想いの強さはヒーロー以上! 最終決戦に向かう敵(ヴィラン)たちの信念ーー『僕のヒーローアカデミア(第7期)』死柄木弔役・内山昂輝さん&荼毘役・下野紘さんインタビュー
アニメ『僕のヒーローアカデミア』シリーズの第7期が2024年5月4日より放送開始! 第6期「全面戦争編」を経て、劣勢に立たされたヒーローたちですが、雄英高校の1年A組の面々は再び一致団結し、強大な敵(ヴィラン)たちに立ち向かいます。
放送を控える中、アニメイトタイムズではキャスト陣にインタビューを実施! 今回は敵(ヴィラン)キャストから死柄木弔役・内山昂輝さん、荼毘役・下野紘さんに第6期を振り返った感想、互いのキャラクターの印象、そして第7期の見どころを語っていただきました。
抑圧から開放された「ダビダンス」
ーー第6期を振り返って印象的な場面を教えてください。
死柄木弔役・内山昂輝さん(以下、内山):第6期は……。
荼毘役・下野紘さん(以下、下野):いっぱいありすぎたもんね。僕はやはり「ダビダンス」(第124話)です。本当にそれまでなにも言えなかったことが苦しくて! それがようやく放出できた瞬間でした。僕自身、燈矢が瀬古杜岳で修行していたように何回も原作を読み込んでいて。第6期はいろいろありましたが、「ダビダンス」が一番だと思っています。
ーー当時の収録はどんな様子だったのでしょうか?
下野:(エンデヴァー役の)稲田徹さん、(轟焦凍役の)梶裕貴くんと一緒に録りました。なによりも「ダビダンス」でエンデヴァーと焦凍と戦うシーンを心待ちにしていたので、どんなオーダーがきても何度でも一連の流れを演じてやる、という気持ちでアフレコに挑んでいて。だからこそ録り終えて、「もう終わりですか!?」「2、3回しか録っていませんよ?」と思ったりしました。
これまで荼毘を演じていて、ずっと抑圧されていた感覚があり、どう演じていいのかわからなかったんですよ。声を張るタイプではないですし、なにを考えているのかわからないのに意味ありげなことを言うし(笑)。
ーー「ダビダンス」では想いを爆発させていましたね。
下野:あの告白は楽しかったと思います。そして自分の中にある複雑な思いを断ち切ることができたはずなので、今はもう自分の中にある全てを父親にぶつけることしか考えていないんじゃないかな。
内山:うんうん。
下野:僕の考えとしては、荼毘は一度死んでいるからこそ、生き続けるだったり、目的を達成した先は考えていなくて。だからこそ“荼毘”の名前で通してきたんです。だからこの先は、今ある力や肉体、魂のすべてをぶつけることしか考えていないと思っています。
ーーでは第7期において演技面に大きな変化はないと。
下野:ないです。むしろいろいろなものを出せるようになって良かったなと思っています。
ーー荼毘に関しては「ダビダンス」以外にも、「火の不始末」(第130話)も印象的です。
下野:原作を読んだときに「こういう理由だったのか」と知りました。この作品は、荼毘に限らず、敵(ヴィラン)連合のキャラクターたちそれぞれに生い立ちがあります。僕としては、それらを見たことで「俺たち(敵(ヴィラン))のほうが正しいのでは? 正義なのでは?」という想いが生まれましたね。
ーーたしかに、敵(ヴィラン)側のストーリーを見て、それだけの信念が伝わってきました。
下野:重さが違うんですよね。そういう意味では最終決戦に至るまで、ヒーローたちがどういう想いを持って我々にぶつかってくるのか気になりますね。現段階では敵(ヴィラン)の想いの方が強いと思いますし、力もかなりあるので。勝ち確かなと(笑)。
ーー内山さんもヒーローを打ち倒す気持ちで?
内山:もちろん、初登場したときからそのつもりです。敵(ヴィラン)という立場だから視聴者や読者の中にはよく思っていない方もいると思いますが、キャラクターたちはそれぞれの信念に基づいて行動している、という考えで演じています。
ーー内山さんは第6期を振り返っていかがでしたか?
内山:僕は死柄木がオール・フォー・ワンに乗っ取られていく展開が原作を読んでいるときから印象的でした。それと同時に、アニメでどう描かれるのか気になっていたんですけど、オール・フォー・ワン役の大塚明夫さんと声を重ねる演出があって。ここは演じるうえで大変だったので、そういう意味でも印象に残っています。
ーーどんな収録だったのですか?
内山:大塚さんが先に収録したものを僕が家で聞いてトレースしました。大塚さんの演技を聞いて、素材としての強さ、抑揚の付け方が独特だなと感じて。何度も何度もお声を聞いていたことを覚えています。