やすみと夕陽の公開録音で昔の関係性を思い出す。あのときの“ダサい”言葉にグッときたステージ前ーー『声優ラジオのウラオモテ』伊藤美来さん&豊田萌絵さん インタビュー
他の現場で活かされていない、伊藤美来の秘めたポテンシャル
ーーこの作品はラジオが話の軸にありますが、ラジオあるあるとして共感したところはありますか?
豊田:アニメであったようなネタ探しとかはしていなかったと思います。私たちがやっているラジオは、飾らないし、そのままだし、時にはリスナーさんもイジるみたいなテンションでやっていたから、かわいくてキャピキャピみたいな『夕陽とやすみのコーコーセーラジオ!』みたいなことはなかった気がする。
伊藤:いやっ!! でも最初の方はやってたよ。やってたなぁ〜、やってた……。
ーー作っていましたか?(笑)。
伊藤:学級委員長キャラやっていました……。
(一同笑)
豊田:あははは(笑)。私は、妹キャラやってた!
伊藤:賢くなければいけないとか、面白くなければいけないというのに囚われていた時期が、確かにありました。それこそJKのときとか。
豊田:ホントその時期だよね。夕陽とやすみと同じくらいの時期は、確かにキャラクターを作っていたかも(笑)。
伊藤:とにかく面白くなきゃ!と思っていたから、ちょっと天然じゃないといけないのかな?って(笑)。
豊田:体張らなきゃあかん!とかね(笑)。
伊藤:だからそういうところは、通ってきているんです。
ーーそこからいろいろあって、最終的に素の状態になったのですね。
伊藤:はい……。
豊田:だから今が一番ラクです。
ーーラジオで、この人すごいなと思ったりすることはあるのですか?
伊藤:私は萌絵さんがすごいと思っています。2人でMCをするなんて恐れ多いです。ラジオをひとりでやっているのも聞くんですけど、話がすごく入ってくるし、ちゃんと調べているんだろうなって思うし、伝わるから「流石、萌絵さん!」って思っています。豊田さんが文化放送の女である理由は、ここだなと思いました。
豊田:「文化放送の女です」は、自分で言ってたんです(照)。
ーー豊田さんは、誰かいますか?
豊田:私も美来かなぁ。ラジオ適正がめちゃめちゃあるんです! ツッコミがすごく良くて、鷲崎健さん(ラジオパーソナリティ)も美来のツッコミに、毎回テンションが上がっていたくらいですから。
私自身、ラジオが好きだし、しゃべることも好きだから、ひとりラジオも大好きなんですけど、美来がいたほうが面白くしゃべれるんです。これ、絶対拾ってくれるだろうなっていう安心感のもと、とんでもない球をぶん投げることができる。しかもそんな球でも返ってくるから、それがちゃんと面白くなったりするんです。このポテンシャルを持った人は、いないと思う。
伊藤:萌絵さんと一緒のラジオでしか、そのポテンシャルは発揮できないんですけどね!(笑)
豊田:こうやって来るだろうなっていうラインを超えて、もっと面白いツッコミが来るから、それで私もまた笑っちゃったりするんですよ。
ーーでもそのツッコミを他でやったら、違う空気になったりするんですよね?
伊藤:萌絵さんが笑ってくれるから成立するんですよ。「そんなツッコミ、こわ!」ってなったらイヤだから、他ではできないです。
豊田:美来は、強めのツッコミは私にしかしないんです。センスがあるからもったいないんですけどね。他所でもやってるの本当は見たい(笑)。
ーーでは最後に、OPテーマとEDテーマの聴きどころを教えてください。
伊藤:OPテーマの「Now On Air」は、私がアーティストとして歌わせていただいています。由美子と千佳を彷彿させるような歌詞になっていて、一緒に手を取り合って夢へ向かって進んでいけば、きっと怖くないというところと、夢を追うことで、自分自身を責めちゃったりする、ちょっとマイナスな部分が歌詞に込められているんです。
夢を追いかけていけばこういうこともあるよねっていう歌詞なので、すごくリアルだなと思いながらレコーディングしていました。作品に寄り添った曲になっているし、疾走感がある曲になっていると思います。また、OPアニメーションもすごく素敵に作っていただきました。いろんなキャラクターが出てきて、ワクワクするアニメーションになっているので、そこにも注目してほしいです。
ーーEDテーマの「STAND BY YOU」は、歌種やすみ(CV:伊藤美来)と夕暮夕陽(CV:豊田萌絵)で歌っていますね。
豊田:キャラクターとして、2人だけで歌うのは初だと思うんです。また、ユニットとしてでなくキャラクターとして歌うというのも新鮮でした。曲も〈真夜中のラブソング〉と歌詞に出てくるくらい、ミッドナイトラジオを聞いている映像が浮かぶし、EDアニメーションの映像の感じも相まって、ちょっと昭和感、レトロ感があるんです。それがかなり私の好きな感じだったので、テンションが上りました。
伊藤:おしゃれだった〜。「Now On Air」を、かなり先に録っていたんですけど、「STAND BY YOU」を見たときに、「ON AIR」と「STAND BY」だ!って思ったんです。ラジオブースの収録中と収録後に出る表示ランプなので、おしゃれだなって思いました。
豊田:今気づいた! オンオフだね。おしゃれ!
伊藤:映像も、2人(夕陽とやすみ)のMVみたいな感じで作られていて、振り付けもついているし、リップシンクもあったりして素敵だったので、声優の2人の延長線を見せてくれているような気がして、素敵でした。
[取材・文・写真/塚越淳一]
『声優ラジオのウラオモテ』作品情報
あらすじ
「「コ―コーセーラジオ~!」」
「この番組は、偶然にも同じ高校、同じクラスのわたしたちふたりが、皆さまに教室の空気をお届けするラジオ番組です!」
声優としてもクラスメイトとして、と~っても仲良しなふたりのほんわか声優ラジオがスタート・・・・・・というのは「オモテ」の話。
夕陽の素顔は根暗な地味子、対するやすみは生粋のギャル。見た目も性格も正反対なふたりは、口を開けば大ゲンカ。
「・・・・・・・何その眩しさ。本当びっくりするくらい普段とキャラが違うな、いつもの根暗はどうしたよ?」
「あなたこそ、その見た目で可愛い声を出すのはやめて」
収録が終わればそこは修羅場、嫌味と罵りの嵐が吹き荒れる!
こんなやつと一緒にラジオなんて、絶対に無理! でも、オンエアは待ってくれない・・・・・・! 前途多難な声優ラジオ、どこまで続く・・・・・!?
プロ根性で世界をダマせ!バレたら終わりの青春声優エンタテインメント、NOW ON AIR!
キャスト
(C)2023 二月公/KADOKAWA/声優ラジオのウラオモテ製作委員会