夏アニメ「先輩はおとこのこ」 連載:梅田修一朗さん(花岡まこと役)インタビュー|まことは女の子になりたいのではなく 、自分の“かわいい”を貫きたいだけ
「次にくるマンガ大賞2021」Webマンガ部門で3位、「第5回アニメ化してほしいマンガランキング」1位を受賞したLINEマンガ連載のwebtoon作品『先輩はおとこのこ』。かわいいものが大好きな男の娘の花岡まこと、そして後輩の蒼井咲、親友の大我竜二との人間模様や、それぞれが成長していく過程が丁寧に描かれる本作のTVアニメが、2024年7月4日(木)よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて毎週木曜24:55~より放送されます。
アニメイトタイムズではメインキャスト3名に、放送までのカウントダウンインタビューを実施! 第3回目は花岡まこと役の梅田修一朗さんに、作品への印象や“普通”という概念についてお聞きしました。
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まこと先輩は「男の娘」というカテゴリーからは外れた存在
――原作を読んだときの印象を教えてください。
花岡まこと役・梅田修一朗さん(以下、梅田):絵のタッチ、そして登場人物たちや作品の空気感などがきれいだと感じました。全体的に透明感があってキラキラしています。実際にまこと先輩みたいな人がいたら、僕も目を引かれるだろうなと思いました。
――人間関係などについては、シリアスな面も描かれています。
梅田:かわいいものが大好きなまこと先輩だけでなく、実は咲ちゃんや竜二にも、他者に言いづらい悩み・胸に秘めた思いがあって。繊細で、自分の胸に突き刺さるようなシーンもあります。
一方で(原作者の)ぽむ先生の独特なコメディ要素も作品にはいっぱい詰まっていて、すごく楽しく読み進められるんですよね。シリアスなシーンもありますが、アニメを見るみなさんも、どうか3人のように笑っていて欲しいです。
――タイトル通り、先輩が「男の娘」というのはインパクトがあるかと思いますが、読んでいると「そういう気持ちになったことあるかも」という共感が生まれる作品でもあると思っています。
梅田:自分の好きなものが、もしかしたら他の誰かにとってはそうでもないかもしれないって感じる瞬間ってありますよね。例えば友達との会話で「あれ、めっちゃ面白かったよね!」と話を振ったときに「えっ、そうだった?」と反応されると、「もしかして他の人と感覚がズレているのかも」と思うとか。今の例え話は些細なことかもしれませんが、まこと先輩の悩みって、実はそういうものに近いのかなと思っています。
――改めて、演じるまことの紹介をお願いします。
梅田:まこと先輩はとにかくかわいいものが好きで、かわいいものが似合う自分になりたいと思っている人です。そういう考えから、学校でも女の子の格好をして過ごしているんですよ。ただ、自分の考え方や行動が他の人とは違う、普通じゃないといつしか思うようになっていって。それから自分を守るためにも、周りの人に迷惑をかけないためにも、人との距離を置くようになります。周りに合わせるのではなく、自分の好きをしっかり持つ強さがありつつ、相手に対する思いやりを持っている少年だと僕は思っています。
――演じるうえで意識することはありましたか?
梅田:アニメなどでいわゆる「男の娘」というカテゴリーは築かれてきたと思うんです。ただ、まこと先輩は、そのカテゴリーからはちょっと外れている存在だと僕は思っていて。彼は女の子になりたいのではなくて、自分のかわいいを貫きたい結果、女の子の格好をしているだけだと僕は捉えているんです。なので、「男の娘」というよりも、まことがどういう少年なのかを考えて演じていますね。
――声の高さなどは悩みましたか?
梅田:悩みましたね。ただ、ぽむ先生がテープオーディションの段階で、僕の演じたまこと先輩の声がピッタリとおっしゃっていたと聞いたんです。それを心に留めて、現場でスタッフの方々とすり合わせしながら演じています。僕が試行錯誤しながら演じる過程がまこと先輩にそのまま反映されてもいいのかなと思いながら、役と向き合っていますね。
――物語の中心人物である咲・竜二への印象もお聞かせください。
梅田:咲ちゃんは、はつらつとした誰にも真似できないようなグイグイパワーを持っている女の子です。ただ実はすごく繊細で、脆い一面も持っていて。登場時はあまりそういった感じがしないかもしれませんが、物語が進むにつれて「大丈夫かな?」と心配になっちゃうような子です。竜二はしっかり者に見えて、実は等身大の思春期男子。でも頼もしい存在で、すごく素敵なキャラクターですね。
――演じる関根明良さん、内田雄馬さんのお芝居の印象も教えてください。
梅田:関根さんのお芝居からは、すごく咲ちゃんと向き合っているというのが伝わってきます。先ほどお話した咲ちゃんのハツラツさ・繊細さどちらもしっかりと表現されていて、そのお芝居に引き込まれるんですよ。雄馬さんは「ななな、なんだよ」みたいに言いよどむところのお芝居がまさに思春期男子。より竜二を愛おしく感じます。一方でカッコいい竜二もしっかりと表現されていて、そのギャップにグッときますね!