愛美さんが約2年ぶりにニューアルバムをリリース！　「LIVE IT NOW」発売記念インタビュー｜「愛美が感じた“今”を表現したアルバムです」

新録曲含めて生命力を感じる楽曲がずらり

――そんな「メリトクラシー」も含めて、今回は新録曲もバラエティ豊かな楽曲が揃っています。1曲目の「オネシャス！」から、それぞれサウンド感などご紹介いただけますか。

愛美：「オネシャス！」は、BRADIOさん節が全力で詰まった楽曲ですね。今回は全体的にライブを意識した楽曲を集めたいなと思っていて、BRADIOさんにはその中でもひときわアクセントになるような楽曲にしていただきました。

サウンドがめちゃくちゃかっこいいんですよ。みんなで踊れそうなパートや歌えそうなパートがふんだんに入っているので、ライブ前には予習動画みたいなものも出したいなと思っています。

――「オネシャス！」を1曲目にした理由も教えてください。

愛美：この曲には、ポジティブな明るいオーラがあるなと思ったんですね。今回のアルバムには生命力を感じる楽曲が揃っていますけど、その中でもひときわ未来を感じるというか、このアルバムを明るく引っ張っていってくれるようなオーラです。

「そういう気持ち、わかるよ」って、全部受け止めてくれたうえで「大丈夫！」と言ってくれるような、リーダーみたいな曲だなと、直感的に「この曲が1曲目だ」となりました。

――こちらも新録曲の「C'est la vie drive」。これは、どういった印象の曲でしょうか。

愛美：王道ロック。ライブでも絶対みんな好きだよねっていう曲ですね。実は、愛美の中で王道曲ってそんなに多くないんですよ。タイアップだと作品の色を考えるし、せっかく作るなら王道じゃなくてちょっと外してみたいなという思考になっちゃったりして。あまのじゃくなところがあって、変化球を望みがちなんです（笑）。

でも、ライブでセットリストを考えるとやっぱりどストレートな王道がほしいなと。愛美のイメージど真ん中の曲を、嘘とカメレオンの渡辺壮亮さんが作ってくださって、嬉しかったです。

――そして「5&I」は、「愛世界」や「君こそ僕の世界だった」でもタッグを組んだKITA.さんが作詞作曲された曲ですね。

愛美：このアルバムの中では、ちょっと色が違う曲かなと思いますね。並べた時に、ちょっと肩の力が抜けるというか。人生についてラフにとらえられる曲かなと。生まれ変わってもまた会えると思ったら怖くないというか、あたたかい気持ちで今を大事にしたいという想いを込めました。

私も生まれ変わりは信じていて。例えば、人生何度目かな？って感じる人と出会うこと、あるじゃないですか。50回くらい人生やっているんじゃないかと思うくらい達観している人とか（笑）。

前世の記憶があるわけじゃないけど、生まれ変われると思うと気が楽になる。でも、だからと言って今をおろそかにするわけじゃなくて、この目で見るこの世界は1度きりだから愛していきたい。今のつながりも大事にしたいなと改めて思えるような、いろんな視点がある曲だなって思っています。

▼「愛世界」収録作・試聴

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▼「君こそ僕の世界だった」収録作・試聴

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作詞した「if」のテーマは“後悔先に立たず”

――「if」は、愛美さんの作詞曲。どういったコンセプトで書かれたのでしょうか。

愛美：後悔先に立たず、ですね。もしあの時こうしていたら、あの言葉を伝えていたらって、後悔する時っていろんなifの選択肢を考えると思うんですね。そんな想いが軸になっているんですけど、とあるゲーム作品で自分が演じたキャラクターを取り巻く環境とか、関係性に着目して、そこに焦点を当てて書きました。

なので、わかる人にはすごく刺さる曲なのかなと。「LIVE IT NOW」という今回のテーマに、すごくはまるなと思って、そこを掘り下げてみた感じです。

――特にこだわったフレーズは？

愛美：「あのときよりも確かに キミのことをわかってみせる」という言葉かな。成長した今だったら、あの時の言葉がわかるのに……と思うことってあるじゃないですか。今、知識をいろいろ持った状態でもう1回声優デビューやり直したいな、みたいな。

でも、やっぱり時間を戻すことはできないし、叶わない。「わかってみせる」というちょっと希望的観測や意志もありつつ、「わかるよ」と断定せずに歩み寄りの心もあって。

でも、相手にしたらわかられたくないかもしれない。別の視点から見たら独りよがりな気持ちでもあったりして。自分でもどうしたらいいのかわからない感情を、この文章で表すことができたのかなと思います。

――サウンド的にもすごくシンプルですよね。

愛美：もともとデモの段階では、ストリングスとか打ち込みのリズムが入っていたんですけど、私からお願いして全部なくしてもらったんです。なんか、それがすごく援護射撃に聞こえる感じがしたんですね。

この歌詞に書いた気持ちって、その対象に向けて1対1でしか言えない気持ちなんですけど、ストリングスが入ってくることによってオーディエンスがいるみたいな感覚になってしまって。

応援されて「がんばったね」と外から盛り上げられている気持ちになっちゃって、この楽曲で私が表現したかったことはそれじゃない。誰にも見られたくない気持ちだから、と思ってめちゃくちゃシンプルにしてもらいました。1人、弾き語りで歌っているような感覚です。

――アルバム本編の最後「will」は、どんな曲でしょうか。

愛美：これは、宮田‘レフティ’リョウさんに作っていただいたんですけど、もともと私はレフティさんの曲がすごく好きだったこともあって、今回お願いさせていただきました。私が好きなレフティさんの楽曲のエッセンスも入れてくださったんですよ。ぜいたくですよね。

――レコーディングはいかがでしたか。

愛美：レフティさんから「生感を大事にしたい」と言われたので、感情のままにというか、粗削りになってもいいから一生懸命さが伝わる歌というのを意識しました。

あと、キー設定。かなり試行錯誤しました。というのも、歌いだしの最初の1行の歌詞がすごく大事で、私はそこがこの曲のテーマだと感じたから、ここをしっかりと自分が歌えるキーでみんなに届けたいなと思ったんですね。

でも、そうなると他のパートが生きなくなってしまう。逆にサビとかが物足りなくなっちゃうかも、ということでレフティさんから最初の1行は歌いやすいキーで、そこから転調するのはどうか、と提案をいただいて今の形になりました。

私の意図をくんでくださって、最善の提案をしていただけたのは本当に嬉しかったし、そういうやり方もあるんだというのを学べたのが大きかったです。

――そして、ボーナストラックには愛美さん作詞作曲の「はれるといいよね」。またガラッと雰囲気が変わるかわいい曲です。

愛美：ボーナストラックに関しては、毎回別枠でとらえていて、その時に思いついた表現と思いついた歌詞で作っている感じなんですけど、いつかこのボーナストラックだけを集めたアルバムとかも作ってみたいですね。すごく自由な感じになりそうですけど（笑）。

「はれるといいよね」は、雨の日に傘をさすのが面倒だなという気持ちがもとになっています。あとは「すこやかにちようび」って書いたら、なんとなくポジティブになるかなって（笑）。