
懐かしさと20年間の成長を込めて、“あの頃の想い”をもう一度燃え上がらせる――Vシネクスト『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』プロデューサー・塚田英明さん×アクション監督&デカレッド・福沢博文さんインタビュー
次回作の展望は『デカマスターvsおとどちゃん』!?
ーー折角の機会なので、それぞれの立場から見た魅力的なヒーローの条件を伺いたいです。
塚田:やはり子供に格好良いと思ってもらえるヒーローが良いですね。作品を作るうえでは、「どういうヒーローなのか」という根本的な部分を考えるようにしています。ライダーなら「悪から派生した正義」、戦隊で言えば「チームヒーロー」。作品によってはヒーローのデザインで変身していてもヒーローじゃない人たちがたまにいるので(笑)。一方、悪は悪で重要だと思っています。それが弱いとヒーローが立たなくなってしまう。そういう意味で、ヒーローはヒーローだけでは成立しないんです。
福沢:作品ごとにそれぞれの良さがありますよね。世界観やどういう集団なのか。それこそ『デカレンジャー』のみんなは本当に個性的じゃないですか。デカレッドを演じるうえでも、バン(赤座伴番/デカレッド役・さいねい龍二さん)の喋りや表現の強さが指標になっています。
ーー人によって定義は様々ですが、バンの真っ直ぐな性格はヒーローとして本当に魅力的だなと。
福沢:本当に良いキャラクターですよね。彼の中には“内なる炎”、自分の信念に基づいて、物事を良い方向に持っていく力があると思うんです。全てが上手くいかなくても、「失敗も含めて先に進んでいく」みたいな。第1話でバンが固まったチームの中に入っていって、最後は巣立っていくという物語全体の流れがとても好きなんです。
ーー気は早いかもしれませんが、「まだまだデカレンジャーの活躍を見たい!」というファンは多い気がします。
塚田:今作の試写会でドギー・クルーガー/デカマスター役の稲田徹さんから、熱い感想をいただきまして(笑)。その流れから、飲み会の雑談で『デカマスターVSおとどちゃん』というアイデアが出たんです。
ーーえっ!? 桂浜水族館公式マスコットキャラクターの「おとどちゃん」ですか?
塚田:そうです。冗談で言ったら、周りが「本当に作ってよ!」と(笑)。ドギー・クルーガー(デカマスター)は外見的には歳をとらないですから、時を経ても作り続けられるので、「おとどちゃん」サイドが許してくれるなら……。
ーーぜひ実現してほしいです! 最後になりますが、今作を楽しみにしている『デカレンジャー』直撃世代の読者に向けて、お一言ずついただけますでしょうか。
塚田:ドギー役の稲田さんはもちろん、ナレーションの古川さん(古川登志夫さん)、真子さん(白鳥スワン役・石野真子さん)にも出ていただいて。このタイミングで全員揃ってくれたことは本当にありがたいなと。それぞれの20年間の成長も出ているので、楽しんでいただければと思います。
福沢:当時観ていた人に「これぞ『デカレンジャー』!」と思っていただける内容になっています。20年という期間で作品自体も良い熟成度になっているので、懐かしい気持ちとともに、あの頃の想いをもう一度燃え上がらせてください!
[インタビュー・写真/小川いなり]
『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』作品情報

あらすじ
急行したウメコとセンは、現場にいたジウジッソ星人の子・マープルから怪しい女エイリアンがいたと目撃情報を得る。姿を現したエイリアンの確保を試みるデカレンジャーたちの前にプレミアデカレッドが登場するが、呼吸が合わずに取り逃がしてしまう。
プレミアデカレッドに変身していたのは、バンが指導するファイヤー・スクワッド所属の新人・江戸川塁。バンと塁は地球に落ちた未確認物体の調査に来たところだった。その後の捜査で容疑者となるアリエナイザーの正体は、銀河の麻薬王タレワラーネの妻・ラエンジョと判明。タレワラーネは塁にデリートされていて、その復讐でラエンジョが行動しているのでは?という捜査方針から、ラエンジョを追ってホージーとジャスミンはラエンジョの住んでいたチーマ星へ、バンとウメコと塁はエイリアン特区へ向かった。
一方、爆破現場一帯から発見された手掛かりの謎を追って、センとテツはあらゆる植物に精通した牧野植物園学芸員モクミスに会うために高知へ駆けつける。だがふたりを前にしたモクミスは、リドミハ星人の姿になっていきなり攻撃をしかけてきた!
デカレンジャーたちの捜査は果たして事件を解決に導けるのか!?
キャスト
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