しのぶの中にある想い・信念がどんどん強くなっている――『テレビアニメ「鬼滅の刃」柱稽古編』胡蝶しのぶ役・早見沙織さんインタビュー｜柱稽古に参加しないという彼女にも注目してほしい【連載第1回】

「心が動かされるシーンは世界共通なんだな」とワールドツアー上映で実感

――「鬼滅の刃」のアニメは、2019年に放送が始まって、先日もワールドツアー上映が行われるなど、その人気の高さをいろいろなところで実感しますが、この5年で改めて感じた魅力があれば教えてください。

早見：日本だけでなく、世界中で多くの方々に愛されていることは、私もこの5年間で何度も感じました。特に今年はワールドツアー上映で台北と香港に初めて行かせていただいて、現地の方の熱狂的な応援に想像以上の熱さを感じて、すごく感動しました。それくらいの力がある作品なんだなと思いましたし、アクションシーンや映像的に華やかでわかりやすい魅力だけではなく、人の物語に対してとても惹きつけられて、心を動かされていることを今回のワールドツアーで感じたので、心の物語が「鬼滅の刃」の軸になっている大切な要素であり、魅力の一つだなと思いました。

今回のワールドツアー上映は、「刀鍛冶の里編」から「柱稽古編」へという内容です。それぞれの柱稽古での思い出深いシーンや心を動かされたシーンの話をしている時、各地の皆さんも、私たちと同じような心の動き方をしていて、ある時は涙したり、喜んだりされたんだろうなというのが、皆さんの表情やうなずく様子を見ていても感じたので、世界共通で伝わるものなんだなと思いました。

これまでのシリーズで印象深いシーンは、屋根の上での炭治郎との会話

――「刀鍛冶の里編」までで印象に残っているシーンやエピソードをお聞かせください。

早見：しのぶさん的に印象に残っているのは、「竈門炭治郎立志編」の第二十四話で、屋根の上で炭治郎くんと二人でしゃべって、「怒ってますか？」「いつも怒っているかもしれない」と言うシーンがすごく印象に残っています。

基本的に感情を抑えたり、自分の中にある根本的な怒りを、自分が想像している以上に持っている人で、そのことを炭治郎くんが気付かせてくれて。それによってしのぶさんの本質的な部分が垣間見えたのがアフレコの時も印象的でしたし、静かなシーンだけど大きなエネルギーを持っている映像だなと思いました。

――しのぶ以外で、好きなキャラクターはいますか？

早見：たくさんいるので一人に絞るのは難しいんですが……一番見ていて影響を受けたり、ハッとさせられるのは炭治郎くんですね。彼の発する言葉って、対象の人だけではなく、見ている人にもグサグサ刺さるし、それを真っすぐに出せるのは炭治郎くんのすごさだなと感じます。「鬼滅の刃」の主人公って、炭治郎くんじゃなければ務まらないなと映像を見ていても思うので、一番心を動かされたキャラクターだと思います。

　
あとしのぶさんとのやり取りでいうと、蜜璃ちゃんとのやり取りが結構好きで、それほどたっぷり話しているシーンは描かれていませんが、二人だけのかわいい空間があって、お互いに支え合っている部分もあるのではと、二人の関係性もまたいいなと思います。

――初めて演じたときからここまでで、しのぶの変化や成長を感じた点はありますか？

早見：本人の中にはいろいろな想いがあって、自分の信念も曲げずにずっと持っている人なので、成長を遂げていくというより少しずつ内側が見えるようになってきたり、外的な要因で変化していくことはある人なのかなと。屋根の上での炭治郎くんとの会話によって、内側が少しこぼれ出してきたり、禰󠄀豆子さんが太陽を克服したことだったり、最近の変化を受けて、自分自身の想いや信念がどんどん強くなっているのではと、意識しています。

――本シリーズでは、柱による合同強化訓練「柱稽古」が行われますが、最近練習や稽古を受けているもの、受けてみたい稽古ごとはありますか？

早見：幼稚園からピアノを習っていましたが、私はそれほど練習をするほうではなくて（笑）。でも先生がすごく優しくて、友達に聞くと、スパルタなクラスもあって、練習を1日に数時間もしないとダメと言われるそうですが、私の先生は、全然練習できなかった週でも「じゃあ、ここで練習しよう」と言ってくれる方で。なので今でもピアノに対して好きな気持ちがあって……練習はハードなので大変だとは思いますが（笑）、ピアノの音や弾くこと自体嫌だなと思わなかったのは、優しい先生のおかげだなと思って、本当に感謝しています。

――最後に、皆さんへメッセージをお願いします。

早見：「刀鍛冶の里編」が終わって、「柱稽古編」が始まりました。ここしばらく登場していなかった柱のメンバーも多いので、ここからは物語がガラッと変わって、柱たちにもフォーカスした物語になっていきます。気持ちを新たに「柱稽古編」をしっかり楽しんでいただけると嬉しいです。

作品概要

あらすじ

集英社ジャンプコミックス1巻～23巻で累計発行部数1億5000万部を突破した
吾峠呼世晴による漫画作品が原作。アニメーション制作はufotable。
家族を鬼に殺された少年・竈門炭治郎が、鬼になった妹の禰豆子を人間に戻すため、
《鬼殺隊》へ入隊することから始まる本作は、
2019年4月より『テレビアニメ「鬼滅の刃」竈門炭治郎立志編』の放送を開始、
2020年10月には『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を公開、
2021年から2022年にかけて、『テレビアニメ「鬼滅の刃」無限列車編』
『テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編』を放送・配信、
2023年2月より『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』を公開、
4月より『テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編』放送・配信した。
2024年2月からは前作を超える140以上の国と地域で
『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』を公開、
そして、5月より『テレビアニメ「鬼滅の刃」柱稽古編』の放送が決定。

柱稽古へ――
鬼殺隊最強の剣士《柱》と鬼殺隊士たち。
来たる鬼舞辻無惨との決戦に向け、《柱稽古》開幕。

それぞれの想いを胸に、
炭治郎と柱たちの新たなる物語が幕を開ける。