「いろはちゃんとこむぎちゃんがペアであるように、私自身とお友だちがペアになったつもりで、お歌を届けたい」 プリキュアシンガーとしての進化が止まらない!『わんだふるぷりきゅあ!』オープニングを彩る吉武千颯さんインタビュー
レコーディングは「気合いが入りすぎてしまって」
――先日エンディング主題歌を歌われる石井さん、後本萌葉さんにお話をうかがっていたんです。すでに「わんだふるぷりきゅあ!evolution!!」が「推し曲」になっているという話をされていました。頭から離れない!と。
吉武:嬉しい! 早く読みたい!(笑)
――吉武さん自身は「わんだふるぷりきゅあ!evolution!!」を聴いたときどのような印象を抱きましたか?
吉武:初めて聴いたときからめちゃくちゃワクワクして、これぞわんだふる〜!って思いました! こだま(さおり)さんの歌詞を見ていても楽しいし、EFFYさんのサウンドも聴いていても、いろいろな音が弾んでいて楽しいんです。〈今日もいっしょに遊ぼ♪〉のところの音も大好き! かわいい! 「ここ好き〜!」って思うポイントが、歌詞にも、メロディにもいっぱいあります! 「これをいろいろな場所で歌わせてもらえるんだ」って思うと、楽しみが膨らんで、ワクワクがひろがりました。
――音と戯れているような気持ちになります。なにより吉武さんの歌声が本当に笑顔で溢れていて。こだまさんはこれまでたくさんのプリキュアソングを、そしてEFFYさんは「Try Try Try」なども手掛けていますが、おふたりの愛もすごいなって。
吉武:私もおふたりのお歌を歌わせていただけて、めちゃくちゃ嬉しかったです。レコーディングにおふたりとも来てくださって…! とても嬉しかった〜! 休憩中にはお話したり、お菓子を食べたり(笑)。和気あいあいとしていました。
――楽しそうなレコーディングですね。
吉武:でもめちゃくちゃ緊張しちゃって(苦笑)。最初通して歌ったときに井上さん(音楽プロデューサーの井上 洸氏)に「気合いが入りすぎです」というフィードバックをいただきました(笑)。相当気合いが入っていたんでしょうね。いつもどおり歌っていたつもりだったんですが「もうちょっと力抜いてください」と。
――無理もないですよね。吉武さんは普段から『プリキュア』シリーズの曲を聴かれていて……。
吉武:ただ、今回は前日までいただいた曲を聴きすぎて、「逆に聴かないほうが良いかもしれない」と思ったくらいだったんです。それで直前の電車の移動中は、違うプリキュアソングを聴いて……。
――違う曲を(笑)。どのあたりから自分らしく歌えるようになりました?
吉武:どこだっけかな? 井上さんにご指摘を受けて「あっ、めちゃ気合い入ってる!」って思って少し肩の力を抜いたんです。それと、テレビで流れる1番を歌い終わった時に、皆さんのいる場所で聴いたときに「ふーっ」と少しだけ力が抜けたような気がします。でもずっと緊張はしていました。
――でも吉武さんはいつも緊張されるって言ってますものね。
吉武:(照れたように)緊張しちゃったぁ、てへへ……。本当に、いつもめちゃくちゃ緊張してしまうんですよね。レコーディングでは緊張しなくなってきたのかなって思っていたんですけど、この曲はすごく緊張しました。なんでなんだろう? 緊張が溶けるまでにすごく時間が掛かってしまって、自分でもどうしたら良いか分からなくなってしまって、どこの力を抜いたらいつもの自分に戻れるんだろうと……身体の中で不思議な現象が起こっていました(苦笑)。
音楽づくりで意識したのは“一対一”
――こむぎといろは、ふたりの旅がはじまることを予感させるような、ワクワクがひろがっていきますね。
吉武:そこはすごく意識しました! オープニングは最初に流れるものなので「今日はどんな物語なのかな?」「どんな冒険がはじまるのかな?」ってみんなが思ってもらえるようにと思っていました。
いつもはそのシリーズのプリキュアみんなに向けて、聴いてくれているお友だちみんなに向けて、歌手として「ここはこの子に歌いたいな」とか、そういった気持ちが自分の中にあるんです。でも今回の曲は“一対一”というか。『わんだふるぷりきゅあ!』は、こむぎちゃん、いろはちゃんがペアであり、バディであり……“一対一”であることを意識して、どう歌っていくかを作っていったんです。そこは自分の中でいつもと違ったところだったのかなと思います。
お互いがお互いのことを本当に大好きじゃないですか。私自身も実家でワンちゃんを飼っているので、「ここは飼い主の気持ちで歌いたいな」「ここはワンちゃんのほうかな」とか、いろはちゃん・こむぎちゃんの立場になって歌っていきましたね。
――冒頭の〈大好き止まらない!わんだふるぷりきゅあ!〉は、『わんぷり』を象徴するような明るさであると同時に、吉武さん自身の名乗りにも感じました。
吉武:わあ、本当ですか。オープニングって最初に名前が入っているじゃないですか。〈プリキュア〉にまつわるワードを歌うことはあっても、主題歌で、フルで題名を言うのは私は初めてだったんです。そこもすごく嬉しくて、「オープニングを歌わせてもらっているんだ」と実感したひとつでしたね。ズシッときたところでもありました。
――落ちサビの〈きらめく世界で ココロ元気わんだふる!〉では音が少しだけ静かになって。声色の表情も少しだけ変わるものの、吉武さんの歌声で光を導くような、明るい展開だなって。
吉武:練習の時にすごく迷っていたところでした。楽器が少なくなるから、歌も少し落としたほうが良いのかなって思ったんですけど、そうじゃない方向にしました(笑)。ハンズクラップも入っていたし、楽しみつつも、他のサビとは少しだけ雰囲気を変えられたら良いなって。いっぱい考えた上でレコーディングに挑んで、そしたら「このままでいきましょう」と言ってもらえたので、少しホッとしました。
――ライブではどうなるのかも楽しみですね。
吉武:まだフルで披露していないので、どうなるのかなって。シンプルに自分の体力が心配ではあります。
――ダンスが……ライブでフルでとなると、すごいことになりそうですね!
吉武:そうなんです。わりと、というか、めっちゃ踊るので(笑)。
――本編のボーカル以外にも、いろいろなところにお声が入っているじゃないですか。それがまた曲を華やかにさせている印象があります。
吉武:そうなんです! 掛け声というか、ガヤと言いますか。今までにないくらいの多さで! そこのレコーディングもすっごく楽しかったです! 〈わんだふる〜〉って言葉も、何回もいろいろなパターンで録りました。最後の最後に録っていたんです。その時はもう緊張がなかったので(笑)、全力で、楽しくレコーディングしていました。