やすみと夕陽の公開録音で昔の関係性を思い出す。あのときの“ダサい”言葉にグッときたステージ前ーー『声優ラジオのウラオモテ』伊藤美来さん&豊田萌絵さん インタビュー
夕陽とやすみとの共通点は多数。JKでデビューしている2人のエピソード
ーー高校生の頃から活動をしていて、一緒にラジオもしているというところで、キャラクターとの共通点が多いと思うのですが、共感したところはありますか?
豊田:実際に私たちの出会いもJKだったから、本当にキャラと同じなんですよね。
ーー最初は距離もあったりしたのですか?
伊藤:あの2人ほどの距離はなかったですよ。
豊田:そもそも敵対視してないもんね(笑)。でも、最初は高校生のマインドで仕事に来ているから、1〜2年の学年差は大きくて、大先輩みたいな感じに思われていたんですよ。
伊藤:そうだった……。
豊田:美来が高1で、私が高3だったので、その差が美来の中では大きかったらしく、ずっと敬語が抜けなかったんです。こっちからすると「そんなに年齢変わんないだろ!」って気持ちだったんですけど。しかも仕事では同期だし。そういう距離はありましたね。
伊藤:2つ上は大先輩ですから! タメ口とか聞いたら、ぶっ叩かれると思っていました(笑)。
ーーどんな縦社会で生きてきたんですか(笑)。
豊田:でも、中高生のときは上下関係って厳しかったよね?
伊藤:厳しかった!
豊田:でも、流石にずっと一緒にいると、距離もなくなっていったんですけど、最初に敬語じゃなくなったときが、一番嬉しかったんです。
ーー覚えているのですか?
豊田:覚えてます! もうひとり同期の子がいて、美来よりその子のほうが年下だけど、その子が私にタメ口でしゃべっていたんですよ。それを見て「はっ!」「自分より下の子が萌絵さんと普通に距離を縮めている!」って(笑)。
伊藤:「タメ口でしゃべってる……え? ということはタメ口でしゃべってもいいってこと?」って。
豊田:こっちはずっとそう言ってたけどね(笑)。
伊藤:いや! とは言っても、実際にタメ口にしたら叩くんでしょ?って思ってて。
豊田:私のことを何だと思ってるんだよ。
伊藤:でも、私より下の子がタメ口だったら大丈夫なのかなと思って、恐る恐るいったのは覚えています。
豊田:私はそれがめっちゃ嬉しかったので、すごく覚えているんです。
伊藤:私は何に共感したかな……。萌絵さんとは一緒にステージに立つことが多かったので、やすみと夕陽の公開録音のシーンは既視感がありました。最初の頃の話なんですけど、ライブ前日に変更がたくさんあって、夜中までリハをしていたんです。
で、当日ステージに出るときに、私のほうが謎に強気だったんですよね。それが由美子っぽかったので、あのときの感覚を思い出しながら、そのシーンを演じていました。ちょっとちょけながら、行こう!みたいな感じでやった記憶があるので。
豊田:昔の関係性と近いかもしれないね。私もめちゃめちゃ覚えてる。
伊藤:それこそJKだったんじゃないかな。
豊田:今思えば由美子っぽさがあったよね。私も珍しく緊張していたから、自信がなくなってて。場馴れもしてないし、不安で無理かもってなっていたときに「運命共同体だよ!」って背中を押してくれて……(笑)。
伊藤:ダサい!!! せっかく言わないでおいたのに!(照)
豊田:覚えているくせに言わないな〜と思って(笑)。そのダサい台詞にグッとして、やり切れたので、確かにそのシーンはすごく重なりました。
伊藤:ちょけが効きました……。
ーーそれぞれ、どんなところが頼りになりますか?
豊田:私の場合、美来と一緒にいるときと他の現場で、全然人が違うとよく言われるんです。特に変えているつもりはないんですけど、他所だと「しっかりしないと」というポジションになることが多くて。実際、そこまでしっかりはしていないんですけど、美来と一緒のときは、100%甘えられるので、他所で頑張ってきた分、反動が出て、すごく甘えちゃうんです。それに、美来とのやり取りは毎回楽しいから、ホームな感じがして安心します。
伊藤:私はやっぱり萌絵さんの思い切りの良さかなぁ。あと、プロデュース力が本当に素晴らしいです。そして、これ言いづらいよなぁ、どう伝えればいいんだろうってことも、萌絵さんがズバッと言ってくれるので、打ち合わせが円滑に進みます(笑)。
萌絵さんは自己プロデュースもそうだけど、他の人への観察力もあるんです。萌絵さんからこうしたほうがいいよとかは言わないんですけど、「その髪型かわいいよ」とか「その服の系統、似合ってるよ」とか、すごくナチュラルに意見を伝えてくれるから、そこで「はっ!」と気づくことがあったりもします。あと萌絵さん自身がアイドル好きだから、こうありたい!というのがあって、それを実現する力もあるのがすごいなぁって思います。アイドルプロデュースとかしたらいいのに。