「三馬鹿(すずめ、弥生、佳穂)」とそれを見守る「お母さん(沙里)」!? 『響け!ユーフォニアム3』夏川椎菜さん、松田彩音さん、寺澤百花さん、陶山恵実里さんが1年生仲良し4人組の魅力を語り合う【連載第4回】
4月よりNHK Eテレにて毎週日曜午後5時から放送中の『響け!ユーフォニアム3』。
4月21日に放送された第3話では、厳しい練習により1年生部員が集団ボイコットを起こしそうという噂もある中、1年生の仲良し4人組、釜屋すずめ、上石弥生、針谷佳穂、義井沙里が同じ日に練習を欠席。心配になった部長の黄前久美子は、新入生指導係の加藤葉月、剣崎梨々花と一緒に、風邪を引いたという沙里の自宅を訪ねるのですが……。
アニメイトタイムズではキャスト・スタッフへのインタビュー連載を実施中!
第4回は、1年生キャスト4人による座談会を実施。釜屋すずめ役・夏川椎菜さん、上石弥生役・松田彩音さん、針谷佳穂役・寺澤百花さん、義井沙里役・陶山恵実里さんに、個性豊かな4人の魅力などを語り合ってもらいました。
前回のインタビュー
すずめは元気で明るいだけの子ではなさそうだなと感じた
――皆さん、テープオーディション(録音した音源によるオーディション)を経て本作への出演が決まったと伺っているのですが、キャラクターの第一印象やオーディションに関するエピソードを教えてください。まずは、夏川さんからお願いします。
夏川椎菜さん(以下、夏川):いただいた資料を見たとき、耳みたいなものが付いた髪型がすごく印象的で、ちょっと濃いキャラだなと思いました。それに、オーディション用の原稿の中に、1話で話す自己紹介が書いてあって。「好きな言葉はニラレバ炒め。嫌いな言葉は新興住宅」というワードチョイスもよく分からないし、不思議な子なのかなって(笑)。ただ元気で明るいだけの子ではなさそうだなと感じながら、「どうやろうかな? ちょっと癖の強い感じの方が良いかな?」と思って録音しました。
――癖が強すぎて、逆に役作りが難しそうな気もします。
夏川:そうなんですよ。つかみどころがないというか……。ただ、(3年生の)つばめの妹ということで、つばめの資料も一緒に載っていたんです。それを見ると、つばめはすごく面倒見が良くて、良いお姉ちゃんなんですよね。私自身は妹が二人いて長女なので、つばめの方が理解しやすかったんです。なので、「この姉と一緒に育った妹って、どんな子なんだろう」と考えて。ただお気楽な感じじゃなくて、お姉ちゃんに似ているところもあるのかなと想像しながら録音しました。
――松田さんは、どうでしたか?
松田彩音さん(以下、松田):祖母の家が京都にあるので、昔からよく京都へ行くのですが、声優を目指し始めた中学生の頃、京都でポスターを見て『ユーフォ』のことを知り、大好きになったんです。こんな作品に出られたら良いなとずっと思っていたので、テープオーディションのお話をいただいたときは、受けられるだけでも幸せだなって思いました。
でも作品への思いが強かったので、受かりたいという気持ちもやっぱり強くて(笑)。アニメを全部観返したり、原作を買って読んだり。あと京都には、願いを叶えてくれるということで有名な「鈴虫寺」というお寺があって。そこへお願いに行ったりもしました。そのくらい合格を願っていたので、ご連絡をいただいたときは、夢なのかなと思うぐらいでした。
――オーディションテープを録音したときは、どのようなことを意識されたのですか?
松田:いただいた資料を見た第一印象で、ちょっと大阪のおばちゃんっぽいノリの子だなと感じて。お調子者という風にも書かれていたし、ニヤニヤしている感じの表情の絵も多かったので、そういったところを意識しました。
――次は寺澤さん、お願いします。
寺澤百花さん(以下、寺澤):私も元々、この作品が大好きで、視聴者として「3期、楽しみだな」って思っていたときにオーディションのお話をいただいたので、すごくびっくりしました。最初に観たのは4年くらい前なのですが、自分も吹奏楽部だったので、すごく感情移入できるシーンも多いし、めちゃくちゃハマりました。
――ちなみに、楽器は何を担当していたのですか?
寺澤:パートはパーカッションで主にティンパニを担当しておりました。大きい動きのほうが得意なので(笑)。
――カッコ良いと思います。では、吹奏楽部時代を思い出しながら、『ユーフォ』をいちファンとして楽しんでいたわけですね。
寺澤:はい。でもそれだけではなくて、何よりも出演されている声優さんの繊細でリアルな演技が大好きで。自分もこういう演技をしてみたいと思って、好きなシーンを何回も繰り返し観たり、セリフを書き起こして自分で読んでみて録音し、皆さんのセリフと聴き比べて勉強したりしていました。
――オーディションでは、どのようなイメージで佳穂を演じたのですか?
寺澤:見た目的にもおっとりとしていて、資料にも「アルパカみたいな感じ」と書かれていたと思います。なので、すごくおっとりしている子なんだろうなと思って、オーディションの時は、ゆっくりゆったり、ふわふわと喋ることを意識しました。
――最後に陶山さんも、オーディションについて教えてください。
陶山恵実里さん(以下、陶山):私も大好きな作品だったので、オーディションを受けさせていただけるだけでも感無量でしたが、合格できて本当に嬉しかったです。私も「豊川稲荷(東京別院)」さんという神社へお参りに行ってお願いしたのですが、沙里ちゃんの家も神社なんですよね。そのことにも、すごく縁を感じました。
それに、オーディションの資料を読んだときも、すごく自分に近しいキャラクターだなと感じて、セリフの一つ一つに共感しながら演じることができました。沙里ちゃんは一見、おとなしそうに見えるけれど、ちゃんと芯があるし、だからこそ葛藤もある子です。その雰囲気は、オーディション用のセリフの中にも表れていたので、それを心がけて演じました。
弥生は明るいパワーを振りまく太陽みたいな子
――次は、せっかくの座談会なので、4人の印象や魅力を皆さんで語り合っていただきたいと思います。まずは、すずめに関して伺っていきたいのですが、夏川さんも3話までの内容を含めて、改めて印象を教えてください。
夏川:ちょうど3話で描かれましたが、やっぱり食えない感じの性格だったなと思いました(笑)。何も考えていないようで、けっこうちゃんと考えているし、周りが見えていないようで、意外と細かいことに気づけるタイプで。あとお洒落さんで、(劇中で)日にちが変わると、眼鏡の色が変わるんですよ。きっとお家に眼鏡ボックスがあって、「今日はこのセーターだから、これにしよう」みたいな感じでメガネを変えているのを想像すると微笑ましいですよね。
陶山:私も見ていて策士な子だなって感じました。おちゃらけたりして、飄々としているんですが、洞察力も高くて。この4人の空気を裏で作っているのは彼女なんじゃないかなって。
夏川:裏番長だ(笑)。
陶山:そう! 裏番長(笑)。もしかしたら、最初にこの4人が仲良くなるきっかけを作ったのはこの子なんじゃないかなって想像したりもしました。
夏川:すずめと弥生はタイプが似ているから仲良くなるのも分かるんです。でも佳穂と沙里は、たぶんクラスでもおとなしめのタイプ。その二人も引っくるめて「ヨンコイチ」みたいになっているのは、すずめの力でもあったりするのかなって私も思います。
寺澤:ちょっとお騒がせなキャラではあるんですが、何よりもみんなに愛される「天性の妹キャラ」だと感じていて。あと、不思議ちゃんなところも魅力的だなって思います。突っ走っちゃったりもするけれど、それを全然カバーできる愛くるしさが彼女の魅力だなって思います。
松田:私の思うすずめちゃんの魅力は、言いたいことを言えるところ。そこも妹気質なのかもしれませんが、みんなが日和(ひよ)っちゃって言えないようなことも、素直にガンガン言ってくれるところがすごく良いな、友達に欲しいなって思います。
夏川:4人で遊ぶときも、たぶんすずめが「あれやりたい!」とか言い出しっぺになって。最終的には、沙里ちゃんあたりが相談しながら計画をまとめてくれるのかなって(笑)。
松田:想像つきますね(笑)。
――次は、弥生についての印象や魅力を教えてください。
松田:弥生ちゃんは、周りにすごく元気を与えられる子だなという印象が一番にあって。例えば、1話で自己紹介するシーンもそうなのですが、入部したばかりの1年生が先輩の前であんなギャグを言うとか、普通はできないと思うんです(笑)。
夏川:本当にハートが強いよね(笑)。
松田:学校って、3話みたいにちょっとした問題が起きたり、何かで重たい空気になったりすることがあると思うんです。でもそういう時、周りに明るいパワーを振りまいてくれる弥生ちゃんみたいな子がいると心が明るくなりますよね。本当に太陽みたいな子だなって思います。
夏川:私の中では、すずめの相方というイメージが最初からあって。すずめは天然で何も考えずにやっているタイプなんですが、弥生はちゃんとネタを考えてやるタイプ。きっと「ここでこう笑いを取る」みたいに計画をしているんでしょうね(笑)。本当にいるだけでその場が明るくなるし、すごく素敵な子だなって思います。
寺澤:私は、「面白い常識人」だと感じています。すずめに乗っかって、いつもおふざけしている、すごく面白い子なんですが、突っ走ることはなくて。荒波を立てることもないし、ちゃんと周りを見る子なんだなと感じていて。お調子者だけれど、平和主義なムードメーカー的存在の子という印象があります。
陶山:私も、周りを見る能力にすごく長けている子だなって思いました。4人とも、そういうタイプではあると思うんですが、その中でも特に周りを見ているし、さらに笑いも取りにいく。それって技術もメンタルも必要なことだと思うし、本当に芸人さんに向いている子だなって思います(笑)。ちょっとしたことでは凹まないポジティブな強さも持っているんですが、3話のマーチング練習のシーンで、佳穂ちゃんが(高坂)麗奈先輩に注意されているのを見て、少し表情を曇らせるじゃないですか。あのシーンはすごく胸が痛くて、「いつもみたいに笑って」という気持ちになりました。