「私たちの歩みがギュッと凝縮されています!」リアル×ファンタジー×ライブが融合した体感系ムービー劇場版アニメ「i☆Ris the Movie - Full Energy!! - 」公開中! 山北早紀さん、芹澤優さん、茜屋日海夏さん、若井友希さん、久保田未夢さんインタビュー
アニメーションだからこそ光るそれぞれの個性
――小ネタもたくさんあって、それぞれの個性も散りばめられている印象です。
若井:私は台詞を岐阜弁にしようと思っていました。台本は標準語でしたが、せっかくなのでと思って自分でアレンジしています。地元推しでいこうと思って、岐阜ネタも入れて(笑)。コテコテで。
――アニメーションのキャラクターを俯瞰で見たときに「自分らしいな」と感じるようなポイントもありましたか?
久保田:みんな驚いている中でひとり冷静で、テンション感が確かに私っぽいなと思いました。楽屋でひとりで音楽を聴いていたり、とか。楽屋の姿なんて制作のスタッフさんに見せたことのないのに、なんで分かるんだろう?って思いました(笑)。
――スタッフにヒアリングもあったんですかね?
若井:マネージャーさんとは打ち合わせはしてたみたいですね。
久保田:私たちにもあったんですけど、楽屋の過ごし方などではなく、これまでの歴史を中心に聞かれていて。だから、5人の中での立ち位置や、ツッコミ・ボケのバランスがうまく描かれていて、すごいなって思っていました。
茜屋:みんなのことは特徴を掴んでる!って思いながら見ていたんですけど、自分のことは「私ってこう見えているんだ」って新鮮でしたね。私のYouTubeをすごく見てくださったのかなとも思いました。例えば(劇中に出てくる)顎ドンのネタに関しては、昔はよく顎ネタをやっていたんです。でも最近はやっていないので、知る人ぞ知るって感じの小ネタで、しかも実際のネタより面白くなってる(笑)。他にもいろいろな小ネタがたくさん入っていたので、(スタッフ陣にも)ヒアリングもしてくださっていたんだろうなって思っていました。
芹澤:私の場合はどうだろうなあ。ファンの方が見てる私はSeriko is No.1!って雰囲気があると思いますし、実際その言葉を劇中で何度も言ってるんですけれども(笑)。でも後半、調子に乗りすぎて迷惑をかけてしまうのも、私っぽいのかなって。唯一メンバーと喧嘩をしたことがある女ですから(笑)。しかも自分がやってしまったことを気にして「ヤバい」となっているところは、ずっと応援していた方からすると「芹澤って変に気にしいなところがあるよな」って思ってもらえるんじゃないかなと。私も、私らしさを感じました。
――アニメーションになった芹澤さんもかわいかったです。
芹澤:かわいいですけど……(実物の)私と良い勝負ですかね……?(笑) どっちもかわいいです。
――リーダー(山北さん)はいかがでしたか?
山北:すごいと思いました。「おつかれさきさま♡」「たのしもーもーふぁーむ」などの私の口癖が全国の劇場に配信されるかと思うとワクワクが止まらなかったです。私はさきさま、の“ま”から言葉を続けることが多いのですが、「100点さきさまんてん!」と いう新手のワードも加わっていて(笑)。確かに私、言いそうだなって脚本を見て驚きました。あと、i☆Risでいる時にはあまり見せない“さきさまっくすぴゅあはーと”な部分も出てきて……。
一同:なにそれ(笑)。
山北:(スルーしつつ)長年一緒にいると恥ずかしくて出せないところもあるけれど「そうだよね。私ってこういうピュアで、まっすぐな女だよな」って思いました。
――自分自身のことを再発見することもあったんですね。
山北:劇場版を見たら、めちゃくちゃ良いリーダーをしていて。でもここ数年、そういう面をメンバーには見せていなかったと思うんです。だからメンバーはこの作品を見て「山北さん、本当はこんなんじゃないのにな」って思っているかもしれないな、なんて考えていました。
若井:逆に私は、さきさまが一番作り込んでないなって思っていました。それが良さのひとつだなって。
希望の花が咲く
――松隈ケンタ氏が手掛けた新曲「希望の花を」、とても良い曲ですよね……! これまでとはまた違った、i☆Risの個性が花開いている印象がありました。
一同:そうなんです!
山北:デモが送られてきた時点で自分の感性に刺さりました。「これは神曲だ!」と確信しました。もう全部が良いんですよね。メロディーラインも歌詞も。きれいな言葉だけではなくて、泥臭さもあって。
茜屋:私も歌詞が好きですね。デモをもらった時から「こういう曲が歌いたかった!」って。私たちのところに来てくれてありがとうございます!って気持ちでした。i☆Risの歌は、普段であればちょっとクセをつけることがあるんです。でも今回は「ストレートに、心のままに歌って良いよ」という感じだったので、ミュージカルのようなスタイルで歌わせてもらって。
歌を歌い続けることをやめない、といった歌詞があるんですけど、続けることをやめない、という意思を劇場版で見たことで感動しました。
芹澤:私もです。レコーディングの時から良い曲だなと思っていたんですけども、映画を見たときに、改めてめちゃくちゃ良い曲だなって。映画のクライマックスの、盛り上がるシーンで掛かるんですけれども、歌詞の刺さり方がレコーディングの時とは違って「うわっ、良い!」って感動して泣けました。
若井:レコーディングでも松隈さんがディレクションしてくださったんです。普段i☆Risのレコーディングでは、作曲してくださっている方ではなくて、同じ方がいつもディレクションしてくださっているんです。そのため、作曲してくださったご本人にディレクションしていただく機会というのは、あまりなかったんですね。だからとても新鮮でした。
――どのようなディレクションがあったんですか?
若井:松隈さんワールドというか。「ここの歌い方はもっと雑に言ってほしい」とか。例えば「やめない」を「“やめねぇ”って歌って」とか。それぞれの個性も、本人がこれまで持っていなかった新しい部分も引き出してくれました。私は最初にレコーディングしたんですが、自分自身、今までにないテイクを取れた感覚があって、めっちゃうれしくて。自分だけでは出せない部分を出すことができたなという手応えを感じていましたが、完成したものを聴いたら、みんなそれぞれいつもと歌い方が違って「めっちゃ良いな、この曲!」って。
もう日常的に聴いてますね(笑)。自分たちの曲をプライベートで聴くことって正直あまりないんですけども、「希望の花を」は良いなぁって。
久保田:実はレコーディングは1年前くらいなんですよね。良い曲だなとは当時から思っていましたが「物語のどこで流れるんだろう?」とあまり想像がつかないままだったんです。劇場版の流れで見たときに、松隈さんのディレクションならではの粗削り感もマッチしているなって。
これまでのi☆Risちゃんのイメージを考えると、劇場版の挿入歌となったらキラキラした雰囲気になるのかなと思っていたんです。でもすごく泥臭い曲で、それがある意味、あの映画の中のi☆Risらしさにつながっているなって思いました。キラキラしているだけじゃなくて、泥臭く頑張ってきたi☆Risというのも、あの曲の歌い方に含まれていて。私も劇場版のあの流れで聴いたときにより心にきました。
――あの曲の前後にあるセリフもいいですよね。ああ、i☆Risちゃんいろいろと苦労してきたんだなぁとしみじみと感じるというか。
久保田:染みますよね(笑)。
――映画の端々から、制作陣の愛を感じました。スタッフとはどのような会話をされたのでしょう?
山北:いろいろな方が現場に出入りしていたので、アフレコではほぼ音響監督とのやり取りではあったのですが……。
芹澤:事前打ち合わせでは、博史池畠監督と脚本の福田裕子さんとお話することができて。いかにi☆Risちゃんが好きかを語ってくれたんです(笑)。福田さんは「みんなが少しでも違うと思ったら脚本は直すから!」とも言ってくれて。皆さんの愛情と同時に、今回の企画が決まってからたくさんの時間を掛けて作ってくださったんだろうなと感じました。完成披露の日に、福田さんがSNSで大量につぶやいていて(笑)。とにかく愛がすごくて、純粋にうれしかったですし、ありがとうという気持ちになりました。
――本人役を本人が演じる難しさなど、アフレコでのエピソードがあれば教えて下さい。
山北:私は泣くシーンがあるんですが、絶対にみんなの前でやりたくないなって思っていたんです。時々は泣きますけど、影に隠れて泣く人間だから。だから「うわーやだな!」とは思いつつも「こんな場でもないと泣かないよな」と思ってやりました。そこはちょっと恥ずかしかったですね。
若井:本編収録後のガヤが大変でした(笑)。制作陣にプリティーシリーズのスタッフさんが多いんです。プリティーシリーズはガヤも醍醐味なので、あの大量のリス、魚、猫、全部私たちで演じていて。新人声優や後輩ちゃんなど、30人くらいいろいろな方がいる中で、何時間録ったかな?ってくらい。
――さまざまな歴史が詰まった本作を見て懐かしさを感じることはありました?
久保田:描かれている表情も昔っぽかったんですよね。ものすごく細かいなって。
若井:私は逆に大人っぽかった(笑)。
久保田:そこも細かく再現されていて、すごいなって思いましたね。そういうリアルさもありますし、ドキュメンタリーではあるんですけれども、そこにファンタジックな要素が加わったことで、i☆Risを知らない人が観ても楽しめる作品になったんじゃないかなって思っています。老若男女、皆さん楽しめると思います。さきほども話題にのぼっていた通り、プリティーシリーズでご一緒させていただいている方々が多かったので、皆さんの強みが生かされてるなって。
――本作が生まれたことで、i☆Risのこれから先の10年のビジョンに変化はありましたか?
若井:ビジョンを共有しないのがi☆Risなんですよね(笑)。
山北:明確にこれっていうのは正直なくて。でもみんなが心身健康で、続けたいと思えるのであれば、続けまくってくれ!って(笑)。それと唯一無二の存在でありたいなとは思いますね。結成当時にいた仲間やライバルたちが、それぞれ違う道を歩み始めていて。
だからこそ、うちらのことを「最後の希望だよ」って言ってくれたり「日々励まされてるよ」と声をかけてくれるファンの人もいます。そういう人がいる限り、私は続けたいなと思っていますけれども、そこも五者五様と言いますか。一人ひとり、考えは違うと思うので。そんななか、10年以上ひとつのグループとして成り立っているのは奇跡だなって。だから、なるようになるんじゃないですか(笑)。
芹澤:それでもi☆Risが続いていることに対して、「他にやることがないから」「i☆Risにしがみついてる」とか、そういうネガティブな理由だと考えている人も、もしかしたらいるかもしれないのですが……でも、この劇場版を見ることで「こんなことができるのはi☆Risしかいないよね」って思ってもらえるんじゃないかなって。
私たちは続けたくてi☆Risを続けているし、やってて良かったなって思っています。それと最近、お客さんも「続けてくれてありがとう!」ってマインドになっていることを感じるんです。それはこの劇場版のおかげかもしれません。
――現在はツアー「i☆Ris 9th Live Tour 2024 愛たくて…Full Ener9y!!」中です。どのような手応えを感じられていますか?
山北:完成披露プレミア上映会のあとくらいにはじまっているので、うちらもエモくなってしまって。円陣の掛け声も今までは(ちょっと低めなテンションで)「ふるえなじ〜……」みたいな時もありましたけれども(笑)、「Full Energy!!」って、ちゃんとやろう!って。この間、名古屋がツアー2か所目だったんですけど、上映会を見てくれた方もいて、お客さんの表情も如実に違うんですよね。感謝の気持ちで溢れている感がすごいです。
若井:私たち自身もファンの皆さんに対して感謝の気持ちで溢れています。感謝をしあえているからこそ、ライブの時間がより尊いというか、「この瞬間を楽しもうぜ!」とお互いに思い合えている気がします。今回のツアーは特に雰囲気が良いです!
久保田:初日からすごいですね。そういえば、i☆Risでのツアーって久しぶりな気がするんです。
芹澤:あ、確かに。
久保田:もうステージに出た瞬間の歓声がすごいんですよ。みんな仕上がってて、初日でこんなに盛り上がるのは珍しいなというくらい盛り上がっています。
――映画を通じて5人の絆がより深まったところも?
茜屋:あると思います。
芹澤:映画の最初に「最近良い雰囲気ですよね」みたいな話があるじゃないですか。本当にその通りで、最近、良い雰囲気な気がします。MCからもそれは感じますね。ぜひ皆さん、劇場版を観てツアーにも足を運んでいただければと思います。
[インタビュー・逆井マリ / 写真・MoA]
「i☆Ris 9th Live Tour 2024 愛たくて…Full Ener9y!!」
【日程・開場/開演・会場・地域】※一部SOLD OUT
▶[埼玉]戸田市文化会館
2024年04月21日(日) 開場16:30/開演17:00
▶[愛知]日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
2024年04月28日(日) 開場17:00/開演17:30
▶[福岡]Zepp Fukuoka
2024年05月3日(金祝) 開場17:00/開演17:30
▶[宮城]仙台PIT
2024年05月12日(日) 開場17:00/開演17:30
▶[東京]TOKYO DOME CITY HALL
2024年06月16日(日)
<昼公演>開場14:00/開演15:00
<夜公演>開場18:00/開演19:00
▶[北海道]Zepp Sapporo
2024年08月17日(土) 開場16:30/開演17:00
▶[神奈川]KT Zepp Yokohama
2024年08月24日(土) 開場17:00/開演17:30
▶[大阪]Zepp Namba
2024年08月25日(日) 開場16:45/開演17:30
【受付対象席種/券種】
全席指定 9,000円(税込)
【チケット販売情報】
一般販売受付中! ※一部SOLD OUT
https://iris.dive2ent.com/news/detail.php?id=1115679
詳細は、公式サイトにて
作品概要
あらすじ
『次の10年、わたしたちはどうなっているんだろう』
あるライブ当日。i☆Risたちの楽屋に届けられたグッズのTシャツから突如、しゃべる謎の白いリスが現れる!
そして突如眩い光に包まれ、目の前に広がるのは、大きな虹がいくつも浮かぶ不思議な世界。なんと、ここは自分がなりたいものになれる世界・リスリスランドだと言う!
5人は楽しくて最高な場所だと、それぞれの夢を叶えて満喫するが、ここにあるものが“ない”ことに気づく。この世界には―――「歌」がない。シロリスは i☆Ris に「歌」を取り戻してほしいと助けを求めるが...。
なぜ「歌」が消えてしまったのか? この世界に、もう一度「歌」を取り戻すことができるのか? そしてこの旅の果てに、彼女たちは本当に“なりたいもの”を見つけられるのか――? i☆Ris とキミが歩む、“これから”が描かれる。
キャスト
(C)API・81P/FullEnergey!!製作委員会