音楽
俊龍が1stライブで感じた“Sizukをやる意味”|「奇跡」リリース記念インタビュー

「Sizukをやる意味」を1stライブでお客さんが教えてくれた――Sizuk 9thシングル「奇跡」作曲家・俊龍さんインタビュー|スタートから約1年半で実現できたこと、これからやりたいことを語る

2007年のデビュー以降、アニメ・アイドル楽曲を中心に数々の印象的な曲を生み出し続ける作曲家「俊龍(しゅんりゅう)」さん。

自身の活動と並行して、歌い手・作詞家・編曲家・イラストレーターなど様々なクリエイターと共同制作を行う音楽プロジェクト「Sizuk(シズク)」が、2023年1月より展開中です。

Sizukの最新楽曲となる、9thデジタルシングル「奇跡」が、2024年5月15日(水)にリリースされることを記念し、 俊龍さんへインタビューを実施!

TVアニメの放送を控える『パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき』のイメージソングとなる本楽曲の聴きどころはもちろん、Sizukのプロジェクト開始から約1年半を振り返っての感想、今後の展望などを伺いました。

温かさ、カッコよさ“だけ”じゃない、作品の雰囲気が掴みやすい楽曲

――「奇跡」はアニメ化が発表されている『パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき』のイメージソングとなっています。どんなイメージで楽曲を制作されたのでしょうか?

俊龍さん(以下、俊龍):制作にあたり、原作を読ませていただきました。前のパーティから追放された主人公(ラウスト)に、ナルセーナが声をかけパーティを組むことで物語が始まるわけですが、その前段階にふたりとも孤独な時期があるというのが印象的でした。

制作する上では、Sizukで今まで作ってきた系譜とはちょっとだけ違うような佇まいの曲にしようと思ったので、割と凛とした雰囲気になったかなと。岩里(祐穂)さんの歌詞や、Kotohaさんの歌唱によって、温かさを感じられるメロディになっていればいいなと思います。

また、ある程度の疾走感というか、冒険をしているような展開は必要だと思ったので、「尖ったリフやイントロのフレーズを作ってやろう」という感じではなく、最低限の響きのメロディやイントロのフレーズを作って、あとの肉付けはお任せしようと考えつつ臨みました。

――いつもの「バーン!」という雰囲気ではなく、全体的にゆるやかな印象で、草原のようなイメージを持ちました。そういった楽曲だからこそ岩里さんにお願いされたのかなと。

俊龍:そうですね。攻め攻めで行こうというよりかは、聴いてくださった人に「どういうアニメなんだろう?」とか「Sizukってどんな活動をしているんだろう?」と興味を持っていただけたらいいなと思って作りました。

――“俊龍楽曲”の新たな一面が感じられました。アレンジの伊藤翼さんには、最初にお願いするときに細かくイメージを出されたのでしょうか?

俊龍:いつもは制作担当とアレンジャーと自分で打ち合わせをすることが多いんですが、今回はちょっと時間が合わなくて、制作担当と伊藤くんのみでやり取りをして。仮歌の前後くらいに、どんなアレンジの持っていき方をしたのか、途中経過を聴かせていただいたんですが、もう微調整というか、「ここはこういう感じで」「今こうだけど、キーが決定してから肉付けします」くらいのやり取りのみでした。

――スムーズに進んだんですね。伊藤さんとは以前からお仕事をしているのでしょうか?

俊龍:実はこういうタッグは初めてだったんです。ただ、作詞を自分、作曲を伊藤くん、編曲をヒゲドライバーさんが担当した、『Re:ステージ!』の「私たち、四季を遊ぶんです!!」という曲のレコーディングのときに何回もお会いしましたし、ライブなどでもお会いしていて。生演奏に精通していることも知っていたので、「こういう肉付けをしたいな」と自分からはほぼ伝えていないにも関わらず、予想以上に「こういう曲になったらいいな」という方向に運んでいただきました。

――お互いのお仕事についてある程度分かっているので、想定はできていたものの、それ以上にいいものが上がってきたぞと。

俊龍:もちろん、最低限の肉付けはデモをお渡しする段階で入れていましたが、本当に素晴らしいものに仕上げていただきました。

――ご自身的に、曲作りは時間がかかるタイプ、早いタイプどちらでしょうか?

俊龍:曲によりますね。ドラムも何も入っていない、和音とメロディだけの、例えるなら昔の着メロみたいなものができて、「いい曲になりそうだ」となってから作り始めるので(笑)。そこになるまでにかなり粘るときもあります。この曲に関しては、そこまで時間はかからなかったです。

――岩里さんによる歌詞もこの楽曲にピッタリでした。すごく聴きやすい感じがしましたが、曲を作るときに、「歌詞が乗りやすいか」ということまで考えるのでしょうか?

俊龍:例えば、別の曲であればちょっと早口な感じで、今っぽさであったり、中二病っぽい言葉が入ったらいいな、みたいなイメージで作ることもありますが、今回はロングトーンと、短く細かいところが程よくどっちかに寄りすぎない感じで作りました。

岩里さんは名だたる曲の歌詞を書いてこられた方だからこそ、心の余裕だったり、優しい気持ちに言葉を当てはめるというか、変化球じゃない、包み込むような感じがあって。読んだときに散文的というか、そういう感じで書いていただければいいなと思い、お願いしました。

――岩里さんが書かれる詞は、王道というか、バシっとはまるというか。

俊龍:そうですね。「作詞家として目立ちたいぜ」「爪痕残したいぜ」といった駆け出しの感情ではないというか、自分のために書いていないというか。「この物語と、歌い手にこう伝わったらいいな」という考えが強く感じられて。自分も歌詞を書く身なので、勉強になりました。

――歌詞やアレンジなど総合的に見て、この曲の聴きどころはどんなところでしょうか?

俊龍:楽曲を通して、「こういう物語ですよ」ということが掴みやすいと思います。あとは楽器だったり、生演奏の息吹などが注目ポイントですね。

それぞれがどう感じて表現するかは、作曲、編曲、作詞で違うと思うんですが、やっぱりファンタジー作品ではあるので。そういうサウンドだったり、温かいだけ、カッコいいだけじゃないということを、皆さんそれぞれに表現していただいたので、そこも聴きどころです。

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