている気がしたんです。なので同じ元気だけど、由美子のほうが落ち着いている感じ、現実を見られている感覚を意識していました。ただ、しゃべり方がギャルっぽく、滑舌を良くしすぎない感じを意識していました。
豊田:夕暮夕陽に関してはギャップが大きいキャラクターなので、オモテである夕陽のときは、すごくおっとりとした、かわいいキャピキャピアイドル声優にしました。オモテの顔は、本人が作っているものだから、私もガチガチに作ってかわいくしていけばいいので、やりやすかったです(笑)。
ウラの顔の千佳に関しては、未熟さがすごく残っている性格なんです。由美子のほうが性格は大人なので、「由美子より自分は大人だと思い込んでいるけど、実際は幼い」みたいな感じで演じていました。だから、美来の演じる由美子の声を聞きながら、バランスをとって、大人っぽくなりすぎないように意識していました。
ーー個人的に、夕暮夕陽は、普段の千佳のときのほうが好かれそうな気がしました。
豊田:ウラのほうが人気出そうですよね(笑)。
ーーそれと、当初は中の人のイメージと逆なんじゃないか、みたいなことも言われていましたよね?
豊田:まさしく。私のほうが由美子っぽいし、美来のほうが千佳っぽいというところはあると思います。
ーーギャルはこんなマインドだよ!と、アドバイスしたりは?
豊田:ギャルとしてのアドバイス?……したかな?(笑)
伊藤:もらったかなぁ?(笑)
豊田:ギャルもまた時代と共に変わっていくものじゃないですか。だから私の時代のギャルとは、また違うかもしれないから一概には。
伊藤:でも確かに最初の頃は、私たち自身の性格とは違っていたから、ドキドキしながらキャラ作りをしていた気がします。
ーー演じ始めた当時から結構経っていますからね。アニメになって新たに変わったところはあったのでしょうか?
豊田:あった?
伊藤:ベースは、もともと演じてきたものがありつつだったし、オーディオブックとかもやっているから、「新たに」というよりは、「また演じられるね」みたいな感じだった気がします。
ーーオーディオブックって、全部読んでいるんですよね?
豊田:そうなんです。ひとりで男女問わず全キャラ演じるので、実際にそのシーンがアニメであったとき、キャストさんが演じているのを聞いて、これこれ!みたいになっていました(笑)。自分の脳内のイメージに、自分の声帯が追いついていないときがあったので。
伊藤:社長とかもやったよね。
豊田:あと音響監督とかもね(笑)。だから、アニメで正解が見られて嬉しかったです。