声優
古賀葵が振り返る声優になるまでの軌跡【インタビュー】

声優という職業は「私にとって生きている意味」。引っ込み思案な自分が嫌だった。だからこそ、自由に生きているアニメのキャラクターに憧れたんです──古賀葵さんが声優になるまでの軌跡を振り返る

初心の気持ちを忘れず、日々の仕事に挑んでいきたい

――古賀さんは「第15回81オーディション」で羽多野渉さんと司会をされていました。声優の原石となる人たちを直接見て、その印象はいかがでしたか。

古賀:当時はコロナ禍だったこともあり、より厳かな雰囲気の中で始まったことを覚えています。その一方で、オーディションに参加される皆さんたちの「ここに掛けるぞ」という熱い想いも伝わってきました。だからこそ、こちらもピリッとする瞬間があって。でも羽多野さんがどうにか緊張をほぐそうと、とても優しい言葉でフォローされていたんです。私自身も、万全の状態でオーディションを受けて欲しいと思っていたので、なるべくにこやかにというのを意識していました。

やっぱり……すごいですよね。皆さんそれぞれに個性がありました。ここまで勝ち抜いて来られただけあるなっていう、心の強さを持たれていた印象があります。

――その中で、ご自身の初心を思い出すことはありましたか。

古賀:ありました。最初に「81ACTOR'S STUDIO」のオーディションを受けたときのことを思い出して。でもそのとき受けたオーディションの形式とは違って、「81オーディション」はものすごい大舞台。しかもライバルたちもいて、配信もあるしっていう、特殊な環境。その中で自分の精一杯を出している。その姿に心を打たれました。自分も初心の気持ちを忘れず、日々の仕事に挑んでいきたいなと思っていました。

――「81オーディション」に限らずかもしれませんが、参加してみたいけど勇気が出ない、何かに挑戦したいけど踏み出すのは怖い、そうやって迷われている方に古賀さんから何かアドバイスするとしたらどうでしょう。

古賀:とりあえず履歴書を出すだけでも良いと思うんです。まず一歩を踏み出すことが大事で。それで次に進むこともあるでしょうし、挑んだという経験が自分をまた強くしてくれるし、自信になる。

何事も一歩を踏み出す時って、ものすごく勇気がいると思うんですね。でも、いつか「あの時、一歩踏み出せて良かった」と思う日が来るはず。迷っているのだったら絶対にやったほうが良いと思います。参加されていた皆さんを見ていても、自分で踏み出した一歩のおかげで、ここに立っているんだという自信が表情に出ていると思うんです。今の声優はマルチに活動する機会がありますし、その本番に向けての第一歩としては、すごくいい経験にもなると思います。

壁にぶつかる度に「生きているな」と実感できる それが声優

――それぞれの事務所に個性があると思うのですが、81プロデュースは古賀さんから見てどのような事務所なんでしょうか。

古賀:とても個性を尊重してくれる事務所です。自分のやりたいことを受け入れてくれて、一緒に考えてくれています。全員役者でありながらも、マンガや本を書かれる方もいますし、アクセサリーを作られている方もいるし。「何足わらじを履いているの?」って方がたくさんいます。

「自由にやって良いよ」って言っていただけることって、すごくありがたいことですし、実際にすごく自由にやらせてもらっていますね。私の場合は趣味がマンホールの蓋探しで……変な趣味、ってわけじゃないんですけれども(笑)、伊豆に旅行した時に見かけたデザインマンホールがきっかけでハマってしまったんです。マンホールって本当に多種多様で、大好きなんです……この話をしているとついつい長くなってしまうんですけれども(笑)。

時にはその趣味をお仕事につなげてくださることもあります。テレビ朝日の番組『まんが未知』という番組がきっかけで、『マンホール戦記アオイ』というマンガの原案も担当させていただきました。イラストは北嶋 一喜先生が担当してくださっています。

――役者という職業を全うするにあたっては、視野を広げて、いろいろな“好き”を見つけることも大切なのですね。それも表現に返ってくる。本日は多岐にわたるお話を伺いましたが、改めて「やってて良かった」と思う瞬間についてもうかがいたいです。

古賀:大変なことも、苦労をすることも、一生続くんだろうなとは思っています。でもその壁が毎回できることって、すごくありがたいことでもあって。その壁にぶつかる度に「生きてるな」と実感することも、人として成長することもできる。「この作品を見て頑張ろうと思いました」という声をかけてくれる人もいる。そして、その応援によってまた頑張れる。必ずどこかで見てくれる人がいるというのが、声優の素敵なところだなって思います。私にとって、生きている意味を感じられる仕事です。

[インタビュー・逆井マリ 撮影・編集・鳥谷部宏平]

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81オーディション概要

【名称】
第18回81オーディション<エイティワンオーディション>

【主催】
株式会社81プロデュース

【開催日(予定)】
応募期間 2024年4月1日(月)0:00~2024年5月10日(金)23:59エントリー完了
2次審査 東日本(東京)会場:2024年6月8日(土)・6月9日(日)
     西日本(大阪)会場:2024年6月15日(土)・6月16日(日)
 *2次審査は上記日程のうち、いずれかの日で1時間程度の拘束を予定しております。

最終選考 2024年8月1日(木)
 *主催者の都合や天災等の事情により、日程は変更される場合もございます。

【会場】
東京都内を予定

【応募受付期間】
2024年4月1日(月)0:00~2024年5月10日(金)23:59エントリー完了

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